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バスターキャノン、停止できません!

===視点切替===>アヴァン


ヴィヴェルグを倒した我々は本来の目的である司令室へ続く道を探していたのだ。


幸い、他のプレイヤーたちも追いついてきたため、程なく見つけることができたのだ。


「これまた部屋の大きさに比べると随分と小さい扉なのだ」


現在我々がいる部屋はいわゆるボス部屋・・・プレイヤー数百人が余裕で入れるくらいの部屋なのだが、司令室への扉はというと、ボス部屋の端っこも端っこ、人一人で入るのがせいぜい程度の非常に地味な扉だったのだ。


おそらくボスであるヴィヴェルグとの戦闘中に見つけられないように、わざと地味にしているとは思うのだが・・・正直、最重要箇所である司令室への扉には見えないのだ。


「ふむ。まあ大きさはともかく、この先の司令室に【プラネットバスターキャノン】を停止する術があるのは間違いないのだろう? とはいえ、そう大人数で行くような場所でもなさそうだ・・・この先は【アークガルド】のメンバーで行ってくれ」


一緒に扉を探してくれていたヴァラットが我らにそう言ってくれたのだ。


「ふむ、自分で行かなくて良いのだ?」


「この場に最初にたどり着いたのは【アークガルド】の面々だからな。横入りするような恥知らずなことはしないさ・・・それに内のメンバーの興味は別にあるようだしね」


そう言ってヴァラットが視線を向けたのは・・・シェリルを含めて【ヴァーミリオン】のメンバーたちなのだ。こちらに一切興味が無いのか、ヴィヴェルグを倒した戦利品を手に何やら話し合っているのだ。


「・・・あそこまで自分の興味のみを優先するとは、逆にすがすがしいのだ」


「まあ、それに関しては私も人のことは言えないが・・・とにかく私たちのことは気にしないでくれ」


「うむ、他のプレイヤーたちにはワシらの方から説明しておこう」


同じく駆けつけてくれたガットもそう言ってくれたのだ。


「では、ここはお言葉に甘えさせてもらうのだ」


「そうっすね、行きましょうっす!!」


司令室に向かおうと【アークガルド】のメンバーに声をかけたのだが・・・返事が返って来たのはアシュラだけだったのだ。


「・・・」


「・・・」


残りのアテナとアルマだが・・・何やら落ち着かない様子でキョロキョロしているのだ。


「どうしたんすか、お二人とも?」


アシュラが問いかけるのだが・・・二人もよくわからないといった表情をしていたのだ。


「いえ、なんというか・・・変な気配があるというか、あったというか・・・」


「ええ、何か重要な物を見逃してしまったかのような変な感じがするんですよねぇ・・・」


・・・ふむ、どうにも要領を得ないが、何やら二人は得体のしれない何かを感じ取った、ということなのだ?


「ラグマリア?」


「・・・スキャン完了。現在、コノ空間ニハ皆サン以外ノ反応ハアリマセン」


少なくともラグマリアのセンサーに引っかかる変な物は無いようなのだ。となると二人の気のせいだという可能性もあるのだが・・・


「案外、アルクのアニキがこっそり、この部屋に入り込んでたのかもしれないっすよ?」


アシュラが笑いながら、そう言ったのだ。


なるほど、確かにアルクならラグマリアのセンサーに引っかからずに、この場に忍び込んでいてもおかしくは無いのだ。アルクの事だから悪戯心でそういうことをやってもおかしくなさそうなのだ。


「いえ、それは無いわ」キッパリ


「ええ、アルクさんが居たのなら気付いているはずですから」ハッキリ


・・・二人してキッパリハッキリ断言されてしまったのだ。根拠も何もないのだが、何となくアルクはこの二人からは逃れられないのだろうと思ってしまうのだから不思議なのだ。


「そ、そうっすか・・・ま、まあ何もないなら先に進んで見た方が良いんじゃないっすか?」


「・・・そうね」


「わかりました」


アシュラでさえも若干引き気味だったのだが、何もないのならこの場で佇んでいても仕方がないと、二人も先に進むことを承知してくれたのだ。


というわけでさっそく扉の先へと向かうのだ。


「・・・まったく、アルクの奴、どこで油売っておるんじゃ。これはラングにも報告しておかねばならんのう」


そんなガットの声が聞こえてきたのだが・・・我は聞こえなかったフリをして先を急ぐことにしたのだ。


===移動===>【宇宙要塞ヴィヴェルグ】司令室


そんなわけで我々は司令室へとやって来たのだが・・・そこに待っていたのはこれまた奇妙な光景だったのだ。


「うわぁ~・・・なんすかこの部屋。モニターだらけじゃないっすか」


そう、司令室内には所せましとモニターが並べられ、そこには様々な映像が映し出されていたのだ。


「ホントね・・・あ、こっちに地上の映像があるわ!」


「こっちは要塞外部の映像・・・こちらは要塞内部の映像ですね。まあ、司令室なのだから各戦況を映し出すモニターがあってもおかしくは無いと思いますが・・・とんでもない数ですね」


そう、この部屋のモニタの数はどう見ても百は二百では利かないのだ。まあ、これだけ広範囲に渡った戦況を映し出すと考えたらこれでも足りないかもしれないのだ。


ただ、今はモニターよりも【プラネットバスターキャノン】を止めるのが先決なのだ。


「マスター、アソコニ・・・」


ラグマリアが指さした先、司令室の中央に、おそらく司令官用と思われる席と机があったのだ。


さっそくその辺りを調べると・・・机の上にデカデカと【プラネットバスターキャノン停止】と【プラネットバスターキャノン発射】と書かれたボタンが二つのが置かれていたのだ。


「・・・なんというかこれ以上なくわかりやすいスイッチっすね」


「分かりやす過ぎて逆に罠なんじゃないかって思ってしまいますね」


・・・我も同感だが、さすがにここに来て罠は無いと思うのだ・・・おそらく誰がこの場に、それこそ幼い子供プレイヤーが訪れても良いようにという運営の考慮だと思うのだ。


「停止スイッチはともかく発射スイッチまで置いておく必要は無いと思うけど、ね」


確かに間違って押してしまったら大変なことになりそうなのだ。特に幼い子供などは押すなと言われると逆に押してしまいそうになるのだ。これはそういう意味での罠なのかもしれないのだ。


「それじゃあアヴァンくん、さっそく押して欲しいっす・・・くれぐれも間違わないで下さいっすよ?」


ハッハッハ、アシュラよ。我ともあろう者がここに来てそんな間違いを犯すはずがないのだ。


・・・ラグマリアが何かを期待するような目で見ているような気がするのだが・・・気にせずポチッと停止ボタンを押すのだ。


同時に、


『【プラネットバスターキャノン】の停止を発令、キャノンへのエナジー注入を停止します』


アナウンスによって【プラネットバスターキャノン】の発射阻止がうまくいったことが知らされたのだ。


・・・ふぅ・・・やはり罠ではなかったのだ。ちょっと安心したのだ。















・・・・が、それもつかの間。


『緊急警報! 緊急警報! 要塞動力部に【ガティアス】が取り憑きました!!【プラネットバスターキャノン】停止できません』


「「「「ええ!?」」」」


驚きの声を上げる我らを他所に無情にも新たなアナウンスが。


緊急クエスト【アースヴェルト帝国の大侵攻】

シークレットフェーズ:宇宙要塞ヴィヴェルグ動力部に取り憑いた【ガティアス】を倒せ!!

勝利条件:宇宙要塞ヴィヴェルグ動力部に取り憑いた【ガティアス】の討伐

敗北条件:全てのドームの破壊

規定時間:40分

参加制限:なし

備考:このクエストにおけるペナルティは発生しません

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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