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ミーシャたちもクラン同士の協力を前向きに検討してくれるとのことで、お礼を言ってその場を後にした。
とは言っても、用があるのはすぐそこなのだが。
アーニャたちがいた場所はモンスターの【眷属】たちが集まっていたが、こちらには【精霊】の【眷属】たちが集まっていた。
「だうーー!!」
「まう!!」
「あいー!!」
「ひゃう!!」
「むー!」
「おー!」
そこには子供姿の【精霊】たち・・・つまりアウルたちが遊んでいた。ラングの【眷属】のヴァーユの姿もあるな。主であるラングの姿は見えないが。
他にもガットの【眷属】のグラントや、ヴィオレの【眷属】のクロースの姿もあるな。一緒にいるあの見慣れない【精霊】は? なんか大量のアクセサリーで着飾ってるけど・・・ああ、あれがヒューナスの【眷属】で【細工の精霊】のピューレか。
それ以外にも見知らぬ【精霊】の姿がちらほらと。だが、モンスター組と比べると数が少ない。モンスターに比べて【精霊】を【眷属】にしているプレイヤーは少ないようだ。
まあ、それはそれとして問題は・・・
「ハーッハッハッハ! よーし、皆! どんどん来い!!」
子供姿の【精霊】たちに囲まれているヒーローコスの男がいた。【精霊】ではなくプレイヤーだ。なぜかマッスルポーズを決め、その体の随所にアウルたちがぶら下がっている。
その様は・・・ステージか何かで子供たち相手にファンサービスするヒーローにしか見えない。他にもヒーローコスに身を包んだプレイヤーたちが、なにやらパフォーマンスを行っている。・・・おいおい、一体いつからここはヒーローショーのステージになったんだ? なんか観客っぽいのも一杯いるし。
彼らはクラン【GGGヒーローズ】、そしてアウルたちがしがみ付いているのはそのリーダーでありバトルトーナメントで最終戦まで勝ち残った猛者、マックスだ。
「あ、アルクさん。お疲れ様です」
すぐ近くにはアウルたちの保護者役なのかアスターが居た。・・・なんか子供たちのお父さんみたいになっているな、アスター。ホントにお疲れ。
「よう、アスター・・・なんでこうなった?」
アーニャたちの所もそうだったが、こっちはこっちで別の空間になってるような気がする。ホント、どうしてこうなった?
「ハハハ・・・マックスさんたちは【精霊】に興味あるみたいで・・・話をしていたらいつの間にかこうなっていました」
・・・何故、話をしていたらアトラクションみたいな事になっているのだろう? 摩訶不思議である。
「そう! そうなのだよ!! アルクくん!!」
「うおっ!?」
そう疑問に思っていたら急に、そのマックスが話しかけてきた。というか叫んだ。
なお、アウルたちは未だにぶら下がったままである。・・・楽しそうだね、君たち。
特にルドラ。君の主があっちの舞台で奮闘してるんだけど、助っ人に行かなくて良いの? なお、アシュラは今現在、50人抜きを達成したらしい。・・・助っ人は要らないか。
「君の試合を見て確信したのだ! 我々のさらなるパワーアップには【精霊】の手助けが必要不可欠なのだと!!」
「俺の試合・・・?」
この熱血な連中と俺の試合に何の関係が? もしかして俺も同類だと思われてるのか?
「ほら、準決勝や決勝でのことですよ」
アスターがこそっと教えてくれるが・・・もしかして【精霊憑剣】や【精霊憑鎧】のことか?
確かにあれはヒーローのパワーアップっぽいスキルだが・・・そういえばバトルトーナメントでも【精霊】の【眷属】と戦うプレイヤーは少なかった。あまり戦闘向きではないと思われていたのだろうか?
だが、実際に俺たちの戦いを見て、その有用性に気づいた者も多いだろう。
こいつもその口か。
「まあ、あそこまで行かなくとも【精霊憑依】というのも魅力的だ! というわけで【精霊】たちと仲良くなろうとしているのだよ!!」
「人の【眷属】を横取りしようとしてないよな?」
そのままアウルたちをお持ち帰り~、なんて言い出したらマジで血の雨を降らせんぞ。・・・まあ、このゲームのシステム的に不可能だろうけど。
「ハッハッハ! 私たちヒーローがそんな姑息な手段を取るわけがないだろう!! 君たちの【精霊】は特に特殊だと聞いたので、私たちが自分の【精霊】を探すヒントにならないかと思っただけだよ!!」
・・・本当かよ? ・・・本当なんだろうなぁ。だからこそ、こんなに子供たち(【精霊】だけど)に好かれているんだろうなぁ。
「つまり、ここでは【精霊界】のことを話し合ってたってことか・・・遊んでいるようにしか見えないが」
「ま、まあ、ミコトたちも喜んでいますから・・・」
楽しんでいるのなら何よりなのだが・・・なんだろうな、この感じ。
強いて言うなら・・・自分の子供たちをテレビのヒーローに取られたようで嫉妬する父親のような感じ? 俺は父親じゃなく主だが。
「だうっ♪」
なんてアホなことを考えていたらアウルが飛びついてきた。どうやらようやく俺が来たことに気が付いたようだ。それだけ遊びに夢中だったらしい。・・・遊び?
まあ、最後には父親・・・じゃなくって主の下に帰ってきてくれたようで一安心。最初から心配はしていなかったが。
「ハッハッハ! やはり、主が一番か! ちょっと待っていてくれ。子供たちの相手を誰かに頼むから、その後でじっくり話をしようではないか!」
「ああ」
そう言ってマックスは子供姿の【精霊】たちをぶら下げながら戻っていった。ルドラとミコトはアスターの元に戻ったが。
・・・マックスの奴、普通に子供たちって言ったな。【精霊】を子供扱い・・・まあ、見た目も精神的にもその通りなんだけど。
ところで、もう一つ気になる事があるんだが・・・
「それはそうとアスター。お前が手に持っているそれが気になるんだが・・・」
アスターが先ほどから手に持っていて、ルドラやミコトにあげているちょっと変わったものが気になる。
「ああ、それならあそこに・・・」
そう言ったアスターの指差す先を見てみると・・・
「・・・誰だ、あんなファウンテンな装置を持ち込んだのは・・・」
そこにあったのは人の大きさほどもある噴水のような大掛かりな装置だった。それが三つ並んでいる。
さらに、その装置に群がるように人々が集まっている。その手には様々な食材を持って装置から流れ出る液体をつけて食べている。
当然ながら、その装置から流れ出ているのは水ではない。それぞれ、チーズ、チョコレート、カレーが液状になって流れ出ているのだ。
要するにチーズフォンデュ、チョコレートフォンデュ、カレーフォンデュを楽しめる場所ってことだな。ちなみにああいう流れる噴水みたいな装置のことをチーズファウンテンとかチョコレートファウンテンとか言うらしい。
・・・見栄えと言い、実用性といい、素晴らしい装置だ。どこに売ってるのか是非教えて欲しい。
「じゃあ、マックスが戻ってくるまで俺たちも行ってみるか、アウル?」
「だう!!」
「僕たちも行こうか、ミコト、ルドラ」
「あい!」「まう!」
というわけ俺たちは各種フォンデュを楽しんだ。
・・・味が良いのは勿論だが、なかなか楽しいな、これ。
「だう♪」「あい♪」「まう♪」
アウルたちも楽しそうだ。
(*・ω・)*_ _)ペコリ
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