光 九
「お待たせ~!
って、いつも待ってもらって悪いね。」
「いえいえ、美玲お嬢様に待って頂くわけには参りませんので!」
「ちょっとそれ、何キャラ!?」
僕は、敢えて恭しい口調で冗談を言い、美玲がそれに笑う。
やっぱり、電話ももちろんいいが、こうして美玲に実際に逢って、話をするのは最高だ。
「何かこうやって逢うの、すごく久しぶりな気がするな…。」
「私も。
電話で話すのとこうやって逢うのって、何か違うもんね。」
そうか、美玲も同じ感想を持っていたのか。
僕は、お互いがイメージを共有しているようで、嬉しくなる。
そこで、ふと気づいたことがある。
今日の美玲は、顔色がどこか良くない。
「美玲…体調悪い?」
僕が訊くと、
「うーんちょっと、勉強根詰め過ぎ…かな?自分では自覚ないんだけど、顔色悪いかな?」
自覚がないなら大したことはないだろう、僕は少し安心するが、
「そっか。でも美玲は頑張り屋さんな所があるから、体調、ホントに気をつけてね。」
「ありがとう。優しいねかずくん!
でも試験ももう少しだし、とりあえず、全部終わったら寝る!」
「そうだね!そして、その先に楽しいことが待っている!」
「了解であります!」
今度は美玲の方が、恭しく敬礼をしながら冗談でそう言う。
ともかく、この試験が終われば…。
僕たちはそれまで、勉強を頑張ることにした。




