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社会問題エッセイ

今日から新紙幣! それに乗じた詐欺にも注意!

作者: 中将

筆者:

 本日は当エッセイをご覧いただき誠にありがとうございます。


 「今日から始まる新紙幣」について今回は語っていきたいと思います。


 一万円札は近代日本経済の父である渋沢栄一、五千円札は日本で最初の女子留学生としてアメリカで学んだ津田梅子、千円札は破傷風の治療法を開発した細菌学者の北里柴三郎の肖像画ですが――各個人については他の方に考察を譲ります(笑)。



◇偽造を防ぐために行っている



質問者:

 20年ぶりの新紙幣という事のようですがどうして定期的に新しいタイプになっているんでしょうか?



筆者:

 非常に簡単に申し上げるのであれば「偽札防止」です。

 今回も新しい技術が取り入れられておりまして、国立印刷局のホームページの新紙幣特集から抜粋しますと、


『現行の「すき入れ」に加えて、新たに高精細なすき入れ模様を採用しました。肖像の周囲に、緻密な画線で構成した連続模様が施されています。

3Dホログラムストライプ型のホログラムを新たに採用しました。3Dで表現された肖像が回転する最先端技術を用いています。この技術の銀行券への採用は世界初です。』


 とあるように、ちょっと動かすと顔の位置が変わるホログラムが使われているようです。



質問者:

 へぇ、それは興味がありますね。



筆者:

 ちなみに各国では偽札防止が難しいと見るや最高額紙幣を廃止する方向に動いている国もあるようです。


 令和元年にEUでは500ユーロ札を廃止しています。シンガポールは、令和4年1月、高額紙幣である1000シンガポールドル札の発行を停止。令和5年5月にはインドが2000ルピー札を廃止するなどの措置を取っています。


 アメリカでも100ドル札廃止が検討されたこともありました。

 その点では日本は自信をもって1万円を発行するための今回の新札と見て良いでしょう。(円安で相対的に見た場合世界で価値は下がっていますが)


 一方で新紙幣対応できない券売機も存在しており中小企業の飲食店では財政的に厳しいという話も存在しています。

 ただでさえインボイスでレシートの改定があったばかりの上に、新札が使える券売機は200万円もかかるそうなので負担は大きいようです。



◇いつから使えるのか?



質問者:

 確かに中小企業には大変負担が大きそうですね……。

 ところで、7月3日からすぐに使えるんですか?



筆者:

 このように新札については各紙報じていることから今年中は大変人気が高いことが予想されます。


 大手の三菱UFJ銀行とみずほ銀行ともに、7月4日以降は当面の間1日10枚まで両替手数料無料で新札(新券)に交換できるということです。

 ということで、7月3日に銀行に運ばれるというだけで、今日から大量に交換できるわけじゃないんですね。



質問者:

 へぇ、ホログラムで動くのを見たいから1枚ぐらいは早く持ってみたいですね。



筆者:

 全く話は違いますが個人的には渋沢栄一の肖像画が竹中〇蔵氏に似ているのでちょっと僕は新札が嫌ですけどね(笑)。



◇現金のこれから



質問者:

 新札に伴って今後は現金が使われなくなるかもしれないという可能性があることが指摘されていますけど、それについてどう思われますか?



筆者:

 現時点でのデータを振り返っておきます。


 経済産業省の2023年の発表によりますと、

『キャッシュレス決済比率は堅調に上昇し、39.3%(126.7兆円)となりました。その分子の内訳は、クレジットカードが83.5%(105.7兆円)、デビットカードが2.9%(3.7兆円)、電子マネーが5.1%(6.4兆円)、コード決済が8.6%(10.9兆円)』


 と出ています。



質問者:

 4割って思ったよりも少なくないですか? もっと決済はデジタルのような……。



筆者:

 銀行間の送金などは上記には含まれませんので「現預金」の取り扱いになります。


 NIRA総研の2023年のアンケート調査では、個人の消費支出額におけるキャッシュレス決済比率は、70.6%となっています。


こちらの方が感覚的に近いのではないか? と思いますね。



質問者:

 今後は現金で支払うことは無くなるのでしょうか……。



筆者:

 一方でNIRA総研の2023年のアンケート調査では、

『デジタル給与で受け取りたいと思わない84%』


 と言う統計データもありますので預金への信頼と言うのは高いと思います

 

 お悔やみの際にキャッシュレスというわけにはいかないだろうと思います。

 また、賽銭などやお年玉などを「風流を感じたい人向け」になる。 


 ただ、キャッシュレスだと「お金を使った実感がない」といった感覚から使い過ぎの可能性もあるために「敢えて現金を使う」と言った層も存在すると思いますね。



質問者:

 なるほど、そういった利点は現金にはありますよね。クレジットカードだとつかった感じは確かにあまりしませんから……。

 


◇旧札は使えないのか?



質問者:

 ところで新札になると旧札の福沢諭吉などの旧札は使えなくなってしまうのでしょうか?



筆者:

 都市伝説業界では「旧札のあぶり出し」と言ったことがよく言われているのですが、

 旧札も問題なく使えます。


 日本銀行の「その他有効な銀行券・貨幣」のページによりますと、

 一番古いのですと1958年12月発行開始、1986年1月発行終了の聖徳太子の肖像画の1万円札までは使用可能のようです。


 ただあまりに古すぎるお札は自販機などは通らない可能性がありますし、

 若い方なら知らないかもしれないので“偽札”と思われるかもしれません。

(夏目漱石の1000円札を知らなかったバイト店員がいたそうです)


 また、銀行などからは“どこに隠し持っていたんだ?”と言われる可能性もあると思います。

 

 しかし、福沢諭吉の1万円札ぐらいまでなら問題なく取り扱われると思います。



質問者:

 なるほど。60年以上前の紙幣が使えるとなると、かなり長く使えるという事なんですね。



筆者:

 このために「新札に伴って旧札は使えなくなる!」と言う人がいるのですが、

 それは100%デマだという事をご留意いただければと思います。


 独立行政法人国民生活センターの「新紙幣発行に伴うトラブルについて」と言うページによりますと、

『「旧紙幣は使えない」、「新紙幣と交換する」などと言って、紙幣をだまし取ろうとする(以下のような)事例の発生が予想されますので、ご注意ください。


・「旧紙幣が使えなくなるから」と言われ、交換を求められた。

・「その新紙幣は偽札だ」と言われ、交換を求められた。

・金融機関の職員を装った者から「新紙幣と交換する」と言われた。』


 とこのような注意喚起がなされています。

 詐欺師はいつもこういった新しい事象を利用しがちなのでよくよく調べた方が良いですね。



◇預金封鎖は起きない



質問者:

 そういえば、このタイミングで「預金封鎖があるかもしれない」というエッセイを昨年4月頃に筆者さんは書かれたと思うのですが、それについては大丈夫なんですか?



筆者:

 (ギクゥ!)


 い、今にして思うと完全な“煽り“や”飛ばし記事“だったという事を認めざるを得ません。

 あの記事を見て驚かれた方は申し訳ないと思います。

 ここにお詫び致します。


 振り返って、どうしてそう思ったのか? と言いますとそれだけ今の日本政府が日本国民を苦しみ続けている政策を都合の良いことばかり言ってリスクを説明しないことがあまりにも多すぎるからです。



質問者:

 戦後に預金封鎖があったようですけど、結局どうして起こってしまったんでしょうか?



筆者:

 あの当時においては、外地から日本兵の方々が帰ってこられたにもかかわらず、日本全国が空襲などにより生産能力が壊滅的な状況でした。

 そのために供給不足となり月の物価上昇率が100%に達するなど完全なるハイパーインフレが起きている状況だったんですね。


 預金封鎖、財産税、通貨リセットこの3つが昭和21年2月17日に同時に法律が制定・施行しました。

 今のお金で体感して見るとこれまでの1万円札は新紙幣では1000円としか交換できないという状況になり、預金している銀行からは最大9割が課税されるという状況でした。(ただ、アメリカが支援して供給力が復活したためにこの政策が成功だったかどうかは疑問)



質問者:

 それと重なる可能性って言うのはあったんでしょうか?



筆者:

 僕は台湾有事が発生し、日本近海の海上封鎖があれば月100%の物価上昇もあり得ると思ったので“可能性はゼロではない”と思っていました。


 しかし月2,3%程度のインフレ率で預金封鎖、財産税、通貨リセットはあまりにも整合性が取れず国際社会からの批判が大きすぎると思うのでやることは無いでしょう。


 ただ、日本円と言う貨幣の価値はこの2年ほどで随分棄損してしまったので「静かなる有事」と言う見方で良いと思います。

 まぁ、財務省としてみれば貨幣価値が下がることでこれまで借りた国債の価値が下がることをある意味狙っていると思いますので「思う壺」と言う感じですね。



質問者:

 台湾有事は起きそうだと言われつつも起きていないという感じですね……。



筆者:

 台湾有事は中国経済の崩壊し、その失政を海外に向けるために行うと思っていたので、中国経済をウォッチしていましたね。

 ただ、中国経済もBRICSの加盟国が増えるなどデカップリングによって意外と耐えている印象なので当面の間は起きないのではないかな? と言う感じですね。



質問者:

 中国経済は“GDPを盛っている“と言う話もありましたが、やっぱりあれだけ大きな国だと中々倒れないという事なんですね。



筆者:

 そういうことですね。


 そう言えば、23年4月のエッセイ時点で24年7月3日に何もなかった際に“危機を煽った奴め! ハハハ!”と笑い飛ばしてくれと書きましたので、

 

 これを機に是非とも僕のことを笑い飛ばしていただければと思います。


 ただ、そのように邪推しなくてはいけないほど政府が信用できない状況だとも言えるのは本当に政治家は罪深いと思います。


 お金をくれる団体、宗教組織、会社などの方にしか向いておらず、私腹を肥やし、国民本位の政策を実行していないことが問題です。


 このような風説の流布が全く通じなくなるぐらい健全な政治になることを心から望みますね。

 

 という事でここまで新紙幣についてのコンテンツをお送りさせてもらいました。

ご覧いただきありがとうございました。


 皆さんがご覧になって下さるのが、とても励みになっています。


 この様な時事ネタや政治の話題について毎週書いておりますので、よろしければまたご覧ください。

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