episode2 俺は平凡に暮らしたい
「いやです。」
俺は即答した。
だって、そりゃそうだろ。戦場に身を置くなんて、そんなことしたくない。
確かに、恐怖で支配されたあの場所に町のヒーローとして参上なんてしたら、かっこいいだろう。
だが、俺は平凡に暮らしたいんだ。守る側じゃなくて、守られる側のタイプだし。
そもそも、自分の魔法だってよく理解してないし、あの時は火事場の馬鹿力?的なのでなんとかなっ他だけだと思うし。
「えぇ〜そんなこと言わないでちょうだいよ〜」
と言って、半分体を起こしている俺の顔を覗き込んでくる。
くそ、顔がいいな……。
「いやです、俺じゃ飛んで火に入る夏の虫ですよ。さっきも言いましたが、自分の魔法を理解できてない上に使い方すらわからないんですよ。」
「それなら大丈夫!」
そう言って飯田さんはポケットに手を突っ込んで、何かを取り出した。
「これはね、魔法の属性を調べることができる魔法石なの。
触ったら魔法石の色が変わって、それぞれ色で属性がわかるのよ。」
さあ、やってみて!と言いながら布団の中に入れていた俺の腕を引っ張り出して、魔法石に手をあてさせた。
ふわっと一瞬光り、その後色が変わった。
その色とは
「黄色……光属性ね!うちにはまだいなかったのよ!」
きゃっきゃっと嬉しそうにしている。
そんな反応されても、俺は入らないって言ってるじゃないですか、飯田さん。
なんて考えていると、再び病室の扉が開いた。
「お、目が覚めたか少年。」
「は、羽柴剛……!?」
「お、俺のこと知ってるのか、俺も有名になったな〜」
この屈強な男は、羽柴剛。ここ東京管轄の隊長で、超有名人だ。
先ほど俺に声をかけてくれたのはこの人だ。
なんで、俺をスカウトするためだけにこの人来たのか!?
「1人に知られていただけで調子乗んないでください隊長、テレビ出てるんだから有名なのは当たり前です。」
「あ、茜、そんな言い方しちゃダメだよ……。」
この2人は……城崎姉妹じゃないか!?
城崎姉妹とは、同じく東京管轄のヴァイルハウンドの隊員で、姉の茜と妹の葵の双子のことだ。
身長は150cmと小柄だが、有名なだけにそれだけの実力がある。
テレビでみた映像では、大剣を使っていたはず。
「皆さん、どうしてここに……、お忙しいでしょうに。」
「俺たちは君を迎えに来たんだ。これから我々の事務所に向かうぞ。」
「いやだから、俺はヴェイルハウンドには入りませんよ。」
そういうと、目をまんまるにして驚いている羽柴さん。
いや、断られることを想定してなかったのかよ。
「え!?ヴェイルハウンドだぞ、入ったら一生安泰だぞ!?」
「そのために命を張る気はありません。
それに、属性がわかったとしても使い方が分からなければ話にならないでしょう。」
「それは大丈夫だ、俺たちが責任を持って教えてやるからな!」
「いやでも……」
数十分後
押し切られてしまった。
くそ……押しに弱いところ直したい。
「それじゃあとりあえず、俺たちの事務所に向かうけど、体は平気か?」
「はい……」
ベッド降りて立ち上がる。
はぁ…ほんと、なんて日だ………。




