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異世界でB地区の神様になったけど、誰にも言えない  作者: フカヒレさん
第三章 騎士道とは乳を護ることと見つけたり
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ムネヒトvs.レスティア(留置所編)※


運営様より警告を頂戴しました。本編の怪しい部分(※部分)をノクターン様へ移動いたします。

なるべく話の整合性を失わないように修正しますが、至らぬ点が多く出てくると存じます。

皆様にはご迷惑おかけしますが、何卒ご容赦をお願いいたします。

 

 結論から言うと、俺の拘束は延長された。

 レスティアと会話した後すぐ、彼女は件のメリーベル副団長やってきた。


『ハイヤ・ムネヒト、悪いが今日は此処で一夜を明かしてもらう』


 彼女は開口すぐにそう言ってきた。その隣では、レスティアがやや申し訳なさそうに俺を見てくる。


『……一応、理由を訊いても良いか?』


 逆らいはしないが、どうしてそういう結論になったのか訊いておきたい。


『貴様、リリミカとレスティアさんと同じ屋根の下で暮らしているそうだな』


 予想だにしていない角度から砲火が飛んできた。しかも事実なので反論も出来ない。


『今日あんなことがあったというのに、今度目を離せば、一体どうなるか……』


 彼女の懸念は最もだ。同じ屋根の下とは言うが俺とリリミカ、レスティアはそういう関係ではない。

 では何故そんな関係ではないのに、あんな行為に耽っていたのかと詰問を受ければ返答できない。おっぱいの為に色々やっていますと言えば、また違う疑念を持たれてしまう。間接的とはいえ、身体を重ねた内に入ってしまう。


 リリミカと恋人だとこの場のみ嘘を付くのも却下だ。らしくは無いとはいえ彼女は大貴族の令嬢だ。牧場出身の平民と恋仲だと喧伝されれば、いったいどんな噂が立つか。吟遊詩人辺りは喜びそうではある。


『今日はここで頭を冷せ。明日の朝には出してやる』


 それがメリーベル副団長の結論だ。レスティアは納得していないようだが、これ以上追及されてしまうと彼女も不味い。妹のみならず、姉ともそういう事をしていましたじゃ留置所から牢屋にお引越しだ。

 俺は了承し彼女らと別れた。確かに、このまま帰宅してリリミカと日課の育乳になってしまえば、今日はどうなるか分からない。朝と昼とでラッキースケベ(昼のは俺から迫ったわけだが)のせいで、リリミカのおっぱいが瞼に焼き付いて離れない。


(俺達はお互いに冷静になる時間が必要だと思う、なんて何処のメロドラマだよ……)


 良く聞くような、そうで無いような独り言を呟き、四畳半程度の留置所を今日の我が城とした。


 ・


 やがて日付も変わる頃だろうか、薄いシーツを友にウトウトと眠りの世界に半身を浸している頃だった。

 キイと、上と留置所を隔てている木のドアが鳴いた。それからカツカツと足音が聞こえる。控えめな足音だが、俺以外に誰も居ないここには良く響いた。


(こんな夜更けに……誰だ?)


 腕枕に顔をつけたまま、迫る人の気配に耳を澄ます。数は一人、ならば新たな留置所の住人ではなく第二騎士団の団員で、俺に用件があると思うのが普通だ。

 一応の警戒をし、未だ壁の向こうから姿を現さない人影に向かい『乳分析』を発動させる。


「なんだ、レスティアか……脅かすなよ」


「……さすがです、よく分かりましたね」


 それは、赤い二点に78センチとやがてCカップに近づいてきたバストを持つレスティアだった。手明かりに携帯用魔力ランタンを持ち、宿直用の制服にカーディガンみたいな上着を羽織っていた。

 彼女は本日の宿直を任されている。本来はエリアナが今日の当番だったらしいが、気を使ってくれたのだろう、彼女がその役目を買って出たのだ。


「もう夜も遅い、しっかり寝ないと美容に良くないぞ」


 もちろんおっぱいにも。


「……」


「……どうした?」


 返答は無い。別にリアクションを期待したワケでは無いが、彼女の無言には妙な圧力があった。


「……やがて二十分もしないうちに日付が変わります」


「え? あ、ああ……そうだな」


「今日という日は、もう二度と訪れません」


 なんだ哲学か? 人類誕生以来何百万回と言われたであろう名言を使って、俺に何を伝えたいんだ?


「今日はまだ、ノルマを達成していません」


「……あー……」


 彼女の言いたい事が分かった。一日十分の育乳の事を言っているのだ。

 俺としても、おっぱいがお預けとなると残念で仕方が無い。触れば触ったで悶々するがだ。


「俺はこのザマだし、残念だが今日は無しにしよう。筋肉トレーニングだって、毎日するより適度な休息日を挟んだ方が――」


「私が挟みたいのは休息ではありません!」


「!?」


「……はしたない事を言って申し訳ありません。私自身、贅沢な悩みだとは自覚しています。でも……」


 今、下ネタっぽく聞こえたのは俺の耳がそういう作りだからか?


「手に入らないはずの物が手に入ったときの喜びと、それを失うときの恐怖は筆舌にしがたいのです。浅ましい話ですが、私は、怠けてしまうことが何より恐ろしい」


 口を噤み、眼鏡の反射光の奥へ瞳を隠すレスティア。沈痛な空気が流れるが、結局はおっぱいの話です。


(なんでレスティアのおっぱいの時は、こんなシリアスな雰囲気になるんだ?)


「だが、俺はここから動けない。それともレスティアがここから出してくれるのか?」


「いえ、残念ながら私は鍵を保持していません。副団長が所持したままです。私が持っておくと言ったのですが、まだ貴方が私を脅迫していると疑っているみたいです」


「なるほど……じゃあ、今日はしないっていう選択肢は?」


「ありません。千ミリの乳もまず一ミリからというのが、ニホンのコトワザでしょう?」


「間違って伝わってるぞ」


 俺も同じような事を思っているので強く否定は出来ないのが悔しい。


「……情けない話ですが、私にはアイデアがありません。こうやって副団長が寝静まったのを見計らって来たのは良いものの、これ以上どうしたものかと……」


 そりゃあ俺だって同じだ。牢に入ったままおっぱいを育てる方法なんて、普通は考えない。

 格子の隙間から無理に手を出すか? いや無理だ。5センチ四方の正方形程度でレスティアの腕ですら入らないほど狭い。

 じゃあ逆にレスティアに胸を押し付けてもらって、隙間からはみ出たおっぱいを触ってしまうか? いやいや、マニアックだしスペース的に乳首に触ってしまいそうだ。


(……そうだ、アレを試してみるか)


「レスティア、やってみたい事がある。人に対して行うのは初めてだが……いいか?」


 それは元々レスティアの為に考案したテクニックだ。彼女は将来の義理の息子か弟だから平気だと言ってるが、そうならない可能性の方が高いし、それが女性の胸を触って良い理由になるわけない。

 だから、どうすればレスティアの貞操を守りながらおっぱいを育てられるかと考えた。

 そして俺は一つの答えに辿り着いた。それは、触らずに触れば良いというものだ。


 レスティアが疑問符を浮かべながらも頷いたのを見て、俺も覚悟を決めた。ここ数日ほど、毎朝行っているハナとの鍛錬の成果を見せるときだ。


 ※


 レスティア、手離し育乳中


 ※


「なにをしているレスティア副官、ハイヤ・ムネヒト」


 摘む前に待ったが入りました。


(……いくら勇敢になったつもりでも、怖い物は怖いのね……)


 まるでマグマの中から現れた鬼。全身から噴き出る熱気は、彼女の得意な炎系魔術が無意識のうちに漏れ出しているからでしょう。

 まるでサウナの中みたいだというのに、私もムネくんも震えが止まりません。

 頭痛を堪えるような姿勢になったメリーベル副団長は半裸の私と、何もない空中を揉んでいる体勢のムネくんを交互に見やります。


「何か話声がすると思って来てみれば……これはいったい、どんな状況だ……?」


「……違うのよ、副団長」


 口を開いたのは私です。きっと冷静になり正確に話せば理解を得られるだろうと確信しています。ええ、私なら出来ます。

 分かりやすい話をするためのコツは、まず結論から述べることです。


「トドメに乳首を触ろうとしていただけよ」


 ムネくんは明日から騎士団の勤務になりました。



閲覧、ブックマーク、評価、感想、誤字報告など誠にありがとうございます!

文字数が半分以下になってしまいました……

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