星躔に纏うロマン
ガチヒサ
従前までいた村、承継のノリドから進みシリウスが根城にしている村。星躔に纏うロマンという名称で呼ばれる村。ロマンの付近にクルーウ達は安着した。
ゾネは、ロマンに安着する道程の中でシリウスの人数、かいか持ちの能力を全てをクルーウ達の教えていた。ロマンは、ノリドよりは、発展していなく、木造の建物が続いている。道は土できている。
現在クルーウ達は、ロマンから少し離れた森の中に身を潜めている。
クルーウ達は今森の中の少し開けた場所にいた。リベラは白いナイフと爆弾を広げて手入れをしていた。
「そのナイフは何でできてるの?」
白いナイフは金属では無いクルーウから見たら未知の物質で出来ていた。とても摩訶不思議な物だった。
「……秘密」
リベラは語尾にハートが付きそうな声で話しながらナイフをスカーフの中のナイフ入れにしまった。
「クルーウ。これから知れるよ」
頭にハテナを浮かべるクルーウに向かってリベラは大丈夫という意味を込めてクルーウに言った。
「これからどうするの?」
クルーウがリベラ達に質問を投げかけた。
「まずは君の能力理解を深めよう。戦い前の準備は大切だからな未熟者」
ゾネはクルーウを立ち上がれさせた。
「それじゃあ、最初は君の炎の威力の振れ幅と射程距離の広さだ。まずは炎を空虚に向かって撃ってみてくれ」
クルーウはリベラに顔面目掛けて炎を撃ち放った。リベラの顔面に直撃しそのまま燃え続ける。
「ハハッ!質問を蔑ろにした罰だぜッ!ゴミカスリベラッ!」
「今やるかッ!普通よぉ!」
炎を顔面に纏い続けるリベラの顔がどんどんと再生していく。まるで何事も無かったようにリベラは、再生していた。
「クルーウ。君最初に会った時よりとても自由度が上がっているじゃないかぁ。……素敵だよ」
そういい、リベラは、クルーウを子供の成長を見る親のように優しいく暖かい微笑みを浮かべクルーウを見つめていた。
ゾネは、リベラの無視し話を続けた。
「ウむ、今のが射程の最大なら五から六メートルぐらいだな、炎の射程距離の広さね。能力慣れすると射程距離もっと伸びるかもね」
「へぇー、そうなんだ。ゾネのは強くなれないの?雑魚いし?」
「うるさいねぇー。私のは最初からこれなんだよ。はぁ〜……能力によって違うんだ」
ゾネはため息をついた。
「次は忌々しい君の血が燃える奴ね。君のは血しか燃えないの?唾液でもだしてみろ……」
クルーウは、そう言われるとリベラに向かって吐き出した。リベラはサッと避けクルーウの右腕を捻た。肘から骨が露出した。
「イッテェッ!」
クルーウは急な痛みに悶絶した。右腕を見たが、何も傷ついていなかった。
「アハハハッ、これがわたしのかいか。名はロベリア。死以外の異変を全て再生することができる。最高峰のかいかだ」
自慢する子供が如く。自分のかいかを楽しそうに紹介した。
「ケッ!ふざけた能力だな。何で治ることに恐怖するんだよ」
「さぁね、わたしも受け継いだ能力だからそこんとこ知らんの。知る方法もないんだけど」
リベラは気持ち悪い薄ら笑いを浮かべていた。
「死人に口無し。耳も無し。語ることもましてや聞くこともできないんだ。どうでもいいったらありゃしない」
ゾネが急に割り込み話を終わらそうとした。
「それより、私は一刻も早くシリウスを潰したいんだよ」
「なら、こんなところで蹲っているよりもロマンに行こう。これから死ぬ奴らの顔面も拝んどきたいからね。わたしの顔は割れてないし」
リベラが笑いながら提案した。ゾネは少し考えた後。
「いいんじゃない。私は、クルーウの影にいるから。リベラより安全そうだし」
「えぇー。俺の能力確認はいいのかよ。まだ自己分析が済んでないぜ。敵を知る前に己を知れ。次味方。俺理論によるとこうなってるぜ」
「興味なければ、全てゴミ。クルーウ、きみの事なんかよりわたしはこれから殺せる奴の顔を見ときたいの」
リベラはご機嫌にロマンの方に歩いていった。
「さっき教えたとおり、シリウスメンバーの特徴は星だ……」
ゾネはゆっくりとクルーウの影の中に入っていった。
「わたしは楽しい事は一人で楽しむ人間だから。一人で見るから、またあと〜」
リベラは意気揚々にとロマンの方に進んでいった。クルーウは一人ぼっちになった。ゾネは一様いるのだが感覚的に孤独なっていた。
(とりあえず、リベラと逆の方面からロマンに行こう)
ロマンの道は土で出来ていてる。道を左右に木造の建物が続いている。クルーウの育った村よりも発展していた。
(さて、どうするか……情報収集は酒場が定番とういうのが常識だし)
クルーウは酒場を探すためにロマンを歩いて探す。人通りは少なく少しだけ閑散としておるがすれ違う人々は元気そうであった。歩き続けていると酒場のような場所に着いた。上の看板には星。五芒星で線が繋がっているように出来ていた。扉が無く外から店の中が見れるようになっていた。店の前には、酔い潰れたのか初老を迎えたぐらいの男が店の前で眠っていた。
ロマンと書かれてる看板も出ていた。
(絶対ッ!シリウスの隠れ家じゃん!どうしよう入るべきか、入らないべきか……)
クルーウは、前屈みになりながら慎重に店の中を覗き込んだ。店の中には初老の屈強な男達が十人ぐらい酒を飲みながら談笑している。店の奥のカウンターで還暦を迎えたぐらいのヨボヨボの男が客に酒を出している。マスターだろうか。
(ちくしょうッ!こういうってなんか緊張するな……)
クルーウは、いざ覚悟を決め店の中に入る事を決めた。
クルーウは、店の中へと歩いていく、店の中の屈強な男達が一斉にクルーウの事を珍しそうの見る。店に新規の客が来るのは、珍しくまた十代後半の若造だったためである。
クルーウは、足早にカウンターの方に向かい、還暦ぐらいのマスターに向かって聞いた。
「……ッシ」
シリウスって言いかけようとしたがさすがに不味いし、まず何か注文した方がいいのかと思い止まり。
「茶ってあるうッ!」
(これが、俺の限界値ッ!)
少しの静寂の後、男達が豪快に笑う。ガハハハッ!と笑う。
屈強な男達の一人がクルーウへと近いずていく。クルーウの頭を掴み、カウンターへと叩きつけ擦りつけた。クルーウの鼻に酒と木の匂いが一気に迫ってくる。
「ガキャアが、ッこんなところに来るっんじゃあねようッ!ガハハハッ!」
男達がそれに合わせて、さらに豪快に笑う。
(……殺そう)
クルーウの脳髄にそんな言葉が浮かび、右の掌を、男の方に向かせる。
(……こういうので躊躇する奴は、俺は、嫌いだ。ハイド……)
「オラッ!」
刹那の間。甲高い声が響いたと思った。刹那の間。カウンターへと屈強な男が頭をぶつける。
男の後頭部には、足が乗っている。足の正体を確かめるためクルーウは、顔を声が聞こえた方に向ける。
青い夜のような髪を靡かせ。髪に掛かった。その隙間から青い夜のような瞳を輝きさせる。右眼には黒い眼帯が通っている。
「誰が、この店で暴れていいっていんだッ!アァッンッ!」
黒い眼帯には、星が輝いていた。