第22話 システムテストの為の単体テスト
少し短いです
そして、中間試験当日。早朝のアンオブタニウム教室には、5人のクラスメイトが集合していた。まぁ、いつも通り一人は寝ているけれど。
「さぁ、集まったわね。じゃあ作戦の確認をするわよ」
「作戦と言っても……誰がどの科目を担当するかってだけじゃない……?」
当然、誰がどの科目試験を受けるのかは事前に決めてある。だから、それぞれがその科目に特化して試験勉強をしてきたわけだ。まぁ、これも若干名例外はいるけれども。
「私たちは連帯責任のチームなのよ? その自覚を持つためにも必要な儀式なの」
「おぉー……アンオブタニウム教室。みんな一匹狼ばっかりだった。ここまで仲良しなのは珍しい」
リュミエ先輩が驚いている。4年生ということは、卒業したアンオブタニウム生とクラスメイトとして3年間やってきたということ。その先輩が珍しいというのだから、確かに稀有な状況なのだろう。良いと思うが
「御託はいい、さっさとその儀式とやらを終わらせろ」
「急かさないで頂戴。まず午前は座学。属性学はシュルツ先輩、魔法学は私が担当する。呪術学と魔導器学は得意な人が居ないから今回は捨てるわね」
妥当な人選だろう。シュルツ先輩は座学であれば多分どの科目も行ける。シアは未来の魔法使いとしての知識や教育に力を入れているから魔法学。どちらもこのクラスどころか大学全体で見てもトップを狙える人選だ。そして、問題はこの後……
「次は午後の実技。魔力操作はリツ、魔術戦はルカ、障害踏破がリュミエ先輩」
「俺、本当に実技じゃないとダメ……? 別に呪術学も魔導器学も授業は受けてるから、そこそこの点数は取れると思うんだけど……」
「そこそこの点数じゃダメなの、リツの魔力操作技術は言っておくけれど一流なのよ? 魔術の出力をあれほど正確にイメージして出力できる術師はそうそういない」
「あ、そうなんだ」
自信はないが、シアが見込んでくれたのだ。やるしかないだろう。
他の二人は……どうなのだろう。ルカは魔術戦だが、魔術が使えない。例の魔力放出だけで通用するのかどうか。そしてリュミエ先輩も障害踏破……つまりは障害物走とかいうフィジカル重視の実技科目だ。ここの人選は逆の方が良かったんじゃないかとも思うが……
「お、揃ってるな。改めて通告しておくが……試験に関しては俺は関与できない。まぁ日頃頑張っているお前らなら大丈夫だと信じてるさ。頑張ってこい」
そして、科目の確認も終わった所で、教室にティオ先生が入ってくる。その黒いグラサンをキラリと光らせながら、武運を祈るとばかりに親指を立てる。そろそろ最初の試験が始まるということだろう。
シュルツ先輩が席を立ち、白衣をはためかせながらすたすたと歩いていく。片手には漆黒の魔導書。魔王としての存在感を放ちながら、振り向きざまに一言。
「――せいぜい、我の足を引っ張るなよ? 一年坊主ども」
そして、何も起こることなく午前は無事に終了した。シュルツ先輩もシアも、自己採点ではほぼ満点だとのことだ。なんとも頼もしいことだ。
問題はこの後、午後の実技だ。
「まずは魔力操作ね、リツ、行ってらっしゃい」
「うん……」
不安を抱えながらも、大事な魔導書を抱えて俺は教室を後にする。そして、試験会場へと向かった。




