ステーキとパセリ(上)※
今日も一日が終わり夕食を食べ終えた頃、俺とリリミカは風呂にいた。もちろん二人とも服を着ている。
俺は湯船の縁に座り、足湯のように膝から下を浸していた。その俺の上に座っているのがリリミカだ。
彼女の臀部と俺の太ももの間には分厚いクッション(これが重要)がある。リリミカも同様に両足を湯に投げ出していた。俺に座っている分座高が高くなり、脛の半分くらいまでしか浸かっていない。
リリミカは上半身はキャミソールに薄いカーデガン、下半身はハーフパンツというラフな格好であり、剥き出しの太ももが湯気を浴び白く瑞々しい。
まるで父親に甘える娘の図だが、そこまで体格差はないし、どちらかと言えば父と娘ではなく乳とムスコである。
「じゃ、今日もお願い」
「あ、ああ……」
リリミカは華奢な背中を俺に預けてくる。俺はまるで座椅子だった。
風呂上りのリリミカの身体は服越しでもその体温を強く感じるし、シャンプーの薫りが亜麻色の髪から漂い平常心を乱してくる。
(これくらいで心を乱してどうする! 今からもっとエライ事をするんだから)
※
リリミカ育乳中
ムネヒト、乳首封印宣言
※
「ん、十分だ。お疲れさん」
今日も夢のような時間だった。
細く長い息を吐き、名残惜しくおっぱいから手をどけようとする。しかしそれより早く、リリミカの手が俺のに重なった。俺はリリミカの胸と手のひらで両手をサンドイッチされた形になる。
「……」
「……おい、どうした?」
声が震えなかったのは、俺の喉が頑張ってくれたからだ。
おっぱいの熱さもだが、リリミカの手のひらの熱さが俺の手の甲に染みていく。
「……ねえムネっち……」
顔を半分だけ振り向かせ声をかけてきた。目元は髪に隠れ見えないが、半開きの艶やかな唇から目が離せない。
「ステーキも、パセリも……二人分あるのよ……?」
彼女の手が僅かに力がこもる。柔らかい乳肌に服ごと埋没し、俺の人差し指に根元あたりに、熱くてコリッとしたものが触れそうになった。
「――――! よ、夜更かしは良くないから早く寝ろよな! お休みー!」
彼女を揺らさないように腕を抜き、さらに達磨落としのようにクッションの下から脱出した俺の動きは神速と言って良い。
「え、あ、ちょっと――!」
何か言ってくるリリミカには悪いが、もうそれどころじゃない。
マグマのような血液を運動エネルギーに変換させ、温泉を後にした。
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令和が始まってやがて十日、早いものです
追記
またしても半分以下の分量になってしまいました。おっぱい様に支えられていたに違いありません




