第一話 小さな少女 告白される?
とりあえず、一話スタート!
…いいのかな?こんなので…
四月の半ばのある日、校舎裏で―
「初めて見掛けたときから好きでした!付き合ってください!」
……なんだか最近、呼び出されて告白される事が多くなってきたような気が……。
私、天崎 冬花がこの、呼び出し告白を受け始めたのは、二週間程前。
――つまり、この学園の高等部に入学してすぐの頃からだった。
入学式で、私は外部新入生代表挨拶を頼まれていた。
頼まれたからには一生懸命やろう。
そう思って当日、それに挑んだんだけれど……
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入学式の大まかな流れは、まず、校長先生の挨拶。その後、在校生代表、つまり生徒会長の歓迎の言葉。
そして、外部新入生代表である私の挨拶、最後に内部新入生代表の挨拶、という進行だった。
生徒会長の挨拶が終わって、次は私の番。
私は緊張していた。
そして、壇上にあがってから、私は大きな失敗をした。
生徒会長は、とても身長の高い人で、2mくらいあった。
そんな人の挨拶の後となると、当然、マイクスタンドは長く伸びたままで、マイクは非常に高い位置にあった。
134cmの私では、背伸びして、手を伸ばしても届かないくらいに高いところに。
ひどく緊張していた私は、冷静な判断力を失っていた。
マイクスタンドの伸縮方法もわからず、焦りながらマイクにむかって手をのばし、ピョン、ピョンと跳び跳ねていた。
私は必死だったんだけど、周りの人達は、微笑ましい、と言わんばかりの緩んだ顔でこっちを見るだけで、だれも手助けはしてくれなかった。
それをみかねた教頭先生が、壇上に上がって手助けしてくれるまで二分間ものあいだ、私は、マイクと格闘していた。
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「元々、半端ないくらいの美少女なのに、あんな愛くるしい姿見せたらどんな男でも一撃必殺!でしょうね…。」
と、従姉兼幼馴染みである玲ちゃんは冗談交じりにそう言う。
私はごく普通の顔立ちなんだけどなぁ…、童顔だし…幼児体型だし…。
で、そんな普通の女の子である(筈の)私にとって、ここ最近の告白ラッシュは予想外のもので。
しかも、素直に喜べない事情もあるわけで……。
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「えぇーっと……ゴメンナサイ。
私には好きな人がいるのであなたとは付き合えません…。」
と、最近はもう言い慣れたセリフを残して立ち去ろうとした…
――のだけれど。
「ちょっ、ちょっと待って!!」
と、告白してきた男の子に、腕を掴まれる。
――掴まれた?…やだ!やめて!
「!…っいやぁっ!!」
とっさに、掴まれた腕を振り払う。
突然の、私の拒絶をうけ、その男の子は呆然としていた。
……ああ、やっちゃったぁ…。
「あっ…ごめんなさい。突然触られてちょっと驚いちゃって…」
と、苦し紛れに誤魔化して、相手が呆然としているうちに、その場から逃げ出した。
――そう
私は、男性恐怖症気味なんだよね……。