2ー1日目
今日はテストの最終日だ。
僕は今、バス停にいる。
「やっほ~! 遵! ご無沙汰ぶさた~!」
「莉穂か、おはようさん……」
「んん? 元気ないね?」
「もう、テスト三昧で疲れているんだよ……」
「最終日じゃん! 最後だよ!」
「日本史と英語だよ、もうしんどい」
「どっちも得意だからな~私は」
「莉穂は数学が苦手だっけ? あ、バスが来たよ」
僕も莉穂もバスの座席に座ったと同時に日本史の参考書を出した。そして二人の間に沈黙が流れた……。
「あ! 到着したよ! 遵!」
「え? あ、ああ!」
そう、到着したのに気づかなかったぐらいに僕たちは勉強に集中していたのだ。前期の成績がかかったテストだからね。
「違うよ~! ここはこういうことだよ!」
「くそ~、やっぱり莉穂は賢いよな!」
「そんなにだよ~。あれ? あの子……麻衣ちゃんじゃない?」
「なんか……泣いてないか?」
学校の近くの公園。そのベンチにその子は座っていた。参考書を持ちながら、歯をくいしばって……。
「ちょっと聞いてくる!」
「や、やめなよ莉穂……遅いか……」
莉穂が麻衣の近くへ行った。
麻衣というのは、同じ人狼同好会の一員の鈴鹿 麻衣だ。僕も近寄った。
「どうしたの? 麻衣ちゃん」
麻衣ちゃんが、僕たちを見た瞬間目を逸らした。そして僕たちは見た。その白いか細い腕にアザがたくさんあったのを……。
「ま、麻衣ちゃん?」
「……」
「大丈夫?」
「……だ、だいじょ……」
そこまで言って、その子はその場で涙を落とした。大粒の涙は参考書にしみをつけた……。
「……とりあえず学校に行こ?」
「…………はい」
ここは2ー2の教室。莉穂と僕の教室だ。
「麻衣ちゃん……虐待かな?」
「かわいそうだね……」
「え、どうしたんだ?」
「うわ! びっくりした!」
この男は、斉藤 駿。クラスメートで人狼同好会に興味を示してくれているが、やはりサッカー部はやめられなく、人狼同好会の話を聞きにきてくれる。
「いや、同好会の部員の一人がさ、虐待されてるかもしれないんだよね……」
「うわ、それは災難だな……」
「それよりも駿はテスト今日もいけそう?」
「もうやる気消失だ」
「おいおい……」
「みんな席につけ!」
「おっと、先生が来たな。んじゃあ、またあとで昨日の人狼聞かせてくれよ!」
テストが今日も無事終わった。
人狼のことも頭から離れてなかったが、また別のことも離れなかった。あのアザ……。
「部長さんが今日は1ー1で行うって!」
「よし、じゃあ行くか!」
「あら、仲良し二人組ではないですか、まだ教室に人が残っているので、待たないといけませんわよ?」
「え、そうなの? 香織ちゃんも早いね~!」
「まあ、終わるのが早かったからですわね」
「お、空いたみたいだぞ」
「あら、麻衣ちゃんだけ?」
「1組は私しかいませんから」
「私も2年6組で1人ですわ」
「……麻衣ちゃん大丈夫?」
「はい。人狼するのに支障はないです」
「え? どうかしたのですか?」
「いえ、大したことじゃないんです。毎日のことなので」
「え?! 毎日なの? そんな……。なんなら私の家に泊めるよ?」
「そんなこと……できません」
「なにか家であったのですか?」
「推測早いな……」
「おっと、お前ら早いね」
「あ、部長さん。GMの件なんですけど、くじ引きを作ってきたので、これでしませんか?」
「お、ナイス! それでしようか!」
「麻衣ちゃん、私たちにもっと頼っていいからね?」
「……はい」
「こんにちはです! 今日も楽しみましょう!」
「美桜ちゃんも来たね!」
そして、全員が集まった。
「じゃあ、GMくじ引きいくぞ!」
「よっしゃ来い!」
「ほんとに副部長のところに行ったらいいけどね!」
「桜子こそ、1回もしたことねえんだからそろそろやれよ!」
「……敦だ!」
「俺か……わかりました」
そして、また人狼が始まった
【前回との変更点】
・特になし
・GMが井浦 瑠子から真嶋 敦へ。




