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川畑くんシリーズ

とっとと帰れ!~賢者の弟とカフェにいったり、世界をいくつか崩壊させたりしたときの話

作者: 雲丹屋

外伝のため、状況描写がたりません。


基本の背景は下記の通り。

・川畑:時空監査局のミス?で異世界転移中。自力帰還検討中

・賢者:引きこもりだが、川畑の元いた世界にも詳しい協力者

・賢者の弟:本短編が初出(ちびっこ賢者の弟だが大人)


まぁ、背景設定とか特にわからなくても気にしないでください。

気が向いた方は本編の長編をお読みください。


※この外伝を読んでから本編を読むと、本編1章2章で起こっている現象の印象がやや変わる可能性があります。

「なんで大の男二人がカフェテラスでパフェをつつかねばならんのだ」

青黒い髪に青白い肌で、金色の眼をした美青年は、不機嫌そうにぼやいた。

「それよりもなんでこんな中世世界の田舎都市に、全面ガラス張りのテラスでパフェが出てくる店があるのかの方が、知りたい」

地味な風貌の黒髪の青年は、眉根を寄せてアイスクリームとフルーツがてんこ盛りのチョコレートパフェを睨んだ。

周囲は若い女性客ばかりで、男二人の彼らをチラチラ見ながらなにやら囁きあっている。彼女達の服装はレースやリボンだらけで、必要以上に胸元を強調しているデザインが多い。腰に長剣を下げていたり、形ばかりの部分鎧をつけている女性や、頭に猫のような耳がついている少女がいるのが、ゲームやコミックのファンタジーっぽかった。

「アイスクリームは氷魔法でごまかされてやってもいいが、この気候で、このバナナとかマンゴーどこから仕入れてるんだろうな……いや、そもそもチョコレートか」

「気にするな。味と見た目が似ているだけで、冷涼な気候帯で生育する別品種だと思え」

金眼の美青年はクールな口調でたしなめた。

「ガラスは?」

「鍛冶の魔法を使うドワーフ族が頑張ったんだろう」

「さっき、武器屋でドワーフ族に会いたければ、ここから東に3日行った先の山の奥にいけって言われたぞ。山道と街道を3日以上かけてこの面積の板ガラスやグラス運んだのか?客単価がいくらだか知らんが、若い女の子の小遣いでリピートできる金額設定でこの店の経営が成り立つと思えん」

黒髪の青年……川畑は、パフェを食べながら、テーブルに置かれた冷水のグラスをつついた。

氷が入った水のグラスなのに結露していない。彼にしてみれば違和感だらけの光景にうんざりしていると、思い出したかのように、グラスの側面に水滴が浮かんできた。

「おい。何をやっている」

川畑の向かいに座っている美青年、コウはグラスを見て、青白い顔色をさらに青ざめさせた。

「世界に影響を及ぼすなと言っただろう」

「え?でもこれくらい……」

「貴様、ここに来るまでの世界がどうなったか、忘れたとは言わせんぞ」

コウは川畑の腕を掴んで、睨み付けた。




"隠者"コウ・ル・タールは、"賢者"である姉から、一人の男の面倒を頼まれた。地球系列の根源世界からの異世界転移者だという。

「自分が出掛けたくないからって、曲がりなりにも"隠者"と呼ばれている俺を呼びつけて押し付けるのはどうかと思うぞ」

「姉に逆らっていい弟などいない。私の方が引きこもり上級者なのは知ってるだろう。任せたよ、コウくん」

コウはいつもどおり渋々姉に従った。


預けられた異世界転移者は、時空監査局の転移機構を利用してるが、正規雇用の局員ではないそうだった。

コウのように個人で異世界転移をする技術を持っているものは、多かれ少なかれ時空監査局に目をつけられて、色々うるさく言われているので、正規局員でなくても関係者にはかかわり合いになりたくなかった。そう言って断ろうとすると、転移者自身も時空監査局にはばれずに行動したいという。

「時空監査局のデバイスは使っているが入手方法がグレーなんだ。根源世界でマーカーのあるポイントから時間を少しずつ下って転移したい。転移したことのあるポイントへのリターン以外は、同一世界内の短距離転移しかやったことがないから、同一世界での転移で出現時間を自分で調整する方法を練習したいんだ」

川畑と名乗った青年は、わりととんでもない要求を、さらりとした。




「根源世界のような因果律の細かい世界で時間転移を行うのは至難の技だ。まずは単純な泡沫世界で、異世界や転移というのがどのようなものか慣れるところから始めよう」

コウは事前に術式を書き込んだ石板を組み合わせて、転移場を作った。

場の中央に特殊な素材で作った像を置く。

「この石像はなんなんだ?」

「偽体だ。こいつに精神だけ憑依させて転移先に送り込む。そうすれば転移先の世界の設定で自分の体が変性してしまうのを防げるからな」

「へー、こんなもの使わず転移しているが、特に体に異変はないぞ」

「行った世界が良かったか……ああ、そうか時空監査局の転移機構は実体をそのまま送れるんだな。俺の使う術はそこまで高度な術式ではないんだよ」

「不安になるようなことを言うな。俺も石像を用意するのか?」

「いや、訓練していないと偽体への憑依は元の体に負担が大きいからやめた方がいい。時空監査局の転移機構で保護されてるなら、そのまま来い」

川畑は敷き詰められた石板に、不安そうに乗った。

「ではこれから術の詠唱に入る。簡単な世界への転移だから早いとはいえ半日はかかるから、そのつもりでおとなしく待てよ」

「は?」




「呪文の詠唱が長すぎる……」

「バカ言え。事前準備ほぼ0で、術者1名であんな短時間で任意の世界に転移できるのはすごいことなんだぞ」

二人は草地の間に延びたのどかな道を小さな村に向かって歩いていった。

「なぁ……ここの道の白い土って、除草剤かなにか含んでいるのかなぁ」

「なんの話だ?」

川畑はぎょっとした顔のコウに、田舎道の端を指差した。

「道だけ草が生えていない」

「そんなこと気にしたこともなかった」

「轍があるわけでなし、石が敷いてあるわけでなし、妙に平らで不自然な道だなと思って」

「そうでもないだろ。普通の道だぞ」

「そうか……」

コウの見ている前で、川畑の足元の地面の解像度がみるみる上がり、細かい砂ぼこりや、小石、伸びかけの草の芽、風でできた吹きだまり、雨水の跡などが現れた。

「なんだ!?」

「どうかしたのか」

川畑は特に何も変わったことを感じていないようだったが、彼を中心に明らかに世界が変質していた。草地はただの緑のカーペットではなくなり、丈も葉の形も異なる草が生い茂った場所になった。

「ちょ、おま……」

微風が吹き始め、草がランダムに揺れる。この手の簡素な設定の世界では通常は起こり得ない現象の数々を、コウは呆然と眺めた。


「お、人がいる。このまま進んでいいか?それとも隠れようか」

声をかけられてコウは我にかえった。

「ああ、ここの住人になら見つかっても問題ない。彼らは自分で判断して自立行動をするような存在じゃないから」

(ヌシ)の"眷属"って奴だっけ。ワニと小妖精は見たことがある。ここのは自我のないやつか」

「そうだ。見ろ、あいつなどはっきりした顔もない」

コウは村の入り口に立つ人影を指差した。それはまさに人影としかいいようがない存在で、明るい日差しの下にいるにも関わらず、黄昏時の影のように薄ぼんやりして、細部がわからない姿をしていた。

「んん?なんかそこだけピントが合わなくて気持ち悪いな。なんだこの存在」

近づいていくと、人影は姿勢を変えずに声をあげた。

「ようこそ、旅の人」

「あ、こんにちは」

「村長の家は村の広場の前の赤い屋根の家だよ」

「はぁ、別にこちらの村長さんに用があるわけでは……」

「村長の家は村の広場の前の赤い屋根の家だよ」

「んんん?」

「川畑、そいつらと会話しようとしても無駄だぞ。この種の雑な泡沫世界でよく見かける奴だ。同じ言葉しか話さん」

「この世界を作った奴、色々ダメだろう!この人、ひょっとしてずっとここにいるのか?」

「多分な」

「雨の日は?」

「雨とか降らないんじゃないかな?」

「はぁっ!?この植生で?」

「だから、そういうこと考えても無駄……って、お前なにやってる!?」

コウは川畑の両肩を揺さぶった。

彼の後ろで草地が一斉に茶色く変色して枯れ果てて行く。乾いた地面がひび割れ、奥に見える森の木が立ち枯れて葉を落とすのが見えた。

「いや、特に何もしてない」

「無自覚かよ!辺りを見てみろ」

「え?わ、なんだこれ。急に乾ききってる。嘘だろ、そんなに日差し強くないぞ。だいたい乾いた水分どこ行ったんだ」

川畑があわてて辺りを見回すと、晴れていた空に急に雲が湧き、急速に天を覆う真っ黒な雨雲に成長した。

「ゲリラ豪雨ってレベルじゃないぞ。なんだこれ」

「いいから早くこの世界への干渉を止めろ。雨雲の動きがリアルすぎる。こんな情報量、ここの主がもて余して世界が処理落ちするぞ!」

「そんなこと言われても、俺は何もしていない!」

激しい風と共に、滝のような豪雨が降り始め、雨と風を処理しきれなくなった世界は押し流されて消えた。




元の転移場に戻ってきた川畑はため息をついた。

「流石、泡沫世界。水の泡とはこの事か」

「小なりとはいえ、世界ひとつ潰して何を言ってやがる!反省しろ、反省」

「といわれても、俺、見てただけだぞ。精霊力も魔法も使ってないし。たまたま不安定な世界だったんじゃないか?」

困ったような顔をした川畑を見ていると、コウは自信がもてなくなってきた。あの場にいたときは、彼が原因で諸々が発生しているように見えたが、改めてこうして向き合って見ると、この地道で真面目そうな奴がそんな大それたことをするようには見えなかった。そもそも彼は元々ただの学生で、異界に転移するはめになったのもほんの数日前に巻き込まれたからだという。

「そうか。俺の勘違いか……すまん」

コウは川畑の肩を叩いた。川畑の方がコウよりも少しだけ背が高くて体格がいい。それでも困惑して困った顔をしている様子を見ると弱いものいじめをしているようで気が引けた。

「(しっかりしてそうだが、きっと俺より年下だしな。家に帰れなくて心細い思いもしてるだろうし)」

世界崩壊させた犯人扱いするのは可哀想だろうと、このときのコウは思った。

「じゃあ、他の世界に行ってみようか」




「ここの住人は前回よりもましだから、顔がついてるぞ。……同じ顔だが」

「そうきたかー」

城門の前には同じ顔をした衛兵達が並んでいた。

「多少の自立行動もするから、目立たないようにしろ。フードでも被って黙って俺の後ろをついてこい」

「わかった」

川畑は大人しくコウの後に続いて、城門をくぐったが、そこでピタリと足を止めた。

「なぁ」

「どうした?」

「あの城壁、ブロック屏ほどの厚みしかないんだが……」

表面上は立派な石造りだった城壁は、コンクリートブロックに壁紙でも張ったのかとみまごうほどに、ちゃちな造りをしていた。

「なんであの厚みで、あの高さと幅を支えられてるんだ?構造強度が持たんだろう」

立ち止まったコウと川畑を避けようとして、荷車が城門の端に軽くぶつかった。コウと川畑の目の前で、城壁がゆっくりと倒壊を始めた。まるでコントの書き割りが倒れるように、城門の端から倒れ始めてグルリと一周すべての城壁が倒れる様は壮観を通り越して滑稽だった。城壁の中央にある城は、屋上屋を重ねたようなファンタジックで壮麗な代物で、城壁が崩れた振動で尖塔がぐらぐら揺れていた。

「あ、やっぱりもたなかった」

ポツリといった川畑の隣で、コウは恐る恐る城の方を見た。城の張り出した尖塔群が次々落下していき、最後にドミノ倒しのゴールのように、てっぺんに王国旗をたなびかせた大屋根がきれいに崩れ落ちていった。


次の世界でエルフのツリータウン、その次の世界で天空都市が落下したところで、コウは川畑を締め上げた。

「いい加減にしろ!この歩く物理エンジンめ。世界属性(ワールドプロパティ)に干渉するのを止めろ!」

「何を攻められているのか本気でわからない。泡沫世界の主は、建築会社のファンタジー営業部に相談しに行った方がいいというのはわかったが……」

困惑している川畑に、コウは顔を寄せた。

「ここの重力がわかるか」

「えーっと、体感は変わらないから……」

川畑は二、三度軽くジャンプした後に、靴を片方脱いで、目線より高く持ち上げてから落とした。

「……多分1G。少なくとも火星よりは地球に近いはずだが、時間と長さの単位を知らんから、お前にわかる数値で加速度が表現できん。9.8メートル毎秒毎秒ってちゃんと翻訳されてるか?簡易値でいいなら、お前の単位系の時計と定規をくれたら、その辺の建物から石でも落として測るぞ」

コウは目元を片手で覆って、うつむいた。

「正解はだな。この世界ではさっきまで"重力"の概念が定義されてなかったんだよ」

「ええ……じゃあ、どうやって地面に立つんだよ」

「"そういうものだから"だよ!」

「それは……無理がないか?」

「泡沫世界の大半では、それが当たり前なんだ!地球系列の根源世界のくそめんどくさい物理設定を持ち込むな!あそこの歴代の主たちが構築した膨大な因果関係を処理しなきゃいけない設定は、一般的な小世界の主にしてみれば、情報量の暴力なんだよ」

「しかし、そうは言われても本当に俺は特別なことはなにもしてないんだが」

怯む川畑にコウは指を突きつけた。

「……考えただろう」

「は?」

「観測して、認識して、解釈して、見直して、事実が自分の解釈どおりになっているのを見て、納得しただろう」

川畑は、当たり前すぎることを言われて当惑した。

「それの何が問題なんだ?」

「普通はなんの問題もないんだが、お前はその過程で、無意識に世界の設定を書き換えてるんだよ!お前が知覚した状態に、物理世界基準の"当たり前"をくっつけて解釈すると、その影響力が強すぎて世界属性(ワールドプロパティ)が書き換えられてしまうんだ」

「よくわからんが、システム管理者でもないのに、ハッキングしちゃってるようなものなのか?」

「思考可能体の認識で成立している世界にとって、お前みたいに"思い込み"の強い個体は存在そのものが脅威だということを自覚しろ」

「といわれても」

困ったな、と川畑は頭をかいた。

「とにかくまずお前は、始めて来た世界で"不自然"なことがあったときに、"科学的態度"で検証しようとする癖を直せ。なにも考えてなさそうな世界はなにも考えずに作られているということを理解しろ」

「それは……すごく難しいな」

「ありのままを受け入れろっていってるんだ」

川畑は腕をくんで唸った。

「なぁ、その世界属性(ワールドプロパティ)とやらの参照と設定の方法って教えてもらえるか?自覚的にできる知識が増えたら、無自覚に影響を与えることを防げるかもしれん」

コウはあまりの面倒さに目眩がした。どう考えても自分には荷が重い仕事だった。

「それはむしろ"賢者"に教えてもらえ」

コウは姉に丸投げすることにした。そういう意味ではよく似た姉弟ではあった。

「とりあえず、次はもっと何にもない世界か、もう少し設定のしっかりした世界に行ってみようか。転移場を作るための石板のストックがなくなったから、作るのを手伝ってくれ。俺がわかる範囲の理論的なことはそのときに教えるよ」

川畑はしばらく住み込みで賢者と隠者の教えを乞うことになった。




「なぁ、市壁の外は魔物が出没するから、商隊の移動には護衛が不可欠で民間武装組織が充実してる世界って、農地面積と一次産業従事者ってどうなってるんだ?俺の知ってるヨーロッパの中世貴族社会って広大な農地と膨大な農民が支えてたんだが、都市をちょっと離れると魔物が出る世界で農業するの大変だろう。羊飼いがキリスト並みの回復魔法使いとか、麦刈りするおじさんがデスサイズ使いとかイヤだぞ」

「気にするな!ありのままを受け入れろ。下手にお前が気にするとデスサイズ背負った麦刈りおじさんが出現しかねんぞ」

「物理だけじゃなくて、社会構造とか経済とかも、突っ込んじゃダメなのか」

「ひどいところだと、都市の途中でスッパリ世界が切れて真っ白になっているところもあるくらいだからな。下級泡沫世界では整合性を求めたら敗けだ」

武器屋の棚にならんだ商品に、印刷された枠のあるシール状の値札が貼られているのを見つけて顔をひきつらせている川畑の肩を、コウは慰めるように叩いた。麦わら帽子を被った中年男性が大きな包みを持って店を出て行ったのは、見なかったことにした。




コウと川畑はいくつかの失敗を重ねた後、ようやく世界を崩壊させずに街でお茶をすることができるようになった。


「このパフェに入ってるコーンフレークのような見た目で、コーンフレークの味がして、おそらくコーンフレークって呼ばれてる何かも、俺の知っているトウモロコシとは切り離して考えた方がいいんだな」

長いスプーンの先に掬ったアイスクリームとチョコレートにまみれたコーンフレークを睨みながら川畑は観念したように呟いた。

「そういうことだ。あきらめて飲み込め」

コウは川畑の手からスプーンを奪うと、川畑の口にコーンフレークを押し込んだ。

「物理も地理も経済も、その世界の(ヌシ)がそういうものだと納得していたら、異界からの転移者が口を挟んじゃいけない。どんなに不条理でも納得してひっそりと通りすぎろ」

川畑はコウの手からスプーンを取り返して、パフェの残りをさらった。

「お前が隠者って呼ばれているのは、そういうところか」

「自称じゃないぞ。いくつかの事案で痕跡を残さずに立ち回った後、しばらく行方をくらませたら、関係者にそう呼ばれ始めただけだ」

「面白そうな話だな、それ。何をどうやってやったんだ?」


時折実践も交えて諸々を伝授したコウには、裏社会の犯罪者や諜報員を養成する意図はまったくなかった。聞いていた川畑も、ただ「目立たないようにするって、そういうものか」と素直に手法を学んだだけだった。だから、結果的にたちの悪い異世界転移者が誕生してしまったのは、不幸な偶然と言うよりほかなかった。




「正規の身分証がなくても主要都市に潜り込んで活動する方法って結構あるもんだな。テクノロジーレベルが中世の世界なら、俺もう大概いけるぞ」

「なんか俺、不味いやつに不味いこと教えちゃった気がするなぁ……」

「賢者のおかげで、世界の設定方法についても最近なんとなくわかってきたし」

「お前は、とっとと自分の世界に帰れ」

「いや、だからそのために、転移時の出現時間の調整を練習したいんだ。最初に言っただろう」

「あー、そういやそうだった。本題を全然やってなかった」




川畑が自分の部屋に戻るまでには、まだまだかかるようだった。

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