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闇の僕と光の女の子 九

 「やっと着いたね!」

僕たちがお城に近づくと、そこには大きな堀があった。

 「これって…、昔の堀だよね?」

僕がそう言うと、

 「うん、もちろん!

 こうやって昔のまんまのものを見ていると、何か人類の進化?みたいなものを感じたりしない?

 私だけかな?」

…美玲の言うことを僕は100%分かったわけではないが、何となく言いたいことは分かる。

 そこにある大きな堀。いやそれだけではなく、そこに植えられた木々。またその並木道。

 そのお城の周りにある全てのものが、城が建った昔の時代の香りを運んで来て、そこには雄大な時間の流れが存在する…。

 僕は、そんな気分になった。そして、そんな気分になるほど、お城の周りの景色はきれいだった。

 そして、僕たちはお城の天守閣へと向かう。

 そこからは、美玲のウンチク独壇場であった。

 「やっぱすごいね~姫路城!

 ちなみに姫路城は、江戸時代初期に建てられた天守閣なんかの主要建築物が現存してて、国宝や重要文化財に指定されてるんだ。あと、

主郭部を含む中堀の内側は「姫路城跡」として国の特別史跡に指定されてて、あとこれは知ってると思うけど、ユネスコの世界遺産リストにも登録されてて、それで…、」

 …申し訳ないが、僕は美玲の話している内容の、半分程しか理解できなかった。

 でも、お城が好きな美玲の情熱は、はっきりと僕に伝わってくる。

 『美玲の好きな物は何だって、僕の好きな物でもある…そうなれたらいいな。』

僕はふと、そんなことも思った。

 「あと、姫路城って、最近リニューアルしたみたいだよ!

 だからこんなに白くて、きれいみたい!

 あれは…いつだったかな~!」

そうやって考え込む姿もかわいい、僕はそんな風に思う。

 そこで、僕はある質問をする。

 「でもさ美玲、美玲はどうしてお城が好き

なの?」

「うーんそうだなあ…。

 きっかけははっきり覚えてないけど、とりあえずお城とか、昔の武将とかは前から好きだよ!

 何か、戦国時代ってロマンがあってかっこいいし、それ以外の時代も…。

 それにさっき言ったこととかぶるけど、私、人類の進化とか叡智とかを感じるの、好きなんだよね~!

 昔の時代があって、それが今に積み重なって、今の私たちが存在する、みたいな?

 まあだから、お城に限らず歴史全般は好きかも!

 もちろん、世界史も日本史も…ねっ!」

「なるほど。」

この大きなお城を前にして、僕は美玲の気持ちを少し共有できた、ような気がした。

 「ちなみにかずくんは…文学好きなんだよね?

 じゃあ歴史はどうなの?」

「…申し訳ないけど、昔の書いた人の作品なんかは好きだけど、歴史はそんなに…詳しくないんだ。

 ごめん、帰ったら勉強しないといけないね。」

「そうなんだね。じゃあ私に負けないように、いっぱい勉強してね!」

「もちろん!」

僕たちはそう言って、笑った。

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