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第十三話 女性な少年 想い人の危機

※今回も若干、流血表現が入ります。苦手な方は、後半を読み飛ばしてください。








「勇兄!玲花!どうしたんだ?そんなに急いで。」


玄関前で、硬介と飯田さんに出会す。

飯田さんが、俺と玲花の様相を見てびっくりしてるが、いまはどうでもいい。


「硬介!お前、今、暇か!?」


「は!?いや、デート中だし、暇ではないけど?何かあったのか?」


「ちょっと、こーすけ兄!何で言っちゃうのよぉ〜!/////」



硬介、別にそれは言わなくてもいいよ…。

飯田さんもめっちゃ恥ずかしがってるし…。



「まあまあ飯田さん。聞かなかったことにしておくから落ち着いて…。

って、そんなことよりも!またまた冬花がピンチなんだ!

しかも、相手はあの赤黄だ。本格的にまずい!」




「は?アカギって…信号機会長か!

…ったく!なんたって冬花は、そんな、悲劇のヒロイン並に不幸な目に遇いまくるんだ!?」




ヤツは、赤黄 青治という名前から、信号機というあだ名がついている。

やたらと地位や名声にこだわる、まるでベタな三流悪役貴族のような思考の持ち主で、さらに、欲しい物はどんなことをしてでも手に入れるという残忍で強欲な元不良生徒だ。


そんな不良が、何を思ったのか今年度の前期生徒会長に立候補し、どんな手を使ったのか、当選してしまい、今、生徒会長を務めている。




「冬花はヤツと体育館裏に向かったらしい。

赤黄のヤロー一人なら、俺だけで何とでもなるけど、複数いたらどうにもならないからな。

頼む、硬介。ついてきてくれ!」



本当は負ける気なんてしないけど、冬花救出のことを考えると、人手が足りなくなるかもしれないから、硬介も巻き込もう。



「…わかった。いこう!

すまん、夢菜。校内デートはまた今度…」



「わ、わかったからそれ以上言わないでぇ!/////

わ、私も先生方を連れて後で行くからね!」



真っ赤になりながら飯田さんは走り去っていった。


「よし、行くぞ勇兄!」


「お、おう!」


「ちょ、ちょっと、あたしを置いてくな!」



俺と硬介と玲花は走り出した。











「ところで硬介。いつの間に彼女つくったんだ?」


走りながら訊く。

玲花はもう、かなり後ろを走っている。流石、運動音痴。




「ああ、この前、勇兄を屋上に呼び出す前。

夢菜に告白された。

俺も、夢菜の事は気になってたから…。」



「へぇ。…俺も冬花を助けたら、告白する覚悟を決めるか…。」




「そうしとけよ、勇兄。

…後悔しないうちに、さ。」







* * * * * * * * * * * *



体育館裏に着いてすぐ、冬花を見つけた。

冬花の前で、赤黄が腕を振り上げた。その手には、真っ赤な何かが握られていた。



「やめろっ!!」


大声で叫んだ。


「チッ!」


赤黄は、俺達を見てすぐ逃げていった。



「冬花!大丈夫か!?怪我は!?」


冬花の目は、ぼんやりと宙を見ていたが、俺が声をかけたことで、はっと俺を見た。

その顔が、苦痛に歪む。


「…ううっ…か、肩が…。」


冬花は、また、血まみれになっていた。色の薄い綺麗な金髪も、今は所々が血で染まっていた。


玲花に救急車、硬介に赤黄の捕獲を頼んだ。

二人は、即座に動いた。(玲花は息切れしていたけど。)





俺は再び冬花を見る。

制服の肩の辺りが裂け、血が溢れ出している。ギプスも包帯も赤黒く染まっている。

一瞬、この前の傷が開いたのかと思ったけど、あの時、肩には傷はなかったはず…


赤黄の手にあった赤い物を思い出した。



――まさか、刃物かっ!?




「硬介!気を付けろ!赤黄のヤツ、刃物もってる!」


遠くなった硬介の背中に大声で警告する。



「任せとけ!」


と、微かに返事が聞こえた。








冬花は、もう、目が虚ろになっていた。



「冬花!しっかりしろ!おい!」



「…あ、り…が…勇、く…。」

そう言って、冬花は目を閉じた。



「冬花っ!?駄目だ!!冬花!!」



「落ち着きなさい!

勇希!アンタが取り乱してどうする!

とにかく、救急車が来る前にふぅちゃんを校舎前に運ぶのよ!

まず、止血しましょう!」


「あ、ああ!」


とにかく止血して、冬花を抱きかかえた。身長や体格を考えても、凄く軽かった。

それに、出血の所為か体温が下がってきているように感じる。



移動する途中で、飯田さんが河野先生を連れて追いついてきた。

どうやら、突拍子も無い話を信じて着いてきてくれたのは、この前のことで冬花の運の無さを目の当たりにした河野先生だけだったようだ。

だけど、校医が来てくれただけで十分だ。



飯田さんはいつの間にか集まっていた野次馬を追い払って道をつくってくれた。




救急車の入って来れる校舎前まで移動、止血してもなお止まらない冬花の出血を危ぶんだ河野先生が


「この前も大量出血したんだし、また大量に出血するのはまずいわ。

最悪の場合、失血死やショック死ってことにもなりかねない…。」


と言った。


――冗談じゃない!!

なんであんなふざけたヤツのせいで冬花が死ななきゃいけないんだ!!







その後冬花は、先生の手によって応急手当が施され、救急車で病院へ搬送された。





うう…。

本格的にストックがなくなってきた。

十八話までは大まかな部分は出来上がってるけど、いつも手直ししながら投稿してるから…。


もしかしたら、そろそろ、一週間に二話ずつ投稿してたのを、一話ずつ投稿、にするかもしれません。

こんな話を読んでくださっている皆さんへ。そうなってしまったら、本当に申し訳ありません。

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