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4.市場と自由とデート

タイトル変更について、活動報告をお読みください。

お手数をおかけします。

ヴァルトロメオ侯爵邸から離れた中央広場ぞいに市場が並ぶらしい。

赤い煉瓦のタイルが美しく嵌め込まれ、街道は美しく舗装されている。

糸杉の並木道を二人で歩く。



アレクサンダーはソフィアに無理矢理にもたされたリュックと、トートバックを装備している。

嫌だったらしく。始終、顔をしかめてた。


「お似合いですよ?」

「似合って、たまるか!」


ジュードとしては、勝手に結婚届けを出された嫌がらせに、彼の不機嫌を少し楽しんだ。


並木道をぬけると、円形状の巨大な広場が現れる。中央に歴史的を積み重ねたであろ、巨大な鐘な時設置された時計塔がそびえたつ。


あそこには、酒好きの吸血鬼が住んでいる。などと、時計塔を指してアレクサンダーが冗談をいう。


時計塔の周りを百を超えるテントが埋め尽くす。極彩色の森を作っていた。


子供達がかけまわり、スパイスの香りが屋台から立ち昇る。


Ωのフェロモンが強かったジュードは身の安全の為に外出は控えていた。


「市場に初めてきます」


「そうか……薬が抜けてないのに強引に誘って、悪かった」

催淫剤を飲んだことを気にしているのだろう、強面のアレクサンダーが、何かと世話を焼く。


ジュードは干渉が嫌いだ。

でも、アレクサンダーに気にされるのは嫌じゃない。何かくすぐったい。


「Ωですので、人混みは避けてきました。貴方がいると心強いですよ」


自由に、どうどうと道をあるける。

これが番のαがいると言うことか。


フェロモンが強く、常に警戒をしていたジュードにとって、それは嬉しかった。

優しく微笑むジュードにアレクサンダーは、顔を逸らす。


自分の番は、強引の様で実はシャイらしい。

ほほえましい。と、思う。

αに嫌悪感しかなかった、ジュードにとって強い変化だ。


多国籍国家アルゼントュムの市場には多種多様な人種が行き交い、様々な屋台が店舗を広げ、数え切れない物流が行き交う。


家畜から最新の医療器具まで幅が広い。

ただ一つだけ変化があった、アレクサンダーが通りに、現れると人が波のよう押し寄せては引き返す。


彼は予想以上に市民に愛されて、帰る頃にはリュックとトートバック一杯のお土産を持たされた。

道ゆく人が美しいジュードを讃えては、話しかける


アレクサンダーは、この国に二番目に強い軍人だ。剣聖カルエラの一番目の弟子だと道ゆく人が教えてくれた。


誰もモナークの名前を口にしない。

公式にはモナークが一番弟子のはずだ。


ジュードは普段、ヴァルトロメオ侯爵邸とソフィア直属の秘書官として省庁に出入りをしてΩゆえに市街には足を伸ばさなかった。


そこには、データ以外のアレクサンダーの情報をあった。ジュードは彼の事を余り知らない。


ジュードは、ヴァルトロメオ侯爵邸とソフィア直属の秘書官として省庁に出入りをしている。

Ωゆえに市街には足を伸ばさなかった。

そこには、データ以外のアレクサンダーの情報があった。


通りがかりの一人が金色の三つの目が書かれた紙をジュードに渡す。

「炎帝黄河様のお守りさ」

天界一の武神の名前だ。

「モナークの呪い付き、千本腕のアリスに気をつけるんだよ」

隣でアレクサンダーがピクリと肩を揺らした。


アレクサンダーは予想以上に市民に愛されて、帰る頃にはリュックとトートバック一杯のお土産を持たされた。

それでも、何処からか声がかかる

「ザーシャ!番ができたんだね。おめでとうさん。ほら、好物のオレンジもってきな」

一抱えはあるだろう袋を渡された。

今日、何回目か分からないやり取りである。街ゆく人は彼を愛称で呼び、ことある毎に声をかける。


「悪りぃ。悪目立ちしたな」

アレクサンダーがすまなそうに、ジュードに声をかける。その割には、その顔には笑みが見て取れた。


「あなたを愛してる人が多いってことですね。これは人徳ですよ」

ジュードの言葉にアレクサンダーが、嬉しそうに破顔する。


彼は表情に乏しく、初対面の相手はたいてい無愛想、無口で怖い印象を与えるらしい。しかし、親しくなるとすごく陽気で表情豊かだ。

「ジュード!ほらよ!」

アレクサンダーがジュードにオレンジを投げてきた。ジュードはあわててキャッチする。

「休憩しませんか?」

ジュードがベンチに手招きする。

そうだな。とアレクサンダーが隣に腰をおろす。


道行く人はみな、笑顔で。行き交う人間は、素朴な服装だが清潔にしている。物乞いや孤児はいな。

行政がただしく動いている証拠だ。


「この市場はお気に入りでさ…俺は戦場に立つと殺人機械になる。

大切な何かが、壊れて言葉がでて来なくなるくらいに。

だからさ、市場の皆の顔や声や大好きな場所を目に焼き付けておきたいんだ。これが俺の守る場所だって」

ジュードは、オレンジをひと房掴むとそのまま口にいれた。甘酸っぱい味が口いっぱいに広がる。

思わぬ発言にアレクサンダーを見つめる。


「それは……私にとっても大切なことです」ジュードの言葉にアレクサンダーは優しく目を細めた。

その、彼の表情に釘付けになる。そんな顔を向けられたのが初めてで、顔が熱くなるのを感じた。


「ジュード、どうした?」

「いえ……私は貴方を誤解していたようです」

「ああ?どんな風に?」

「貴方は……もっと怖い人かと思っていました。でも、貴方はとても優しい」


ジュードの言葉にアレクサンダーは照れたように笑う。その笑顔に胸が高鳴るのをジュードは自覚した

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