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幸福の話


数年前。


今日は雨のち晴れか。

晴れのち雨かどっちでもいい。

外の雲を見て癒される。

雨が降っている日も嫌いじゃないし、雲一つない快晴の日も嫌いじゃない。

ただ雨が降りそうな曇った空と、雨が止んだ後のまばらな雲になぜか心癒される。


「なんで?」


陳腐な質問だった。

人それぞれ価値観はある。

答えられない理由もある。

好きなものは好き。

理由などない。

あったとしても言いたくない。

そういう考え方を持っている。


「相変わらず気むずかしい奴だな」


人のことなどかまうな。

自分のことだけ考えろ。

そう言いたくなるが世間がそれを許さない。

見返りを求めない愛などこの世にはない。

損得感情だけで動くのが人間というものだ。

平気でそれを隠そうとするのもまた人間。

こんな世の中を作ったのは誰だ。


「世間だよ。一人一人だ」


こんな世の中で幸せか。

そんな質問などはしない。

こんな世の中だろうが、どんな世の中だろうが、何年前も何年先もこの感情は変わらないだろう。

理解してもらえないのだ。

この現状を不思議と思う人も過去にはいただろう。

それでも瞬間瞬間の感情を押し殺し、人間はいとも簡単に幸にも不幸にもなる。

自業自得。

人間というものは実に厄介な生き物だ。


「幸せとは?」


幸運であること。

運のある奴だけが生き残れる。

生きるも死ぬも運しだい。

即座にそう答えると感心される。

なぜだろう。

強い弱いの弱肉強食など関係ない。

すべては運だ。すべては決まってる。

例え岩でも砂粒でも水に沈むのは同じ。


「その言葉好きだな、アラックス」


幸運こそがすべてだよ、オカッパ。








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