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光 一

「光…属性、って言うんだ。」

染谷さんに告白をされた驚きの後に、僕は聞き慣れない言葉を繰り返す。

 「そう、光属性。

 ちなみに私、和男くんの闇属性のことも、それなりに知ってるんだ~。まあ、私と反対みたいだからね。」

 彼女の説明は続く。

「実は私、私と友達になった人のことを、幸せにできるんだ。

 これは小さい時からそうで、例えば友達の好きな人とその友達とが付き合うようになったり、急に金運が上がったり…。

 特に、初めて『私がずっと好きだった人が、告白してくれた!』って友達から言われた時は、何か自分まで好きな人と付き合った気分になって、嬉しかったな~!

 ま、その時は彼氏、いなかったんだけどね。」

「は、はあ~。」

ということは、彼女は本当に僕と真逆の存在、ということか。

 それなら、彼女に友達が多いことも納得できる。

 でも、そこで疑問が…。

 「分かった、染谷さんは本当に光属性なんだね。僕は医者に闇属性って診断されてるから、その逆が存在しても、そのことに関しては驚かないよ。

 でも、そんな光属性で、友達も多い染谷さんは…、

 僕なんかのどこがいいの?」

「うーん、とりあえず、見た目、かな?なんちゃって!」

「えっ!?」

僕は、それほどイケメンであるとは自分では思っていない。それよりも何よりも、長年の「闇属性」のせいで顔以前に雰囲気が暗い、僕は自分でそう思い、また他人にも思われているだろう。

 「ほ、ホントに…?」

僕がきょとんとしていると、

 「私、ちょっと影があるような人が、タイプだったりするんだよね!

 だから…いいでしょ和男くん?

 それとも他に彼女とか…好きな人とかいるの?」

 彼女、染谷さんは軽いタッチで、僕にそう呼びかける。やっぱり周りに友達がいっぱいいる人は、そんな軽くて、さらに明るい雰囲気になるのだろうか?僕はその瞬間、そんなことまで考える。

 「和男くん、聞いてる?」

そして僕は、

 「…いいよ。」

勢いでそう答えてしまう。

 『僕、自分は人を好きになる資格なんかない、そう思ってたけど…。』

勢いというのは、本当に怖いものだ。僕はそれを認識したが…もう遅い。

 「やった~ありがとう!じゃあこれからは『和男』って呼び捨てで呼ぶね!

 う~んでも、何かしっくりこないなあ…。

 そうだ、『かずくん』ってのはどう?」

「ま、まあ呼び方は何でもいいけど…。」

「了解!じゃあ私のことは、『美玲』って呼び捨てで呼んでくれたらいいからね!

 『美玲』はしっくりくるでしょ!?」

正直、どう違うのか僕には分からないが…。

 「うん、分かった、美玲。」

「おっ、早速ありがと!」

僕が女性を下の名前で、しかも呼び捨てで呼んだのは、何年ぶりだろうか…思い出せない。と言うか初めてかもしれない。

 そして僕は、今日からの僕の彼女…美玲に、完全に呑まれている。

 「じゃあそうと決まれば、デートに行こう!

 かずくん、どこがいい?」

ここで僕は、ある重大なことに気づく。

 こういう時、どうすればいいのかさっぱり分からない。

 僕は、今まで異性と付き合ったことがない。

 と言うか友達だってまともにいないのだ。それは仕方のないこと…だろう。

 『でも、そんな僕を見たら染谷さん…美玲は幻滅するだろうな。』

まあそれも仕方ない、僕はそう開き直ろうとすると、

 「もしかしてかずくん、今までデートとかしたことない?」

「…うん。」

「オッケー。じゃあとりあえず、私が行きたいとこ言っていい?」

「あ…いいよ。」

「了解であります!じゃあ、楽しみにしててね。

 それで、次…いつ逢えるかな?」

彼女は軽いノリでそう言い、そして僕たちの、奇妙な付き合いが始まった。

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