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エピローグ 八

  ※ ※ ※ ※

 田所和男は、恋人の染谷美玲を病院まで送った後、自分の家に帰り深い喪失感を味わっていた。

 『次に逢う美玲は、僕との記憶を全て失っている…。』

その事実は動かしがたいもののように、和男には思えた。

 そして、月日は経ち、10月。

 それは和男たちの大学の、新学期が始まる季節だ。

 暑かった夏も一段落し、次はどんな寒さが待っているのだろうと気になる季節…。

 そんな中、和男の「闇属性」は完全に消え、驚いたことに、和男は大学の多くの人から声をかけられた。

「君、田所君だよね?」

「良かったら、うちのサークル入らない?」

それは、「闇属性」そのものだけでなく、そんな属性を持っていた過去そのものも、消えてしまったようで…。

 『いやいやそれはあり得ない。

 実際に、僕にはいじめられた過去があるんだから。』

ただ、「闇属性」を持っていた時にあった「負のオーラ」はなくなっているのではないか、和男はそう思った。

 そして、

「いいね!そのサークル、面白そうじゃん!」

和男は、快活にそんな学生たちと接した。

 そして、和男のいる講義室に、1人の女子大生が、入って来た。

 それは、和男がよく知った顔で、でも、向こう側は和男の方を見ても、何の反応も示さない。

 染谷美玲。

 『やっぱり、記憶はなくなってるのか…。

 まあ、分かってたことだけど。』

それでも少しは反応があるかと期待したが、相手は和男と目が合っても何事もなかったかのように目を逸らし、そのまま前の方の席に座る。

 そして、意を決した和男は、その女子大生、染谷美玲の方へ歩いて行く。

 「あの…ちょっといいですか?」

『美玲は僕に、こんな風に勇気を出して声をかけてくれたんだな…。』

そんなことをふと思うが、和男は顔には出さないように努める。

 「…何か?」

以前の美玲に比べて、ちょっと冷たい?和男はそんな印象も少し持つが…。

 それは美玲への「愛」の大きさからすれば、大したことではない。

 「あの…、僕、あなたと友達になりたいんです!」

 本当は今すぐ目の前の女性を抱き締めたくなったが、そこは自制する。

 そして、和男なりに、相手に嫌悪感を抱かれないように工夫した…つもりだったが。

 「あの…、私たち、どこかでお会いしたことありますか?」

『ちょっと引かれてるな…。』

これは誰の目にも明らかであろう、和男はそう思った。

 『これは、前途多難、だな…。

 美玲、こうなるなら、先に、記憶がなくなる前にそう言ってよ…。

 ってか、『美玲を口説くの、大変だから覚悟した方がいい。』って確かに美玲、言ってたな…。』

和男はふとそう考えたが、そんなことを言ってもしょうがない。

 そして、その日から…、

 和男の大好きな人、美玲との、新たな恋の物語が始まった。(終)

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