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幻想的な光景

「おっちゃん、一切れ・・・いや、二切れくれ」


「あいよ!」


おっちゃんがぶら下げられた巨大な肉の塊から、肉を切り取り渡してくれる。


ケバブである。


アヴァンたちと別れた俺は、誰か知ってる顔は無いかと再び歩き始めた。道中でおいしそうな匂いがしていると思ったら、クラン【アフェクシオン】の料理人がケバブを配っていたので貰ってきた。当然、美味い。【アフェクシオン】の料理人の腕は確かなようだ。


・・・ところでこの肉は何の肉なのだろうか? リアルだとラム肉だと聞いたことはあるが・・・まあ、美味しければ良いか。


そんな感じで歩いていると・・・


「・・・お花畑が見える」


・・・何を言ってるんだって? 別に俺の頭がバカになったとか、臨死体験をしているとかそういうことじゃないぞ?


本当に花畑があるんだよ。


どうやら俺はいつの間にか、アテナたちがかなーりこだわって設定した西側の花エリアとの隣接部まで来ていたようだ。


俺もまだ確認してはいないが、かなり広大なエリアに世界中の花々を配置してまわったらしい。さらに人が通れるような遊歩道や、遊び場としての広場も設けているらしい。


そしてそこに・・・


「クルー!」


「がお!」「ピュイ!」


「キュイ!」「キュア!」「キュウ!」


「コーン!」「ボエー!」「チューチュー!」


「キキー!」「ゴアア!」「キシャア!」「ホロロ!」


「ニャーニャー!」「ガー!ガー!」「チュンチュン!」


「ワンワン!」「メー!メー!」「ブーブー!」


「ピヨピヨ!」「コケコッコー!」「ゲロバブアァ!!」


「・・・多いなぁ」


花エリアを縦横無尽に飛び回る【眷属】たちの姿が。


うちのクランの【眷属】・・・アーテルたちの姿もあるが、ほとんどは【モンスターイズライフ】の【眷属】たちだな。


現実には存在しえないモンスターたち・・・彼らが花畑の中で戯れる姿はいかにも幻想的である。


・・・というか何体いるんだ? 確実に十や二十ではきかない数だろう。まあ、かなり広大なエリアだから何百体来ても大丈夫だろうが・・・ちょっと待て。最後の鳴き声は何だ? 他は何となく分かるが、最後だけまるでわからんぞ? 一体どんな生き物の鳴き声?


「あ、アルクさん! こっちなのですー!!」


俺が謎の鳴き声の主を探していると声をかけられた。


見ると花エリアの手前のテーブルにアーニャやミーシャたちが座っていた。


「よう、楽しんでるか?」


俺もこたえつつ、その席にお邪魔させてもらう。テーブルの上には・・・クッキー、ケーキ、チョコレートなどなど・・・お菓子ばかりである。・・・聞くまでも無いな、これは。


「もちろんなのです!」


「キュウちゃんたちも楽しんでます!!」


アーニャとミーシャは楽しんでいるようだ。だが・・・


「はははははい! たたた楽しんでます!!」


同席していた・・・バルバラ? だっけ? は微妙に楽しめていないように見えるんだが?


さっき挨拶したときもそうだが、緊張しているようだ。・・・もしかして俺が来たせいか? それなら俺は遠慮して退散すべきだが・・・それはそれで失礼な対応だよな。なんとなくこのバルバラって子、内向的っぽいし後で気にしそうだ・・・


ここは何事も無かったように普通に接するのが吉だな。


「・・・そうか。楽しんでくれているのなら何よりだ。それで? 何の話をしていたんだ?」


「勿論、【眷属】たちの話なのです!!」


どうもアーニャたちは互いの【眷属】たちの特徴や入手した場所を情報交換していたようだ。


【幻獣界】のどのエリアにどういったモンスターがいるのか、ユニークモンスターの目撃情報、レアモンエリアが出現した場所などなど・・・


・・・当たり前に話しているけど、結構重要な情報なのではないだろうか? ラングのヤツが居たら飛びつきそうな情報ばかりな気がする。・・・アイツ、どこかで聞き耳立ててないだろうな?


「【眷属】たちはプレイヤーと同じように飲食できるのですが、好き嫌いがあります」


「そうなのです? うちのブランちゃんたちは何でも食べるのです!」


確かに、アーテルたちは出された物はなんでも食べる。食いすぎじゃないかって位、良く食べる。主の分まで食べきってしまうんじゃないかと心配するくらい良く食べる。


「そうなのですか? もしかしたら嫌いな食べ物でも上手く料理すれば大丈夫なのかもしれないですね」


・・・ああ、アーニャの料理がどんな食材でも美味しくしてしまうからな。この前なんて、あんな見た目の食材が、あんな美味な料理に変わるとは、とびっくりしたくらいだ。・・・どんな見た目かだって? ・・・それは内緒。というか思い出したくない。


「ちなみに嫌いな物を食べさせようとしたらどうなるんだ?」


「最初の1、2回は機嫌が悪くなる程度で済みますが、無理矢理食べさせようとすると、例え主でもその人の言う事を聞かなくなります」


・・・意思を持つ一生物としては当たり前だと思うが、【眷族】でも主の命令に従わない場合もあるのか。


言い方は悪いかもしれないが、【眷族】というのは状態異常でもない限り主には絶対服従なのかと思ったが・・・そうではないようだな。そういえば【眷属】には好感度があるって話をしたことがあったな。好感度が高いほど強力なサポートをしてくれるとか。


逆に好感度が低いとこっちの命令にも従わないし、サポートもしてくれなくなるらしい。ぶっちゃけ、それってもう【眷属】じゃなくね? と思わなくも無いが、それは主側に問題があるだろう。言ってみれば自業自得である。・・・俺も気をつけよう。


「好物を上げれば主以外のプレイヤーにも懐いてくれることがあります。基本的に【眷属】は主の命令を優先しますが、それに反しない限り懐いているプレイヤーの言う事も聞いてくれますね」


つまり、アーニャならブランたちだけでなく、アーテルたち他のプレイヤーの【眷属】にも命令する事ができるってことか。


・・・言われるまでもなくそうだったような気がするが気にしない。アーニャの場合は命令じゃなくお願いだし。アーニャのお願いは【眷属】だけじゃなく、俺たちだって聞き入れてるし。


餌付けされてる? ほっといてくれ。


「・・・言う事を聞かなくなった【眷属】は・・・【眷属ギルド】に売られたりします・・・悲しいです」


バルバラがボソッと・・・悲しそうに話した。


マジかよ・・・そんなこともあるのかこのゲーム。


だが、正直気になってはいたんだ。プレイヤーの中には調子に乗って【眷属】を増やしまくる奴も出てくるだろう。そして世話を仕切れないくらい【眷属】を抱え込んだプレイヤーはどうするのか、と。


そのプレイヤーに関しては自業自得過ぎてどうでも良いんだが・・・


「・・・その【眷属ギルド】に売られた【眷属】っていうのはどうなるんだ?」


「【眷属ギルド】内で飼育されているようです。また、【眷属ギルド】のとあるクエストをクリアしたら、プレイヤーがその【眷属】を買い取ることもできるようになります」


プレイヤーが買い取ることもできるのか・・・知らなかったな。そんなこと説明もされなかったし。


ゲームの世界とはいえ、お金で売り買いするのは抵抗はあるが・・・その【眷属】も新しい主の下で平和に暮らせるのなら、それで・・・と納得するしかないよな。


・・・ん? そのことをミーシャたちが知っているということは・・・


「「・・・」」


ミーシャとバルバラは真剣な顔で・・・心なしか切なそうな顔で自分たちの【眷属】の方を見ている。


・・・俺は【モンスターイズライフ】への支援を惜しまないことを心に誓った。


(*・ω・)*_ _)ペコリ


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