いつもと違う日常
その日は、いつもと違う朝だった。
「雅人!」
母さんはいつにも増して恐ろしかった。
「なっ、なに?」
「警察の人が来てるわよ」
えっ?いや、僕は、法に触れることはしてないよ。至って平凡に生きてきたつもりなんだけどな。
取りあえず、着替えてからと言うことで僕は、部屋に戻った。
何があったのだろう?
「あの…」
リビングには警察官がいた。
「昨日、何をしてましたか?」
「昨日、ですか?」
学校が終わった後、彼女とこっちに帰ってきてて…。辞書借りて、彼女が祖母の家に行くから危ないから行くって言って、
でも、彼女が断って。途中、雨が降ったから傘を貸してで別れたんだ。
「それは、何時ごろですか?」
「午後の6時くらいですかね」
話している途中にすべてを悟った。彼女の身に何が起こったのだ。
「君は、関係ないか」
手帳に書いた後に僕に言う。
「昨夜、神代 美羽さんが殺害されてまして」
祖母の家に行ったあと、帰ってくるときだそうだ。
やっぱり、一緒に行ってたらこんなことにはならなかったのに。ぎゅっと拳を握りしめた。
「ねぇ、佐渡君」
「あっ、咲さん」
少し遅れて僕は、学校に向かった。
「美羽ちゃん誰に…?」
「わからないって」
誰かに殺されたのは確かだけれどまだ、犯人はわからない。
彼女がいなくなった日。世間は普通に回っていた。まぁ、当たり前だけど。
「校門の前に凄い美形がいるんだってさ」
「いいなぁ、話しかけよ」
クラスメイトですら、彼女が死んだのにこの調子か。まぁ、彼女は、嫌われていたけどね。
誰も何も思わないのか。
世界っておかしいよ。
「いた!」
「誰?」
って、もしかしてだけど…
「弘瀬君?」
「そう!」
女の子の格好をしてないと君は、美男子なんだね。わからなかったよ。
用件は彼女のことかな。
「美羽が死んだってホント?」
「本当だよ」
今朝、警察が来ていた事を話した。
「そんな…」
「もう、彼女は、居ないんだよ」