表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/44

秘密の話②



アラックスくんは名生くんの亡骸を大事そうにかかえていました。


韓国で完璧な整形手術をしてアラックスくんは名生くんの顔を手に入れました。


友情を超えた愛情が彼をさらに困惑させ増しみを倍増させた。名生くんが亡くなってからというものこの人狼ゲームは更にエスカレートしていった。


人狼ゲームの開催は増え続け、死者も増え続けた。


こんなバカなことはもうやめようと私は何度も説得をここみましたが、自分に逆らえばもう一人の娘の命もないと脅されました。だから私はアラックスくんのいいなりになるしかなかった。


「もう一人の娘?」


上の娘はこのゲームで死にました。穂香の姉の早紀です。


「ゲームでってことでいいんですよね?あの、さっきから違和感があるの。ゲームでは死んでるけど、実際には生きてるってことですよね?」


まあ、話を聞いてください。

名生くんは死ぬ間際「話が違う」と言って亡くなりました。

おそらく名生くんだけは例え追放されたとしても処刑はしないという約束だったんでしょう。その二人の約束を切り裂いたのは私です。


沖田は横たわるアラックスを見下ろす。そして記憶をたどるかのように目を閉じる。


(人は勝手な生き物だ。だから人ではない生き方を選んだ。俺は人の顔をした狼になりたい。つまり人狼に。だけど俺には無理なんだ。持って生まれた運命には逆らえない。そんな強運はない。だから人狼をこの手で作り上げることにした)


目を開ける沖田。


アラックスくんがそう言っていたことがあります。背格好も思想も似ていたアラックスくんと名生くんはお互いをリスペクトしていた。


アラックスくんにとって名生くんは心のよりどころだったんでしょう。


(こいつなんかむかつくんだよな。ケタケタ)


(もう、その変にしとけよ。先生に見つかるぞ。ハハ!)


(マジこいつの顔みるとムカムカするぜ。ケタケタ)

 

(お前の笑い方のがむかつくよ。ハハ!)


レスラーマスクをかぶった少年が現れる。


(弱い者いじめをしてるのは君達かい?ギブアップさせてやる)


(またお前か!めんどくせーからあっちいけよ)


(勝負しろ!)


(わかったよ。うぜーな。ケタケタ)


ケタオと化け物ちゃんは帰っていった。


レスラーマスクをかぶった少年は半べそをかく少年を見つめる。


(お前は変わらないな)


(お前もな)


半べそ少年はレスラーマスク少年を見て笑った。心は救われた。


(お前はプロレスラーになるんだ)


半べそ少年はそうつぶやいた。


沖田は横たわるアラックスを再び見下ろす。


(生きる価値がある人間と生きる価値のない人間。それを民意で決める。その考えが間違っているとは思わない)


どんな理由があるにせよ、どんな価値観があるにせよ、人を殺すゲームなどあってはならない。だから私は彼を処刑しました。


おもむろに内ポケットから一枚の写真を取り出す。


「この写真は・・・」


見覚えありますか?

名生くんがいつも大事そうに持っていた写真です。


「お母さん、矢代さんが持っていた写真と同じよ」


「名生・・・」


鹿原良子は写真をみるなり、腰から崩れて泣き出した。


サクラは複雑そうな顔でこの光景を見ている。

 

「すごく違和感があるの!沖田さん。お兄ちゃんは生きてるの?死んでるの?」


私が処刑しました。


「そういうんじゃなくて、リアルな話をしてるの!ゲームじゃなくて現実世界で生きてるのかってこと!」


私が処刑しました。


首を横に振り不信感をつのらせるサクラ。


「・・・沖田さん、矢代さんはどこ?人狼ゲームで行方不明になった人はどこにいるの?矢代さんはどこなの!」


沖田はしばらく黙り込み、やがてゆっくり口を開いた。


矢代はこの仕事を頑張っていましたか?











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ