装備の可能性
その後、ラーサーたちからエフ〇フやド〇クエを始めとしたちゃんと【勇者】もいるから、と説得された。
勿論、俺も分かってるんだけどなぁ。正直、自分が人助けできるような【勇者】になれるとは思っていない。
まあ、それはそれとして・・・
「ラーサーやベルバアルの選択できるクラスを見る限りだと・・・装備にも関係してくるみたいだな」
ラーサーの【聖騎士】というクラスは【聖剣】や【聖盾】が関係しているのだろう。ベルバアルの【魔戦士】というクラスは当然、【魔剣】や【魔鎧】が関係しているはずだ。
つまり特殊な装備を持っていたら、それに対応したクラスを取得できるということなのだろう。
「種族、クラスときたら当然、次は装備だろうね」
「クラスに関係なく、我が【魔剣】や【魔鎧】は強力だがな!!」
ベルバアルがうぜぇが言ってることは本当だ。ベルバアルの【魔剣】や【魔鎧】は強力なだけじゃなくしゃべりやがるし。
「うむ・・・悔しいが、ワシの作った装備よりラーサーやベルバアルの装備の方が上じゃろうのう」
トーナメントでは【精霊憑剣】や【精霊憑鎧】のおかげで助かったが、それを除いた、純粋な装備の性能という意味では二人の装備はガットの作ったそれよりも上だろう。
勿論、それには理由があるんだろうが・・・
「確かラーサーはクエストで【聖剣】を手に入れたって言っていたな?」
「そうだね。けど、クエストの詳細まで話すつもりは無いよ? 苦労して探し当てたクエストだしね」
「さすがにそこまで厚かましくはないさ」
既出の情報ならともかく、無理やり情報を聞きだそうとは思っていない。探すにしても自分で探すよ。
「わ、我も言わないからな! レシトリー達にもきつく口止めされているのだからな!!」
こっちも話す気がないか・・・まあ、当然と言えば当然か。・・・ベルバアルならうっかり口を滑らせるかと思ったんだがな(笑)
ただどちらにせよ、クエストのクリア報酬というのなら俺にも入手の可能性があるっていうことになるし、他にも同様な装備が手に入るクエストがある可能性が高い。
問題は、そのクエストをどうやって見つけるかとクリアできるかどうか、だが。今はそれよりも・・・
「ふむ・・・プレイヤーメイドでは今以上の装備を作ることは無理なのかのう・・・」
ガットが悩まし気に口を開く。
こういうゲームの悩みどころだな。プレイヤーメイドの装備品と高難易度クエストの報酬品、一体どちらの方が強いのか・・・クエストに挑戦する戦闘系プレイヤーからすればクリアして伝説の武器とかが欲しいだろうし、生産系プレイヤーからすれば伝説の武器を超えるものを作りたいと思うだろう。
プレイヤーメイドができるゲームとであれば、ある意味で永遠のテーマなのかもな。
そして現状、ガットの作る装備がプレイヤーメイドの中でも最高レベルであることは間違いにない。今以上の装備を作ろうと思えば・・・【鍛冶師】としてのスキルレベルもそうだが、それ以上に素材が問題になる。
つまり、【ミスリルタイト】以上の素材が必要というわけだが・・・見つかっていないわけだ。
・・・トーナメントが終わるまでは、だが。
「フッフッフ、ガットくんや。君のその悩み、解決できるかもしれんぞ?」
そう言って俺はひらひらと、それを見せつける。
「なんじゃい、また【獲得券】か?・・・【レアアイテム獲得券】?」
そう、これはレアなアイテムと交換できる【レアアイテム獲得券】だ。当然、コイツで交換できるアイテムもチェックしている。その中に・・・
「【アダマンタイン】、【オリハルコン】、【ヒヒイロカネ】、【アポイタカラ】、【ダマスカス】、【ダークマター】・・・」
俺は【獲得券】で交換できる高レアリティ素材を口にしていく。
【アダマンタイン】は最硬と呼ばれるほど強固な金属で、この金属で作られた装備は決して壊れることがないとか。
【オリハルコン】は神の金属とも呼ばれ、神聖なオーラが宿っているという。
【ヒヒイロカネ】は太陽のように赤い金属で熱に強く、また炎に対する親和性が高い。
【アポイタカラ】は青く光る金属。常に電気を帯びていて扱う者を選ぶという。
【ダマスカス】は金属でありながらゴムのように弾性に富み、さらに頑丈という不思議な金属。
【ダークマター】は暗黒物質と呼ばれる謎の物質。魔の力を高めるという。
どの素材も【ミスリルタイト】よりもレアリティが高く、【ミスリルタイト】以上の素材であることは間違いない。
そんな素材がある、とガットに教えてやると・・・ガットが突然立ち上がり、俺に頭を下げてきた。
「譲ってください」
そしていつものキャラを忘れたガットがお願いしてきた。腰を90度に曲げた、それは見事な頭の下げようだった。
「落ち着けガット。【獲得券】1枚で交換できるのはインゴット一塊だけだ。【レアアイテム獲得券】だってたくさんあるわけじゃないし、量が用意ができないんだ」
【獲得券】で入手できるのは良いとして、問題なのは量だ。そもそも俺たちが装備用に【ミスリルタイト】を集めたときだって大量の鉱石が必要だった。
それなりの装備を作ろうと思えばそれだけの量が必要になるというわけだ。
さらに言うなら装備を作るときには、必ず成功するとは限らないらし。ガットが以前言っていたがレアリティの高い素材ほど独特のクセというものがあり、それを踏まえたうえで【鍛冶】をしないと良い物が作れないのだそうだ。
その辺りは、まさに【鍛冶師】としての腕の見せ所なのだが・・・要するにいかにガットと言えど新しい素材を扱う際は練習が必要というわけだ。
それも含めた量を【レアアイテム獲得券】だけで揃えることは無理がある。
「ぬぅ・・・なるほど。確かにインゴット一塊だけじゃと、せいぜいナイフができる程度じゃのう・・・残念じゃ」
ガットは気を落としているが・・・望みができたはずだ。
「まあ、このゲームの中にそんな【素材】があるってわかっただけでも良かったじゃないか。この【獲得券】で入手できるってことは、他にも入手できる場所があるはずだからな」
それさえ、見つけることができればガットの悩みも解決されるはずだ。ラングの奴に情報を渡せば喜んで探しまわるだろうし。
それに・・・
「もしかしたら【聖剣】や【魔剣】の素材も・・・」
そう言ってラーサーとベルバアルを見る。
ラーサーは肩をすくめながら・・・
「ご明察・・・【聖剣】は【オリハルコン】でできているそうだよ」
やはりそうか・・・まあ、【聖剣】の材料と言えばやはり【オリハルコン】だろう。
となると【魔剣】は?
「そういえば【魔剣】は【ダークマター】でできていると聞いたことがあったな。本当のことだったのか・・・」
ベルバアルの奴がそう漏らしているが・・・
「・・・それ言っちゃって良いの? レシトリーに怒られない?」
「あ・・・」
・・・やっぱり口を滑らしたベルバアル。しかし、俺だって他の素材のことを話したんだから、そのことを話したら許してもらえるだろう・・・多分。
それはともかく【魔剣】は【ダークマター】でできているのか。・・・なんかすごそうっていうか、やばそうだな。
しかし、これではっきりしたな。
「というわけだ、ガット。素材に関しては俺たち【アークガルド】も捜索するから・・・見つけてきたら装備の作成。よろしく頼むぜ!!」
素材が同じなら後は作り手の技量次第だ。ガットなら【聖剣】や【魔剣】を超える装備が作れる・・・かもしれない。
「うむ! まかせておけい!!」
力強くうなずくガット。
俺としても是非【豪剣アディオン】や【攻鎧アルドギア】を強化してほしいし、これは力を入れる必要があるだろう。
(*・ω・)*_ _)ペコリ
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