第四話 小さな少女 友達との会話
…木曜日にギリギリセーフ。文のまとまりはあまり良くないけど、なんとか木曜日に投稿できました。
「毎度毎度、ご苦労様ぁ〜。」
「まったく…。男子達も遠慮ってものを知らないのかしらね。
というか、OKしてもらえるとでも思ってるのかしら。
まさか、自分達がふぅちゃんの事を『高嶺のお姫様』って呼んでるのを忘れてるのかしら?」
教室に戻ってくると、玲ちゃんと夢ちゃんが声をかけてきた。
軽い感じで労いの言葉を言って来たのが夢菜ちゃん(私は夢ちゃん、と呼んでいる。)で、私のことを『ふぅちゃん』って呼んで、私を気遣いながらも、男子達に辛辣な言葉を投げつけたのが玲花ちゃん(私は玲ちゃん、と呼んでいる。)。
玲ちゃんとは、赤ちゃんの頃から(?)の大親友で、夢ちゃんは入学式の日に仲良くなった友達。
「えーと、確かにOKする気はないけれども、それはちょっと言いすぎじゃい?
それに、私が高嶺のお姫様だなんて、なにかの間違いだよ。
きっと玲ちゃんの事だよ。」
絶対に玲ちゃんは、違うって言うんだろうけど、実際、私のことじゃないと思う。玲ちゃんは長い黒髪で、背も高いし、とても綺麗な美人だけど、私は普通の顔立ちに低い身長、そして細いだけで凹凸の無い身体。『美人』や『綺麗』なんて言われたことがない。
勇君に少しでも見惚れてもらえたら、と思って精一杯お洒落をしても、勇君の反応は至って普通だったし。
「…謙遜、じゃないわよね。本気で気にしてるみたいだし。」
不思議そうに、夢ちゃんが言う。事実だよ。
「多分、家庭環境が原因よ。」
「家庭環境?まさか家庭不和…」
「いや、家族仲は良いのよ、凄く。ただ」
「ただ?」
「母親と姉がものすごい美女なのよ。父親と二人の兄もかなりの美形だし。」
「…それって、『綺麗』の中で育ったから『可愛い』に気付いてない、ってこと?」
「まあ、そういう事よ。」
玲ちゃんがそう答えると、夢ちゃんは見る見るうちに呆れ顔になっていく。
うーん。綺麗が云々、可愛いが云々と、話がいまいちよくわからないけど、夢ちゃんの顔を見る限り、ひょっとして、馬鹿にされてる?
「玲ちゃんと夢ちゃんの言いたいことがよくわからないんだけど。」
私は話の主旨がまだ掴めない。
「つまり、冬花ちゃんはかわいい、って話なのよ。」
「嘘だぁ。」
「本当よ。っていうか、男子連中、裏であたしのことを『姫守りの毒女』とか呼んでるし。」
「わたしは確か『なんとなく美人』だったかな?
なんとなく、だよ?なんとなく。
…これはもう嫌がらせだと思うんだけど。」
夢ちゃんかわいそう。がっくりしてる。
「…あたし達にはバレてないとでも思ってるんでしょうね……」
「…多分……」
「あ、そうだ。ねぇ冬花ちゃん。今日、冬花ちゃんの家に行ってもいい?
まだ、部活も始まってないし、さっき言ってた冬花ちゃんのお母さんとお姉さんに会ってみたいんだよね。」
「え?うん、いいよ。」
夢ちゃんの突然の申し入れに、ちょっとびっくりしたけど、遊びに来てくれるのは嬉しいので頷く。
「やった!ありがと。じゃあ今日も一緒に帰りましょ。」
というわけで、今日は夢ちゃんが、家に来ることになった。