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熟女倶楽部  作者: 瀬田川 廡輪
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第四章〜事情聴取

先進めさせていただきます。熟女倶楽部の秘密が明かされていきます。、よろしくになっていただけましたら幸いです。

各捜査員は、聞き込みとカメラ画像の確認のために散っていった。

死体臭の漂う10平米程の部屋は静寂に包まれた。これなら死者の独り言まで聞こえてきそうだ。

「この部屋はですな」

三枝管理人がぽつりといくように話し始めた。敢えて遺体から目を逸らそうとしているようであったが。

「いわゆる性風俗ですわ」

三枝が顔を上げた。

「性風俗?」

俺が訊き返した。

「ええ。た、ただし違法なものでは御座いません。都から風俗営業法上の許可は取って御座いますし、公安への登録もきちんとしてあるようで御座います。こちらとしてもそれは確認済みで御座いますし」

彼はため息をついた。俺もついた。

「で?」

手帳にメモを取っている制服警官が先を(うなが)した。

「あそこ。玄関先にも看板が下っておりますでしょう?」

三枝が玄関の方を指さした。

玄関は改造されていないらしく、普通の民家と関わりない 造り であった。

刑事のひとりがそこまで小走りに行って確認してくる。

「熟女倶楽部、とあります。熟すの熟に女性の女です」

警部補 に報告する。

「いや。字はだいたいわかるよ」

警部補はぼそりと呟いた。

室内の状況や、その字面から捜査員たちも大方どんな使われ方をしていた部屋なのか…察しがういているようであった。それでも三枝はそれが義務というように付け加えた。

「熟女。いわゆるどちらかというとご高齢の女性を指しますな。そ、その熟女の方々をおこのみになる殿方がですな。ここに一同に会する訳てますわ。」

そこで 三枝が一度言葉を切った。後はご想像にお任せします、とでも言うように。

俺は小さく うなずいた、そうか、それでね──。

室内にいくつか備えられているキングサイズのベッドの意味がようやくわかりかけた。

ベッドマットに敷かれた仕立ての良さそうなシーツは皆、鮮やかなピンク色である。中にはすっかり 血液に染まったシーツもあったが。

警部補が、現場を荒らさないように注意しながら 室内を歩き回った。うーん、と唸り声のようなものをあげながら。

「で、まど容疑者はあがってないのだったな」

俺に訊いたようだった。

「ええ。今、聞き込みに回っています。あと監視カメラ」

ふむ、と喉を鳴らした。

「これはもしかしたら、大きなヤマになるのかもしれん。犯人が見つかるといいんだがな」

「ええ」 

制服警官が答えた。

お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。

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