53.レティシアの救出
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(あの3人が仁王立ちしてると、なかなかの威圧感ね…)
さらわれた本人がぼんやりと考えている。
「あら、レティシア、無事だったのね。」
スカーレットがツインテールを揺らしながらこちらを振り返った。
その声に、反応したルカとジャンマルコは、目にも止まらない速さで目の前に現れた。
「「大丈夫か?!」」
「大丈夫。大丈夫よ、捕まってごめんなさい。それより、これをみて欲しいの。」
二人の剣幕に圧倒されながら、手首を見せようとくるっと後ろを向く。
「これは…魔力を吸い取るのか。」
さすがルカだ。ひと目見ただけで、察した。
それと同時に顔が険しくなる。
「そうなの。魔術を使おうとしたら、この石に吸われるみたいで、発動できない。」
「こんなもの初めて見たな。少し試してみていいか?」
ルカは石に触れ、自分の魔力を流す。石は、先ほどと同じように渦をまき、吸い取るそぶりをみせた。
「魔術で石を破壊するのは難しそうだな。」
そう言って今度は、繋がれている鎖を切ろうとした。こっちは案外簡単に切れた。
「鎖は普通の鎖なんだな。土台の金具ごと切るぞ?」
そう言ってぎゅるぎゅると空気の密度を上げ、金具を切ってもらった。
腕輪が外れた瞬間、ずっしりと感じていた腕が軽くなった。
「よかった。一生このままかと思ったわ。」
手枷が外れたレティシアをみたジャンマルコが、安心したのか話題を変える。
「さて、レティシアちゃん無事にも戻ったことだし、こいつらどうするよ?」
そこには、ジャンマルコが手際よく縛った男二人が並んでいた。
「なんかこっちのやつ、見覚えあるんだよな。」
ジャンマルコが伸びている二人の男のうちの一人を足でくるっと仰向けにさせると、パウラが思い出したように叫ぶ。
「ゲイリー司祭だ!」
「ああ!ゲイリー司祭だわ!」
「なんですって?!」
まるまる太ったセイウチのような見た目だったゲイリー元司祭は、今ではアシカのように縮んでいる。見た目では分かりにくかったが、パウラは何かを感じ取ったのか、言われてみればゲイリー元司祭の面影がある。
「なぜゲイリー司祭が魔術師をさらってますの?」
「私から説明しよう。」
突然そこに現れたのは組合長だった。
音もなく現れ、ふわっと優雅に着地する。ローブの裾が遅れて足元に着地した。
「ご苦労だったな。」
「へ?」
それからは、全員で泊まっていた宿に帰り、組合長の話を聞くことにした。縛っていたゲイリー元司祭と、もう一人の男は、組合長に引き渡された。
「それで?どういうことですか?」
さらわれた本人は、口火をきってもいいはずだ。クロエが入れてくれたお茶が全員に行き渡ったのをみて、口を開いた。
「最近、見習い魔術師が1名、行方不明になった。国内を探したが見つからない。」
組合長はゆっくりと話し出した。
「その見習い魔術師は今でも見つかっていないが、フランツにきな臭い連中がいるという情報を得た。だから、フランツで大会を開いた。」
「こうなることは折り込み済みってことか。」
「ああ。だが、大会中に二人の魔術師がさらわれ、計3人の見習い魔術師が犠牲になってしまった。」
「私より前に攫われた人はどこに行ったの?」
「一足遅かったようだ。おそらく、もう帝国だろう。」
「帝国?」
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