夜明けの響き
…まもなく、夜が明ける
夜は、朝に…飲み込まれてゆく
朝日に照らされて…夜が、うなる
まだ、夜で在りたいのだと
まだ、夜を続けたいのだと
まだ、夜は明けていないのだと
……夜明けに耳をすませば、聞こえてくる
凛として闇を誇った夜の…往生際の悪いつぶやき
またたく星を背負った夜の…情けないぼやき
……夜明けに響く、夜の嘆き
夜に憧れる誰かを、呆れさせるような
夜に生きる誰かを、幻滅させるような
夜に焦がれる誰かを、興醒めさせるような
……夜明けの響きに気づく者は、どこにもいない
夜は、いつまでも…人々に弱さを見せない
夜は、いつまで経っても…人々の憧れとしてあり続ける