空へ
もう少し、もう少し。
「槇乃、お願い。返事をして。」
無機質な音と泣き声だけが響く。
「行かないで、ヤダ、離して!槇乃ーーー、、!」
ピピピッ、ピピピッ。
そこで目が覚めた。時計を止めて、いつも見る夢に対して感謝の言葉をつぶやきながら、寝癖を直す。我が家にいる美しい愛猫の餌皿に高級キャットフードを入れ、朝の挨拶をする。
いつものように温めた味噌汁を一杯だけ飲み、ノートとペンだけを鞄に入れる。今日もまた一日、一日と過ぎ去ってゆく。つまらない一日かもしれないし、いい日かもしれない。
だけど、どんなにつまらない一日でも、たとえ最悪な一日になろうと、諦めたり投げだしたりしないって約束したんだ。
「ねえ、ゆず。皆ね、一日は24時間なんだよ。病気で一年しか生きれなかった子も、100年生きた人も一日の価値は変わらないんだ。だから、一分でも一秒でも諦めたり投げ出したりしないで大切にしてね。」
槇乃の言葉がなかったら、今の私はいなかっただろう。
改札を抜け、階段ののぼる。すれ違う高校生の後ろ姿を視界の端でとらえ、ふと嫌な予感がした。振り返ると、彼女は足を踏み外していた。手をのばしても届かない。あぁ、間に合わない。誰か助けて!長い腕が私の後方からのびる。私は怖さに負け、目をギュッとつぶる。そして、ゆっくり、ゆっくり目を開ける。後方からのびた長い腕はしっかりと彼女の手をつかんでいた。大丈夫ですか。その姿が槇乃と重なった。
それは汗ばむほどギラギラと太陽が照りつける、素敵な日だった。クーラーの効いた部屋は、先ほどの暑さなんか吹っ飛ぶくらい気持ちよかった。
「あぁ、すっずしい」
頭でつぶやいたはずの言葉が外に漏れるのを聞いて、私の親友・原 智里が仏頂面で言った。
「ほんっとう嫌になっちゃう。早く冬になればいいのにさ。」
「ともちゃん、そんなに仏頂面してたらしわになっちゃうよー!昨日のzap!観たでしょう!!」
昨日テレビでやっていたのを思い出しながら言う。
「待って待って。ゆず、本気にしてないよね?っていうか私の名前はともじゃなくて、ち・ひ・ろ ね!!ゆずのせいで、皆に間違えられるんだからね。」
「本気って?しわになるんじゃないの?あとちさとって言うのは知ってるよ。でもね、ちいちゃんじゃなくて
ともちゃんなの!」
いつものお決まりの言葉をいいながらたわいのない話を終え、行ってくるねと告げる。
ここは三浦総合病院。私は先日体育の時間に左手首をねんざしたのでその途中経過を先生に見せにきたのだ。
きれいにかたづけられた受付で診察券と保険証を渡して、長椅子に座る。ともちゃんどんな顔して待ってるかな、いつもの仏頂面かなっとその顔を思い浮かべると、笑いがこみ上げてきた。
診察が終わって階段を駆け下りようとしたとき三段目で踏み外した。ヤ、ヤバっ落ちる!!!助けて
ふと、誰かがつかんでくれたおかげで、落ちなくてすんだ。
「ありがとうございます。」
顔を上げると少しやつれた同い年ぐらいの男の子が微笑んでた。
「大丈夫ですか。」
それが槇乃との出会いだった。
病院の外に出ると、やっぱり暑くて、ともちゃんに早く会いたいなと思った。
ともちゃんはいつもの仏頂面、ではなくまぶしいくらいの笑顔で誰かと話していた。
「あぁ、ゆず!こっちこっち!!」
「あ、うん。」
私は男の子が苦手だ。苦手よりも、無関心の方が近いかもしれない。あの日を境目にどう接すればいいのかわからなくなった。
「ゆず、こいつは髙元 司。知ってるよね、いつもの、、、」
「あぁ、いつものあの人ね」
私はいつも幼なじみの司くんのことをともちゃんから聞いていた。ともちゃんはいつも
「司ってバスケバカだし、かっこ悪いし、すぐ調子に乗るの」って言ってた。
「なになに、こいつ俺のこといっつも話してんの?」
司くんはうれしそうに言った。
「ちょっとー、ゆず変なこと言わないでよ?」
少し頬を赤らめて、ともちゃん言った。
「じゃ、また学校で、ゆずちゃんもね。」
そう言って鞄を背負いどこかに行ってしまった。やっぱり男の子苦手だな。
朝。いつものように6時に起き、髪を結ぶ。毎朝同じように温めた味噌汁だけを飲み家を出る。
堤防の上に座って、美しい海を眺める。
「まーたここにいた。」
ともちゃんは笑いながら隣に座る。
「きれいだね。海ってずっと向こうまで広がってるよね。もうそろそろ行こっか。」
その言葉を合図に二人同時に立ち上がる。ともちゃんは自転車をひいて、私は歩いて学校に向かう。
「そういえば昨日、、、」
私は昨日の出来事を話した。階段から転びそうになったこと、男の子に助けられたこと。
「運命じゃん!それ。今日も病院行くんでしょう?会えたら運命だよ!!」
「助けられただけだよ。あ、そうそう、ともちゃん、今日は部活だよね?」
「あーほんとだっ。病院一緒に行けないや、ごめん。」
「いいのいいの、謝んないで。部活がんんっ、、」
言いかけた瞬間何かが私の口元をおさえた。
「何、一生のお別れみたいなしんみりした空気になってんの?」
聞き覚えのある声が言った。
「つかさぁー!!」
ともちゃんが少しキレ気味に、ていうがすごく怒って言った。
「あぁごめんね、ゆずちゃん。口紅取れちゃったかも。薄化粧かぁー、、、可愛い」
私の口紅がついた手を見せながら司くんは慣れたように言った。
ともちゃんは引いたような目つきでじゃあねっと私に言葉を残し、南館の方へ行った。
私の学校は2年1組から4組が南館で、5組から8組が北館なのだ。
私は7組なので北館、ともちゃんは1組なので南館だ。ちなみに司くんは6組なので私と同じ北館だ。私たちは階段をのぼり分かれ道まで来ても喋らなかった。
その日の午後、クラスメイトとお弁当を食べる時、前扉の方からゆずちゃーんと私を呼ぶ声が聞こえて頭を上げた。そこには
司くんがいた。
土曜日。司くんに頼まれて私は三浦総合病院の前にいた。司くんはまだ来ていなくて、代わりにともちゃんが私の横にいる。
相変わらず仏頂面でまだ?とか言ってる。まあまあもう少しとか言ってると集合時間の20分遅れで司くんが来た。ともちゃんには言っていなかったので驚いた顔をして
「なんで司が!?」っと面白い反応を見せてくれた。
私たち3人はエレベーターに乗り、入院病棟に向かった。
司くんはこっちこっちと手招きをする。私たちは1人の男の子の病室へと向かった。中へ入って驚いた。
「あ、あの時の!!!!」
あの時私を助けてくれた男の子がいた。名前は槇乃で、私たちと同じ高校に通っていると司くんが教えてくれた。
「やっぱ運命じゃん」ともちゃんが興奮気味に囁いた。
その声は司くんにも槇乃にも丸聞こえだったみたいで、
2人とも笑っていた。ともちゃんは私と槇乃を2人きりにしたかったみたいで、司くんと二人で外に出ていった。
しばらくの間私たちは黙りこくっていたけど槇乃くんから話を振ってくれた。
「名前なんて言うの?」そうだ、そもそも名前すら教えてない。
「ごめんね、言ってなかったよね。ゆずっていうの。舞原 ゆず」
「可愛いね。」
「ありがとう。」
ぎこちない会話になっちゃった。それでも槇乃はニコニコと笑ってくれて、他の男の子と少し違うみたい。
「槇乃は何組なの?」
ずっと気になってた。高校だし、単位足りるのかな?でも、それ言ったら失礼だし、、
「俺は8組。みんなと違って体が弱いからテストは病院で受けてる。8組の人は単位とかじゃなくてテストの点数が全教科90点以上で進級できるんだ。」
「全教科90点!!頭いいんだね。いいなー」
「ゆずちゃんは、苦手な教科とかあるの?」
「あるよー、ほとんど苦手。だけど特に数学かな、、、」
「数学かー難しいよね。でも、俺は好きだな!良ければだけど、教えてあげようか?」
「ホント?」
「嘘つかないでしょっ」
この日から槇乃に数学を教えて貰えることになった。
「違う違う、ここはこうだよ。この公式を当てはめて、、」
「ううー難しいよ」
「よー槇乃見舞いに来たぞ〜、、って女出来たん??」
「まだ違う」
「え、まだ?」思わずつぶやいた。まだってことは彼女にする気があるって事?
「さすがモテ男、尊敬するわ。で、名前聞いてもいい?」
「舞原ゆずです。」
「堅いなーでも可愛い。ま、お邪魔するわ」
「また来いよ」
「今度来た時詳しく聞くからな」
「あいよ」
台風のごとく過ぎ去って行った。
「あの人誰?聞いてもいいかな?」
「あぁ俺の中学の時の同級生で、須賀也桜汰。
あとさ、さっきの返事聞いてもいい?」
面と向かって言われるとやっぱり恥ずかしい。でも、すごく嬉しかった。
「また今度でもいいんだ。」
「分かった。次きた時返事する。」
「ありがとう」
次の日、土砂降りの雨だったので、学校までともちゃんのお母さんに車で送って貰った。ちゃんと挨拶をして、ともちゃんと別れて昇降口に入る。
「よう、昨日の、えっと、、誰だっけ?」後ろから声がしたので振り返るとそこには須賀也くんがいた。
「私ですか?」
「おまえしかいねえだろ」
「舞原ゆずです。」一日で忘れられるなんて、そんなに薄いかな、影。
「相変わらず堅いなー、、あ、あと槇乃に近づくな」
「え?」そんなこと言われると思ってもいなかった。
「どうせ遊びだろ。」
その一言が私の中の何かを傷つけて壊した。ただムカついた。
ふざけんなって思った。気づいたら勝手に口があいてた。
「ふざけんないで。何が遊びだろだ。私たちの何を知ってるって言うの?」
彼はきっと、あのお堅いやつがそんなこと言うなんて思ってもいなかっただろう。だけど
黙ってはいられなかった。
「、、、。放課後、5組の前に来い。」
そう言うと彼はそそくさと教室に入っていった。
放課後、私は彼との約束通り5組の教室の前に来ていた。
クラスにはほとんど誰もいなくて、探すのは簡単だった。
彼は私を見つけると直ぐに出て来て、ついてこいと言った。
彼の背にピッタリと着きながら進んでいくと、病院の、槇乃の病室の前まで来た。
「早く、返事してこい。」
「あ、うん。ありがとう。」
「じゃ」そう言った彼の背中が寂しく見えて気づいたら腕を掴んでいた。彼は驚いた顔で、
嬉しそうに微笑んでどうした?って聞いた。
「なんて言えばいいかわかんない。嬉しかったけど、
分からない。私でいいのかな?槇乃、あと数年しか生きられないんでしょ、、、」
彼は目を見開いて、知ってたのかっと言った。それから優しく微笑んで、
「思ってることそのまま言えばいい。ゆずならできるよ」
彼の言葉にはすごく重みがあって、それと同時になぜか諦めているかのような、そんな顔に見えた。
「頑張れよ」
「待って、、。今日の朝ごめん、」
「うん、行っておいで!」
俺、須賀也桜汰は困っていた。何に困っているか。それは、
親友の女を好きになってしまったことだ。どうしてか、
分からない。パッとしないし、ハキハキしてないし、今までの
歴代彼女たちとは程遠いような女だった。だけどなぜか会う度に
胸がおかしくなる。気づいたらあの子のことを考えていた。どうしようもないぐらい好きなのだ。
「どうしようか。」親友を大事にしたい。応援したい。だから、諦めるっっか、、。今まで自分から好きになったことなんてなかった。あぁ、好き。いつからだろう。ゆずを好きになったのは。
初めて会った時、そのときは、こいつ堅いなっぐらいしか思ってなかった。多分、あの時。今日の朝だ。ふざけるなって罵声を浴びせられた。でも、すごく嬉しかった。最低なことを言った俺を叱ってくれて、親友を大切にしてくれて、遊びじゃないって、、
あぁ、諦めきれないよ。ごめん、槇乃
「早く行ってこい」その言葉に救われた。多分1人だったらもうこの場所には来なかったかもしれない。傷つけるのが怖い。いや、自分が傷つきたくなかった。あの時もそうだった。傷ついた顔を見て自分が傷つくのが怖かった。嫌われたくなかった。だから突き放した。もうそんなことはしない。深呼吸をして、たかぶる鼓動を抑えて、ノックをした。返事はない。どうしてなの、
「槇乃!入るよ?」
扉を開けると、槇乃は心地よさそうに眠っていた。少しほっとした。もう少し時間はある。声に出して練習してみる寝ているなら聞こえないはず。
「槇乃、私も好きだよ。でもねやっぱりダメなの、私なんかが槇
乃を好きになっちゃダメなんだ。私は、人を好きになっちゃ
ダメなんだ。」
こんなの槇乃が喜ぶはずがない。もっと傷つけずに、、、
「なんで?ゆずは人を好きになっちゃダメなの?」
いきなり声がしてビクッとした。
「いつから起きてたの?ていうか聞いてたの?」
「だいぶ前から起きてた。桜汰とゆずちゃんの声が聞こえて咄嗟に寝たふりしてみた。」
冷や汗が吹き出す。聞かれてたなんて、なんて言えばいいの?
「それで、なんでダメなの?」
「私は人を殺したの。大切だった人を見捨てたの。そんな私が好きになっちゃダメなんだよ」
そう、私は人を殺したのだ。
3年前、あの日は少し汗ばむくらいの暑さで、しとしとと雨が降っていた。その頃はまだ中学校に入学したてで、内気な私にとってはたった1人の幼なじみ・江野田空とクラスが離れてしまったのはすごく不安だった。でも、クラスメイトたちは仲良くしてくれたおかげか、空に頼らなくても、楽しく過ごせた。きっと、フレンドリーな空はみんなに頼られて、私より楽しく過ごしてるんだろう、そう思っていた。
その日私は、友達に呼ばれて、空のいる1組の教室の前に来ていた。少し変な感じがしていたけど、きっと気のせいだと知らないフリをした。空と目が合った時、一目散に駆け寄ってきて小さく細い声で助けてっと言った。驚いた、意味がわからない。数ヶ月ぶりにあって、いきなり助けてだなんて。何かあったの?聞こうと思ったけど上手く口が開かない。教室内にいる男子から凄い視線を向けられてるからだ。少しの間戸惑って黙ったままでいると、友達に呼ばれた。支度が終わって既に教室から出ていたらしい。すごく困った。でも、私には何も出来ない。空の後ろから中心メンバーらしい男子がそらーっと呼ぶ。空は苦笑いして「ごめん、なんでもないや」と言って、男子たちと共にかいだんを降りていってしまった。
その日の夜、家に一通の電話がかかってきた。空が自殺した、と。
私は電話口で絶句した。あの空が、皆に頼られてしっかり者の空が自殺するなんて。
それからのことは覚えていない。夢中で走って、気がついたら学校に来ていた。そこはテープが
貼ってあって中には入れないようになっていた。中に入ろうか、そう思ったとき担架が運ばれてきた。
顔には布がかかっていて、近くでは空の両親が泣いていた。その姿を見て、あぁ私が殺したんだ
と思った。私があのとき声をかけていたら、と何度も思った。でももう空はいない。大好きな空は、
もういないんだ。
空がいなくなってから数日がたった。空の両親に呼ばれて私は空の家に来ていた。お母さんに数枚の紙を見してもらった。それには、私の名前と2文字の言葉が書いてあった。好き。
驚いたりはしなかった。面向かって言われたことあるから。丁度一ヶ月前、私は空に告白されていた。もちろん私も大好きだった。でも、戸惑って突き放した。それに空が自殺した日だって、、、。涙があふれ出て止まらなかった。もう私には誰かを好きになる資格はない。だから、槇乃。ダメなんだ。
槇乃は私の話を優しい目で聞いてくれた。無言で優しく。
あぁでも、絶対幻滅された。もうおしまいだ。
「空はそれで喜ぶのかな?」
「え?」
「きっと、空は好きな人に、大切な人に笑っていて欲しいと思うよ。」
たった一言で私は救われた気がした。空は私のことを許してくれるだろうか。涙があの時のように溢れだしてきた。もう、槇乃に全てを預けよう。感情も、身体も。何一つ隠し事なんてしないから。
夢を見た。そこには空がいて、私に向かって笑いかけていた。
「ゆず、俺のことは気にすんな。ゆずには幸せになって欲しい。今世は槇乃にゆずを託すからな。槇乃に言っとけ。ゆずを泣かせたら許さないって。じゃあな。」ヤダっ、行かないで。
「早く槇乃のとこに戻れ、ずっとそばにいてやるから。俺はずっと、ゆずの中にいるよ」温かい笑顔で、そう言ってくれた。
「目、覚めた?」いつの間にかもう朝になっていた。私はベットの端で眠っていて、槇乃は隣にいた。槇乃の手が私の髪に触れた。温かくて、心地よかった。辛いことも槇乃となら乗り越えていける。そう確信した。
「ねえ、ゆず。皆ね、一日は24時間でなんだよ。病気で一年しか生きれなかった子も、100年生きた人も
一日の価値は変わらないんだ。だから、一分でも一秒でも諦めたり投げ出したりしないで大切にしてね。」槇乃は窓の外を見て
微笑みながら言った。それと同時にあたたかい風が吹いてきて、
桜の花びらが1枚窓から入ってきた。
その日の夜、槇乃が危ないと連絡が来た。胸騒ぎがした。また、無くなっちゃう。坂をかけおり、病院を目指す。近いはずなのに遠い気がする。階段を駆け上り、全力で病室に駆け込む。槇乃の周りには大人が何人もいて、その間をかき分ける。苦しそうな槇乃がいる。もう少し、もう少し。
「槇乃、お願い。返事をして。」
「こんなお、 れのそばに、い、 てくれ て、
あ りがと う。だい、すきだ、、、 ゆ、ず。」
途切れ途切れの言葉に涙が溢れ、思うように声が出ない。
無機質な音と、泣き声だけが響く。暴れだしそうなのを堪え、必死に声を絞り出す。そんな私を大人たちが抑え込む。
「行かないで、ヤダ、離して!槇乃ーーー、、!」
「おーい、ゆず、ちさとー!」司と、桜汰の声がした。桜の木の下で、手を振っている。桜、本当に綺麗に咲いたなー。今年も見れてよかった。槇乃も見てるかな?そんなふうに一人空を見上げてみる。この桜が槇乃の元へと届いていたらいいな。これからどんなに困難なことが起きても、前を向いて歩こう。どんなにつまらなくても、落ち込んでも、一秒一秒を大切にしよう。
初めて書いた話なので、誤字などがあるかもしれないです。