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兄は人狼④-2


「おはようございます」


「ハイドがいない」


「それでは話し合いをしてください」


「人狼に襲撃されたってこと?」


「・・・ハイドは人狼じゃなかったってことだ。KPは?」


「それがさ・・・「人狼ではない」ってメッセージにでたんだ」


「やっぱり。ケタケタ」


「どういうこと?」


「ミスリードだ。ただのつまらない男の罠だ」


「ただのつまらない男は誰を占った?」


「横浜を占ったよ。「霊媒師」とでた」


「霊媒師?」


「あ、ああ。俺は確かに霊媒師だ」


「なあ?アラックス。「人狼ではない」とでる以外にメッセージはあるのか?占った奴のカードを見れるとか?」


「それはお答えできません」


「なるほど。「霊媒師」とでたのか。ケタケタ」


「ちなみに人狼同士はお互いを知っています。狂人は誰が人狼かは知りません」


「とにかく人狼はまだ五人の中に二人いるってことだ・・・」


「人狼有利だな」


「それでは話し合いをはじめてください」


「話を整理しよう。人狼だと思っていたKPは人狼ではなかった。そうなるとKPに投票した人間が怪しくなる」


「ただのつまらない男、アラマノ、オカッパ、ハイド、それから俺だ」


「横浜」


「人狼ではないKPに唯一投票しなかったケタオは信用できるかもな」


「と、なると俺は霊媒師確定だな。占い師であるただのつまらない男に占われてるから」


「KPが本物の占い師だったって可能性はないのかよ」


「それはない。なぜなら俺が本物の霊媒師だもん。ほら」


カードを見せようとする横浜。銃口を向ける店長。


「・・・あっ、いや。見せてないから」


「これもミスリードじゃないか。横浜は確か投票前に霊媒師と名乗ったよな。それなら偽物でも占い師はなんとでも言える。それにもし横浜が霊媒師じゃなかったとして、ただのつまらない男とグルということにもなる。ケタケタ」


「ただのつまらない男と横浜が人狼ってことか?」


「その可能性はある」

  

「俺は霊媒師だって!あの状況でKPが占い師って出て俺が霊媒師って出るのは自然な流れじゃないのか?嘘つきがそんな訳の分かんないことするかよ」


「狂人だったらありえる。人狼側だからな」


「俺は霊媒師だ!おい!霊媒師他にいるなら出てこいよ。KPがなんだったのか言ってみろよ!」


沈黙。


「誰もいないな」


「ほらみろ!俺は霊媒師だ!」


「横浜とKPが人狼コンビって可能性はないか?霊媒師みずから嘘ついて!」


「わけわかんないぜ・・・」


「横浜が霊媒師。とりあえずその線で行くとして、疑わしいのは黙りっぱなしのオカッパだな」


「また俺か・・・」


「まだ人狼が二人いるなら今回が山場だ」


「ゴーン」 


柱時計の音。

 

「それではそろそろお時間です」


「どうする?横浜」


「そうだな。俺が信じられるのはただのつまらない男だけだしな。アラマノ、オカッパ、ケタオの三人から選ぶしか・・・」


「発言聞いてるとケタオは人狼じゃない気がする。となるとアラマノかオカッパ」


「そういえば騎士は誰守ったんだ?」 


「騎士はたぶんいない。ハイドだったと思う」


「なんでわかるんだよ」


「前回あいつは騎士だった。今回もおそらく騎士だ。「騎士は誰を守ったらいい」最後にあいつはそう言った」


「騎士じゃなかったらそんなこと聞かないか・・・」


「なあ?もし他に騎士が居るんだったら占い師の俺か霊媒師の横浜を守ってくれ!いいな」


「それでは投票をお願いします。ただのつまらない男から」


「俺はアラマノにいれる」

   

「なんで俺なんだよ!俺は市民だ」


「市民カードがどういうカードが分かってるか?」


「・・・市民って書かれてるカードだよ!」


「そうか・・・」


「意味あんのか、その質問」


「どうやら本当に市民のようだ。ごめん。投票先をかえる」


「ただのつまらない男。一度投票した人を変更することはできません」


「おい!今さらそんなルール作るなよ」


「もともとそういうルールです。皆様には殺し合いをしていだだきます」


「わかったよ。俺は前回市民だった。もしアラマノがおかしな言い方したら、例えば「えーっと」「うーんっと」みたいなリアクションしたら怪しいと思ってそれでカマかけたんだ。でもあいつは堂々と「市民と書かれてるカードだ」と答えた。信用できる。疑って悪かった。アラマノ」


「そ、そう言う事か。なら仕方ねえな・・・」


「では次はアラマノ投票してください」


「なんてこと言うとでも思ったか!大した理由もなく俺を疑いやがったな!俺はこいつにいれる。俺を疑ったからだ!ただのつまらない男」


「おいおい!冷静になれよ。悪かったって・・・」


「それでは次にオカッパ投票してください」


「俺は・・・」


「大事なとこだからな。オカッパ冷静に」 


沈黙。


「オカッパ早く投票をしてください」


「アラックス」


「なんですか」


睨みつけるアラックス。


「・・・いや、なんでもない。俺はケタオにいれる」


「なんで俺?」 


「・・・あ、足並みをそろえないところが人狼っぽいなって。KPを投票する流れで唯一反対の意見を言っただろ」


「は?今さら何言ってんだ。だから俺はこのゲームよく知ってんだ。最初に疑われる奴はだいたい人狼じゃないんだ。案の定人狼じゃなかっただろ!」


「でも、もう投票しちゃったし・・・」


「それではケタオ投票してください」


「オカッパのせいでややこしくなったが俺の予想ではただのつまらない男が狂人でアラマノを人狼とみてる」


「お前まで!」


「なぜなら俺が市民だからだ!ケタケタ」


「は?」


「市民はアラマノじゃないのか?」


「なんで今さらそんなこと言うんだよ!」


「いや、聞かれなかったから。ケタケタ」


「いやいや、俺とKPの話合い見てたよな。本物なら弁明するために名乗りでるんだよ」


「泳がせたんだ。あの状態で出たらみんな混乱するだろう?アラマノが市民と言った時点で本当の市民の俺からするとアラマノは人狼か狂人。その後にただのつまらない男とKPの占い師対決。これもまた人狼か狂人のどちらか。KPが人狼じゃなかった時点でただのつまらない男が人狼か狂人ということになる」


「なんかよくわからんくなってきた・・・」


「ケタオそろそろ投票してください」


「アラマノはただのつまらない男に投票して、ただのつまらない男はアラマノに投票してる。お互いが投票し合ってる。殴りあってるってことはつまり人狼同士ではないということだ。今回追放したのが人狼であればいいが、そうでないと市民チームは負ける。面白いね。ケタケタ」


「どうするよ」


「決めた。ただのつまらない男に投票する」


「ケタオ。なんで俺に。占い師だぞ」


「理由はミスリードを仕掛けたからだ。それに「人狼ではない」という文言以外に「霊媒師」と役職名を知らせるのはルールとして聞いたことがない」


「いいや!ケタオの考えは間違ってる。KPは狂人だったんだ。人狼ではないってことは狂人の可能性もあったってことだろ?それに「霊媒師」というメッセージを俺は確かに見た!ゲームマスターのアラックスは独特のルールを持ってるから」


「それでも俺はお前に投票する」


「最後に横浜投票してください」


「えー!全くわからん」


「重要なとこだぞ!」


「市民って後で言い出したケタオがめちゃくちゃ怪しいんだけど・・・なんか言ってることは市民チームっぽいんだよな・・・ただのつまらない男に二票入ってるってことは票が割れる可能性があるってことか。そういう場合がどうなるんだ?」


「決戦投票です。疑われていない方で再び投票していただきます」


「ただのつまらない男に二票、アラマノに一票、ケタオに一票入ってるか・・・ただのまらない男以外に入れるとしたらどちらか」


「ゴーン」


再び柱時計の音。


「わかった。ケタオに入れる。やっぱり最後に市民は無理がある」


「これで全員投票したようです。投票の結果、ただのつまらない男二票、アラマノ一票、ケタオ二票。ただのつまらない男とケタオが同数ということで決選投票を行います。一票も投票されていないオカッパ、横浜で再び投票してください」


「頼むぜ。横浜」


「あ、ああ・・・」


「では、オカッパ投票してください」


「自分本物の市民なんで。嘘つきのケタオに」


沈黙。


「えっ?オカッパ市民なの?」


「は?オカッパ何言ってんの?市民はアラマノかケタオじゃ・・・」


「市民は俺だろ!」


「アラマノ」


「いや、俺だ!ケタケタ」


「ケタオ」


「実は俺」


「オカッパ」


「最後に横浜投票してください」


「あ、ああ・・・市民三人って・・・」


「ケタオに入れたら市民勝てるぞ!横浜」


「あ、ああ・・・」


「どうした?」


「申し訳ない。ただのつまらない男。お前を疑う理由はないんだが遠い昔お前にいじめられたことを思い出したよ・・・」


「はあ?何お前、今はそれ関係ないだろ!自分の感情を入れるな。勝負の時だぞ」


「頭ではわかってんだけどさ・・・でもな、心ではそういかないんだ。例え勝負に負けても後悔だけはしたくない」


「何言ってんだ!個人的な理由でみんなを犠牲にするな!みんな死んじゃうぞ!ケタオに投票しろ!」


「申し訳ない。なんか違和感があるんだ・・・その理由は自分でもわからないんだけど・・・申し訳ない」


「いじめてたのは悪かったって散々謝っただろ。何十年も前の話を掘り返すな!」


「例え岩でも砂粒でも水に沈むのは同じ」


「アラックス・・・」


「何わけのわからないこと言ってんだよ!いじめられる方にも問題があるんじゃねーの!」


「・・・」


「あっ・・・いや、今のは言葉の例えだ。撤回する。ごめん・・・」


「ただのつまらない男に投票します。個人的な理由ですが、ずっと心のどこかで恨んでました」


沈黙。


「いいでしょう」


「そんな理由認めてたまるか!」


「それでは投票の結果、ただのつまらない男一票、ケタオー票。また同数です」


「どうなるんだよ・・・」


「弱りましたね。では、せっかくですからアラマノ投票してください」


「ただのつまらない男だ!いじめするなんざ生きてる価値ねえよ。マジでつまらない男だ」


「おいおい!そんな理由で・・・いじめっ子なんて世の中ざらにいるだろ!殺されるほどの罪かよ!」


「立派な理由です」


「マジか・・・」


「ただのつまらない男二票、ケタオ一票。よってただのつまらない男を追放します。何か言っておきたいことはありますか」


「・・・だいたい、いじめいじめって俺だっていじめられたことあるよ!そんな小さいことでゴタゴタ言ってんじゃねぇよ!お前ら全員呪ってやるからな!人の命は尊いんだ!横浜!末代まで呪ってやるからな!いじめごときで根に持ちやがって!」


「小事は大事」


「アラックスの言った通り友情なんて必要ねぇよ!このクズ共!」


「そっくりそのまま返してやるよ!ただのつまらない男!」


「人は鏡ですね。店長」


銃声。








・オカッパ

・ただのつまらない男 ✕

・ケタオ

・KP×

・ハイド×

・横浜

・アラマノ




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