表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/46

闇 七

 「はーい。今からこの世界の闇を浄化しまーす!」

足立の口調は、激昂した時より前の、おどけたものに戻っていた。

 そしてその手には、トイレの蛇口につないだ、ホースがあった。

 『お前こそがこの学校の闇だろ!』

僕は心の中でそう思うものの、そこから先は声が出ない。

 「だいたいてめえよお、『人を不幸にする闇属性』って何だよ!

 ホント、親不孝者だよな!」

見る者をゾッとさせるような薄ら笑いを浮かべて、急に足立が怒鳴る。またその友達(取り巻き連中)も、そんな気味の悪い笑みを僕に向ける。

 「ってかお前の親も、闇属性なのか?

 ってことはお前の父さん母さんの職場の人、大変だよな~!

 親子そろって『闇家族』じゃね?」

 …僕自身のことは、何を言われても耐えられる。実際、この「闇属性」にも、それに伴う誹謗・中傷にも、慣れてきている。

 …でも、僕の家族のことを悪く言うのは、許せない。僕の両親は…こんな僕を見捨てずに育ててくれているんだ。

 「親を悪く言うのは止めろ!」

次の瞬間、僕は声をあげていた。

 「何~ずいぶん生意気じゃねえか。

 じゃあ、闇を洗い流しまーす!」

足立はそうふざけて言い、蛇口の所に立っていた取り巻きに合図する。するとそいつは蛇口をひねり、そして足立がホースを僕の所に向ける。

 勢いよく出た水は、僕の顔面を直撃した。そして、その水は全身に広がる。

 「ウッ、ゴホン。」

僕はうめき声にも似た声をあげる。そして、柔道経験者の足立は、そんな僕に何のためらいもなく柔道の技をかける。

 そして、武道未経験で運動神経も良くない僕はその技をよけきれずに、床に打ちつけられる。

 「ああ~すっきりした!

 悪霊、いや闇男退散!」

「ホントだ!まあ闇男はうちの学校の疫病神だもんな!」

そう言って足立たちは、その場を去る。その時、僕は…。

 柔道の技をまともにくらった物理的衝撃で、また、いやそれ以上に何もできなかった自分への悔しさで、その場の床に寝転んだまま、しばらく動けなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ