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第5話 皇帝陛下からの取引

 エドウィンとコリンナが断罪された後、アリアたちは皇帝陛下に呼び出されていた。


「おかえりなさいませ、皇帝陛下」


 アリアとレオンは深く頭を下げた。


「うむ。アリアも愚息のせいで苦労をかけてすまなかった」

「いえ、とんでもございません」


 アリアが婚約破棄された後すぐ、レオンが皇帝へ早馬で事の次第を伝えていた。

 婚約破棄、そして新たな婚約の儀のこと。

 全てを知った皇帝は隣国から一日前倒して、急いで帰国したのだ。


「やはりエドウィンは、雷獣ジークスの生まれ変わりであったか」

「おそらくそうでしょう。胸の紋章、そして力の暴走も含め」


 レオンが真剣な面持ちで皇帝に告げる。


 エドウィンは平民身分となった。

 しかし、その力が他人に被害を及ぼす可能性、そして彼自身が悪用する可能性がある。

 そのため、彼は皇国の監視下のもと、王都近くの村で過ごすこととなった。


 一方、コリンナは国庫金に手をつけた共犯者として裁かれた。

 エドウィンと同じ平民身分となり、彼女は修道院へと送られている。


 問題はここからだった。


 皇帝はアリアに視線を向け、告げる。


「アリア、わしと取引をしてはもらえないか」

「取引、でしょうか」

「ああ、そなたの実家での冷遇を鑑みて、実家からの独立、生活の保障をわしが行なおう。そのかわり……」

「そのかわり……?」

「『雷帝』の伝承、そしてこの国の聖女の秘密について解き明かしてほしい」


(予想通りではあるわね。なるほど、この国の伝承について調べる……)


 アリアが考え込んでいると、皇帝はにやりと笑って告げる。


「大丈夫だ。迷惑をかけた詫びといってはなんだが、レオンを調査の補佐につけよう」

「なっ! 父上!」


 レオンは両手を広げて皇帝に反論する。


「俺は兄上の分の公務もありますし……」

「いや、その心配はない。わしが全部やる。だから、お前はアリアに従え」


 皇帝はきっぱりとレオンの意見を突っぱねた。

 公務を全ておこなうという皇帝の主張は、あながち間違いではない。

 彼は初代皇帝以来の秀才と呼ばれており、仕事ができる。


「ま、わしにはまだまだ到底及ばないだろうから、アリアと協力してわしをぎゃふんと言わせてみろ」


 皇帝は上機嫌で足を組み直して、タバコをふかせた。


(レオンのやつ、「この、くそ親父!」って思ってる顔ね。あれは)


 事実、その通りだった。

 しかし、なんとか口には出さないように耐えたのだ。


 そんな軽い冗談を挟みながら、皇帝はアリアへ告げる。


「隣国の聖女のこと識者に聞いてきた」


 その言葉にアリアはハッと顔をあげる。


(隣国の聖女……! もしかして、『無の聖女』と何か関係が?)


「隣国の聖女に力を吸収する聖女の伝承はなかった。だが、識者によれば我が国の初代泉の聖女にその力があったのではないか、との見立てだそうだ」

「泉の聖女……」


 そして、さらなる情報がアリアとレオンに告げられる。


「恐らく、『無の聖女』の秘密は、『雷帝』と密接に関わっている。そして、我が国の識者によれば、やはり『雷帝』の生まれ変わりは、レオン。お前だ」


いつも読んでくださりありがとうございます!

ついに短編後のお話になります!お楽しみいただけますと幸いです。


レオンの口の悪さは、実は皇帝から受け継がれたものです(笑)

彼も昔はやんちゃだったんです…

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