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魔法談義

ガットと別れ・・・奴は奴で話したい相手がいるらしい・・・俺はコーラと焼き鳥を手に(笑)適当に歩き回る。・・・美味いな、この焼き鳥。味付けも完璧だ。恐るべし、【アフェクシオン】。


そこら中から美味しそうな匂いがしてくるので次は何を食べようか考えながら歩いていると、知ってる顔が席に座っているのを見えた。


「よう、お嬢さん方。お邪魔して良いかな?」


と、声をかける。


「ええ、大丈夫ですよ」


「あら~、いらっしゃい」


「女性陣のおしゃべりに入ってくるとは良い度胸ですわね」


「あはは・・・アルクさんですから」


その席にはクラン【アマゾネスプリンセス】のリーダー、エルザリートに【双星騎士団】の副リーダーのシャンテ、クラン【ディアボロス】の副リーダーのレシトリー、そしてうちのアルマというなんとも華やかな女性メンバーたちがいて、優雅にお茶をしていた。


・・・うーむ、なんというか・・・なんとも高レベルな美女軍団だな。男女問わず周囲から視線がくぎ付けである。とはいえ、この中に入っていく勇気のある奴はいないみたいだ。


まあ、俺は気にせず入っていくがな!!


・・・とはいえ、確かに女性ばかりの席に男の俺が割って入るのは行儀が悪かったかもな。


「こいつは失礼。お詫びと言ってはなんだが()()を差し出そう」


俺は【収納箱(アイテムボックス)】から、()()を出してテーブルに置く。


「アーニャ特製フルーツタルトでござ~い」


それはイチゴやモモ、メロンやキウイなどのフルーツが盛りだくさんのフルーツタルトだ。


「これは・・・すごいですね」


「おいしそ~ね~♪」


「・・・ゴクリ」


「・・・ここでその最終兵器を出してくるのですね。皆さん、このタルトは【精霊界】産のフルーツを使われていて大変おいしいですよ」


これの味を知っているアルマが解説してくれる。確かにこのタルトは、アーニャの料理の腕とアスターの畑で取れた【精霊界】産のフルーツというのも相まって、その味はまさに極上である。


というわけで俺も席に座り、フルーツタルトを切り分けた。


「「「「・・・」」」」


話もそこそこに・・・というかまったくの無言で俺たちは極上の味に舌鼓をうつ。


・・・おかしいな? 話をするために座ったのに皆無言ですよ? だが、それも仕方がないだろう。しゃべる暇があるのなら少しでもこの味の感動に浸っていたい。


「・・・ふぅ、本当に美味しいですね。このタルトは」


あっという間にフルーツタルトの一切れを平らげたエルザリート。


「本当にね~。素晴らしいわ~」


同じく満足そうな声を上げるシャンテ。


「・・・たしかにこれは認めざるを得ませんわね」


悔しそうにしつつも満足そうという器用な顔をしているレシトリー。


うんうんとアルマもうなずいている。・・・おい、勝手に二切れ目を取るなよ。


「アーニャさんというのは【アークガルド】のメンバーでしたね。貴方のクランは戦士だけではなく料理人までいるのですね」


「本当にね~、戦いだけじゃなかったのね~」


・・・戦いだけのクランだと思われてたのか。


「料理人だけじゃなく、農業人もいるぞ。そのフルーツもうちのメンバーのアスターって奴が収穫したやつだしな」


なぜか感心した風のエリザリートとシャンテ。


「・・・最初に会った時は、たった三人だけのクランでしたのに随分といろいろ増えましたのね。アルクさんに至っては優勝までなさって・・・」


レシトリーが所属する【ディアボロス】とはこのゲームを始めた最初のほうで遭遇したからな。確かにあれからメンバーは増えた。


「別に狙って集めたわけじゃないんだがな。偶然だが皆、それぞれの分野で優秀だよ。俺が優勝できた要因でもある」


俺がトーナメントで優勝できたのは俺の実力以上に皆のサポートのおかげだと思う。


「そうですね、私たちのクランは戦闘面だけではなく、サポート面でも優秀でした。アスターさんの作物やアーニャさんの料理はとても美味しく、モチベーションを高く維持できますから」


と言ってアルマも同意してくれる。


「なるほど、サポートとモチベーションですか」


「確かに~、うちのクランも戦闘訓練とかはしているけど~、それ以外のサポートはなかったわね~」


・・・ふむ、やはりラングの奴も言っていたが戦闘クランは戦闘特化で、うちみたいなケースは珍しいみたいだ。まあ、戦闘系クランなら生産系のクランと同盟を組むっていう手もあるだろうが、それにも伝手なり縁が必要だろうし、簡単にはいかないだろう。


「実績がある以上、否定できる要素がありませんわ。我がクランでも検討してみる価値がありそうですわね・・・料理プレイヤーを募集してみようかしら?」


そのあたりは自分のところのクランメンバーと相談してくれ。というか・・・


「・・・自分たちで【料理】スキルを取得するっていう手もあるぞ?」


・・・全員、目を逸らしやがった・・・アルマまで・・・ま、まあ、人間、得手不得手があるさ。


「と、ところで、このメンバーで集まっていたってことは【魔法】談義でもしてたのか?」


微妙な空気になりそうだったので空気を変えるように話す俺。


「そうですね。皆さん【魔法】の使い道はバラバラですのでお話を聞くだけでも参考になります」


エルザリートは【宝石魔法】、シャンテは【補助魔法】を駆使して威力を底上げした【魔法】や【武術】を使う。レシトリーは【吸血鬼】という種族だからか【幻覚魔法】が得意らしい。


なるほど。アルマは【攻撃魔法】特化だし、方向性はばらけてるっぽいな。


【魔法】はスキルレベルも重要だが、なによりも大事なのはイメージである。基本的にイメージ通りの【魔法】になる反面、イメージが半端だと効果も半端なものになる。


「アルクさんの使っていた【結晶魔法】も興味深かったですね。さまざまな形状になるのは使い勝手がよさそうです」


「ぶっちゃけ【宝石魔法】の下位互換だと思うけどな」


多種多様という意味では【結晶魔法】より【宝石魔法】のほうが上だろう。【魔法】戦を行えば俺は勝てないだろう。


「あら~、でもアルクくんは~【魔法】の威力を上げるスキルがあるじゃない~?」


魔天の叡智(アーク・ウィズダム)】か・・・あれは【魔法】ではないからな。


「いったいどうやって、そのようなスキルを手に入れたのか聞きたいですが・・・さすがにルール違反ですわね」


その気持ちはよーっくわかる。聞けるなら俺だって聞きたい。


「まあ、同等の情報で交換するか、情報クランで売り出されている情報を買うか、自分で【魔法界】を探し回るしかないだろうな」


【魔法界】を制覇したプレイヤーはいまだにいない。それは各世界が広すぎるというのもあるが・・・


「種族によって行ける場所が限られるのが痛いですわよね」


そうなのだ。


【魔法界】のプレイヤーたちがいる大陸はTの字型をしていて南側が中立地帯、東側が【人間】サイドと西側が【魔族】サイドに分かれているのだ。


当然ながら【人間】が【魔族】サイドの領地に足を踏み入れることはできない・・・わけではないが、【魔族】に追い回されるらしい。


当然、街に入ることもできない。なので基本的には自分の種族にあった側へ行くことになる。ただし、変装なりなんなりすれば潜入することはできる。噂ではスパイごっこを楽しんでいるプレイヤーもいるとか。


そんなわけでエルザリートやシャンテは【人間】サイド、レシトリーやアルマは【魔族】サイドで【魔法】スキルを取得しているわけである。


共通する魔法もあれば、種族によって取得できない【魔法】もあるんだとか。そういった情報の交換を行っていたらしい。


そういう意味ではこの場は案外貴重だったりするのだ。


(*・ω・)*_ _)ペコリ


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