夜遊び(下)※
運営様より警告を頂戴しました。本編の怪しい部分(※部分)をノクターン様へ移動いたします。
なるべく話の整合性を失わないように修正しますが、至らぬ点が多く出てくると存じます。
皆様にはご迷惑おかけしますが、何卒ご容赦をお願いいたします。
「……あの、そういった行為は原則禁止されておりまして……」
「ふーん、あっそ。じゃあ私が脱いじゃお」
「……なんで!?」
言うや否や、リリミカは上半身のドレスを脱ぎ捨てた。
久しぶり(四日ぶり)に目撃するリリミカのBカップおっぱいは、スポーツタイプのブラではなく刺繍の入った高級なランジェリーに包まれていた。
豊かとは言えないかもしれないが、それでも、リリミカだけのおっぱいだ。今すぐ抱きしめて愛で尽したい欲求に駆られる。
シャンデリアに反射するほどの瑞々しい白肌。括れたウエストは、腕を動かすと薄く肋骨が浮いてしまうほど華奢だ。
俺はこっそり右手を左胸に当て、スケベ心を経験値として剥奪する。
この動作は俺を常に冷静にしてくれる一種のルーティンになってきた。お陰で俺はおっぱいギルドでも我を失わずにすんでいる。
リリミカは平然とした風だが、頬や鎖骨とおっぱいの間が桃色に染まっている。口で言うほどは平気ではないらしい。
「なによ。下の階では裸踊りしている冒険者も居たのに、コッチは駄目なわけ? 男と女で差別すんの?」
確かに酒場コーナーで酔って脱ぎだす男も一定数いる。しかしアレは遊びの席だから、ある程度の悪ふざけが黙認されているだけであって……。
「此処には客が脱いだら駄目なんて決まりがあるの?」
「それは……無いけど」
「ここの冒険嬢に無理矢理エロいことするのはともかく、客が勝手にするなら違反じゃなくない?」
「いや、それは違うだろ。男の露出を見せられて、嫌悪感を抱く嬢だって居るだろうし……」
「ごめん、迷惑だった? 私のおっぱいなんて見るのも嫌?」
「あり得ん。お前のおっぱいはいつ見ても幸せな気分に――はっ!?」
「じゃあ良いじゃん」
また論破されてしまった……。
「ほらほら! なんで客にだけ脱がせてるのよ! オリオンっちも脱いだ脱いだ!」
リリミカは言うや否や俺に飛びかかり、服のボタンだったり裾だったりに手をかけてきた。
「わ!? ちょっ、だからそういった行為は禁止だって言ってるだろ!」
押しやろうとするが、そうすると彼女の身体に触れてしまうことになるので強く引き剥がせない。
「禁止なのは冒険嬢に対してであって、男にじゃないでしょ?」
「さっきと言ってる事違うじゃないか! 差別うんぬんはどうした!? レスティア! ノーラ! 見てないでリリミカを何とかしてくれよ! ……って、なんでお前らまで脱がそうとしてくるんだ!?」
「いえ……思えば私も男の人の身体には詳しくないので、これを機に……なんて欲が出てきまして……」
「私もさ、せんせー。男の身体をナマで見るなんて、子供の頃に父親と一緒に入った風呂以来なんだから我慢してくれー」
「このムッツリ共! お前らの事情なんざ知らんわ! あー!? 止めろぉぉぉ!」
抵抗空しく、制服を剥ぎ取られ上半身を裸にされてしまう。お前らコレ普通に犯罪だからな? 公爵令嬢とか教師とか以前の問題だぞ。
「へえ……? やっぱり、かなり鍛えてるわね。想像以上に逞しいわ。クラスの女子が騒いでる細マッチョってヤツ?」
「バンズのように隆々とした肉体こそが、と思っていましたが……なるほど、これはこれで……」
「華奢かと思ったが、脱ぐとスゴいじゃないかせんせー。出るとこ(胸筋)は出て、引っ込むとこ(腹筋)は引っ込んで……個人的には、この薄く見える腹斜筋がポイント高いな」
何故におっぱいギルドで知り合いの女を前に上半身裸になっているのか。全裸になれと言われないだけ恩情かもだけど、ちょっと恥かしい。
いや何で恥かしがってるんだ俺。牧場でも半裸でウロウロしてるとこを目撃されたのだって、一度や二度じゃないだろうに。これが場酔いってヤツか……。
「わ、意外に柔らかいのね」
「ちょ、おま!? どこ触ってんだ!」
物思いに耽っていると、リリミカがいきなり俺に触ってきた。
何処か言わないけど、ここはおっぱいギルドなので彼女が何処に手を伸ばしたかは、言わずとも知れるというもの。
「いつも私達の触ってるし、たまには触られる側の立場ってのを味わってみたら?」
「お? 初耳だなーせんせー。イケナイなー。よし、黙っておいてやるから一緒にこの場を愉しもうじゃないか」
「おい待て落ち着け! いったん止め止め! 注文の酒や料理持ってくるから、それまで頭を冷やひゃ!?」
リリミカの攻撃に驚き身を捩ると、別の手が俺の肩や腕や腰を撫で始めた。レスティアとノーラだ。
「お前らまで何やってんだ!? まて、待てってのコラ! レスティア! お前これ、バンズさんに悪いとは思わないのか!? これが恋する乙女のやる事か!」
「この程度は将来の息子オア弟とのスキンシップの範疇でしょう。それに、筋肉だけなら浮気じゃないのです」
「お前まだそんなクソ理論振りかざしてるのか! つーか、ソレ第二騎士団で流行ってんの!?」
「黙って私の経験値になって下さい! まだ15歳だった頃、着替え中だったバンズの裸を誤って目撃した時に、興奮のあまり嘔吐してしまった私の屈辱が分かりますか!? 『わりぃ、変なモン見せちまったな……』って言ってしょげかえったバンズのフォローも出来ず、三日ほど悶々とした情けなさ……! それが原因で彼は騎士団を辞めてしまったのじゃ無いかと、本気で悩んだんです!」
「考えすぎだろ!」
「昨日の屈辱は明日の勝利でしか克服できません! 弱かった過去を礎にして、私は未来へ向かうのです!」
「だから何でちょっとカッコイイこと言ってんだよ!?」
初めての色遊びで変なテンションになってやがる! 親近感が湧くが、クノリ姉妹はもう駄目だ!
「ノーラ! 一人は未成年でお前のクラスの教え子で、しかもクラス長だろ!? それなのに担任教師共々こんな体たらくで良いのか!? 不祥事喰らっても知らないぞ!?」
「課外授業、もしくは生活指導ってヤツさ。女は男の怖さに対して無知でいるわけにはいなかいんだよ。ここには副担任も居るようなもんだし、臨時教員かつ第二騎士団副官殿も居る。それに、第二科、第一科の教師やクラス長共に比べれば、私たちの夜遊びなんてまだまだ可愛いもんさ」
「不良教師共がぁぁ! アカデミーは……いや、この国はもう駄目だ! 俺がいつか乗っ取ってやるー!」
あまりのアレッぷりに国取り的野心を抱いてしまいそうだぜ!
「こんな柔らかくて、何であんな力を発揮できるの? ぷにぷにじゃない」
「それは違うぞクノリ、ただ硬いだけでは良い筋肉といは言えない。脱力時の柔らかさと緊張時の硬度の差が大きいほど、一般的には良い筋肉とされているんだ。また筋繊維というのはゼロかイチかの出力しかなく、筋繊維が全体でそれぞれ少しずつ力を発揮するのではなく、必要な分だけが働いて残りは動かないという説もあって――……」
ノーラ筋肉に詳しいな!?
「へぇー……ちょっと力入れてみて!」
オモチャにされているようで釈然としないが、言われるまま筋肉を強張らせた。リリミカは嬉しそうに指を沿わせてくる。
「わ、かたーい♡ カチカチじゃん♡ この太くて逞しい筋肉で、イロイロ(戦いを)ヤってきたのね」
「なんでそんな言い方するんだ?」
ベタ、あまりにもベタ。
「えー? そんなって何? オリオンっちには、どういう風に聞こえたの?」
「いや、それは……ぅひゃ!?」
――『不壊乳膜』停止。使用可能まで、あと81秒――。
またまたまた俺の防御が破られた!? いい加減にしてーや!
「あはっ、ココ、敏感なんだぁ……オンナノコみたいね」
実際敏感ではある。今まで見てきた乳首の感度は、男の場合は高くても10前後、女性の場合は20~30が平均だった。
俺の左右は共に50で、特定条件下のミルシェを除けば、歴代最高値である。流石乳首の神、乳首の基礎スペックが高く常在戦駐だ。泣ける。
次点はリリミカの、その左側。49という数値を見るに彼女は逸材(?)だ。
なんで俺が言葉責め的なことされてるんだ!
「ちょ、こら、あんまり……」
「あんまり、なに? もっと触って欲しいの?」
「違うって……おい、いつまで、触ってんだ……」
「あ。もしかして、指でされるのが嫌なの? じゃあ――」
※
リリミカへプレゼント経験値中
※
「……」
「……」
「……」
そして沈黙が場を支配した。下の階の騒ぎが聞こえるほど、またリリミカの寝息が聞えて来るほど、この部屋は静かだ。
一秒ごとに口を開くのが怖くなっていく。
「……そろそろマジで飲み物とか持って来るか! とりあえず、ワインのお代わりで良い!?」
静寂に耐え兼ねたのは、やはり俺だ。タオルケットに包まれたリリミカを隣のソファーに寝かせ、無駄な大声で呼びかけた。
思えば、姉と教師の前で未成年の少女をこういう風にしてしまったのだ。気まずいってもんじゃない。
「……」
「……」
レスティアもノーラも口を閉ざしたままだった。彼女らの表情からは、何を考えているのは俺には一切読み取れなかった。
弾劾か、罵倒か、それ以外か、気が気ではない。
「あの、飲み物……飲み物……飲み物……」
結果、俺は飲み物をアホみたいに連呼するレコードになってしまった。メニューを持って開いたり閉じたり、おしぼりを畳んだり丸めたり、オロオロするばかりだ。
「の……飲み――」
「そんなものは後だよ、せんせー」
弾かれたように顔を上げると、愛用のパイプ煙草を咥えたノーラがやや厳しい顔をしていた。
いや、厳しい表情というのは語弊がある。
確かにいつものダルそうな表情よりは多少険しくなっているが、頬はやや赤く視線がやや落ち着いていない。煙草も無煙のまま上下に揺らしているだけだ。
チラチラと俺とレスティアを交互に見て、そのレスティアとも無言のアイコンタクトをかわし、火の無いパイプを置いて口を開く。
「まさか、クノリだけにサービスをして私達は無視ってことはないだろうね……?」
「……は? それって、どういう――」
問う間もなく、彼女は机に突っ伏した。
「あ? ノーラ……?」
ゆっくりと崩れ落ちたので、抱きとめる暇も無かった。恐る恐る近づき顔を覗き込んでみると、彼女は規則正しく寝息を立てている。
「寝やがった……ったく、なんだよ驚かせやがって……」
酔いが回ってしまったのだろう、彼女は夢の世界に旅立ってしまった。どうやら、あまり酒に強くないらしい。
「レスティアだけになったけど、どうする? とりあえず今度こそお酒でも…………は?」
気が付けば、レスティアもソファーに寄りかかって眠っていた。背もたれに頬を乗せスゥスゥと舟を漕いでいる。
レスティアは酒に強かったはずだ。ノーラはともかく、彼女はワイン一杯程度しか飲んだ様子が無い。じゃあ何故……。
「あれ……?」
一人に近づこうとしたところで、俺は膝を付いている自分に気付いた。そして、この場の異変にも。
鼻をつく妙な芳香は、この部屋に備え付けてあるアロマの香りではない。
慌てて立ち上がろうとするが、視界と体幹のバランスがちぐはぐになり、それも出来ない。
起き上がった床に右半身を打ち付けてしまうも、反応も出来なかった。いや、床が起き上がったんじゃなくて俺が倒れただけか。
そして突然、強烈な眠気に襲われた。脱力が瞼と五体を支配し、何もかもが融けていく。
(これは……まさか、誰か……が……――……)
視界にも意識にもカーテンが掛けられ、思考が前に進まない。
俺が最後に見たのは、部屋に入ってきた何者かの姿だった。それはこの四日間で見慣れた女の――……。
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色遊びは大人になってからでございます。
当稚作も、大人になってからじゃないと駄目な描写があったみたいです。申し訳御座いません……。




