光 五
「もうすぐ花火だね!
私たちも陣取ろっか!」
その日の花火大会の花火は、午後9時からである。僕たちは、8時半頃に、よく花火が見える、近くを流れる川の付近に行った。
そして…、
「そろそろ9時だね…あっ!」
美玲のその台詞と同時に、花火が上がり出す。
花火は、まずはオレンジ色のものから始まった。オーソドックスだが、とにかくきれいな花火だ。その後、紫色など少し変わった色の花火、また空中に浮かぶねずみ花火などが続く。
そして、そんな花火が打ち上がる度に、周りにいる人たちは歓声を上げている。もちろんその中には(僕たちのような)カップルもたくさんいる。
それは、花火大会などのイベントごと、人が集まる場所を意図的に避けてきた僕にとって、まだ小さな時以来久しぶりに体感した、「楽しいイベント」だった。
そして、ふと僕は隣に立っている美玲を見つめる。周りが暗いためはっきりとその顔は見ることができないが、時折打ち上げ花火の光に照らされる美玲の横顔は…とてもきれいだ。
その輝きは、外見だけ繕っているものでは決してないだろう。またそれは、「光属性」という彼女の属性から来るものだけでもないはずだ。
彼女がこんなにきれいなのは、内面がとてもきれいだからだ。
僕は打上花火の最中、そんなことを思う。
そして、僕の視線に気づいた美玲が、ちょっと首をかしげながら僕の方を見る。
そんな美玲の仕草がかわいくて、僕は美玲の手を握る。
すると美玲も、そんな僕の手を握り返す。
そして僕たちは、そのまま手を繋ぎながら、残りの花火を見る。
それは、今まで見た中で一番美しい、花火であるように感じた。
そして僕は、心の中で自分の気持ちを再確認する。
『僕は…美玲のことが、大好きだ!』




