輝きだした星々
二十一時位
「おはようぉー!」
リベラの馬鹿でかい声に起こされ、クルーウとゾネは、飛び起きた。ゾネは、縄で括り付けらている。
夜の帷は、完全になくなり、暁が見え始めた時だった。
あの一夜の戦い後、クルーウ達はゾネを気絶させクルーウの泊まっていた、宿に入りクルーウは、リベラに任せ。すぐさま眠りについた。リベラは、戻ってからもずっと起きており、ゾネを縄で括り付け、逃げないように監視していた。
「とりあえず……これについて教えて……」
クルーウは右の掌を燃やし、リベラに向かって問いただした。
「ヘイッ!それでは、教えてやんよぉッ!」
リベラは何故か五月蝿い声で言った。
「まずこの能力は、かいかと呼ばれているんだぁッ!この能力が開花する条件は、ただ一つ死ぬことだぁあああ!」
リベラは急に大きな声と共に拳を天井に振り上げた。クルーウはビクッとした。
「誰でも、なれるのお……?」
クルーウは怪訝な面持ちで問いかける。
「そういう訳じゃないんだなぁ……これがぁ……」
リベラはクルーウを嘲笑った顔と声で返した。
「かいかが開花するのは、運と血なんだよッ!そうかいかは、一つは、運だ。これは、本当に見ない。運で開花した奴なんて少ししか見たことがないんだ。もう一つは、血だ。これは、血統から受け継いだ物だ。つまり自分の両親のどちらかが開花しているのなら、血と魂が結ばれているのなら、かいかするんだぁあああッ!」
「五月蝿いよッ!もっと声を落とせぇッ!」
リベラは一度深呼吸をし、そして嬉々として話を続けた。
「ここからは、かいかの真骨頂を教えるよおぉ……」
リベラは気持ち悪い笑みを浮かべている。
「かいかした対象者に実る能力の由来は、恐怖だ……」
リベラはさらに気持ち悪い笑みを浮かべて続ける。
「かいかは対象者が、これまで生きてきた中で最も戦慄し慄然し畏怖し恐怖した物に由来するッ!。その血と魂に刻み殴られ陵辱された物がかいかするんだよッ!クルーウ……きみは、炎に恐怖した事は、あるかい……」
リベラは興味深々の目でクルーウを見ていた。クルーウは、少し間を置き考えた。
「特にないねぇ…」
クルーウは独り言を溢すように喋った。それを聞いたリベラは、呆れた顔をしながらクルーウを見ていた。
「はぁ……つまんな……」
「はぁッ!リベラてめぇッ!なんだァッ!はあッ!その態度はッ!折角教えてやったのにィよぉッ!」
「はぁ…………だってよぉ……クルーウさあ……炎に恐怖した事がないのならそれは、受け継いだ物なんだよねぇ……」
「だからぁ?」
「はぁ………………察しが悪いねぇ……わたしは、苦しんでる姿が見たかったの。自分が、恐怖した物が常日頃まとわりつき、それを消そうにも消せないし、忘れようにも忘れられない。それを見たっかたのに……」
リベラは、とても落胆の表情をしながらクルーウを見つめていた。
「そろそろ、蚊帳の中に入れさてもらうよ……」
ゾネがやれやれという感じで会話に入ってきた。縄は切られていた。
「ブルートォッ……」
クルーウは敵意を抱いた顔でゾネを見ていた。
「いや、私の本名は、ゾネ・ヘルツだ。あらためて、よろしく」
「ゾネェッ……」
「まあまあ、仲良く行こうよ……私は、君を許したんだよ」
ゾネは仮面で見えないが多分微笑みを浮かべている。ゾネは、話を続けた。
「それじゃあ、そろそろでようか。私、君たちに嘘をついたんだよ……」
急に変なことを話し始めた。
「実はね本当は役場の連中を殺したんだよね」
「はぁ!」
「いいだろう別にあそこの連中は、シリウスの息が掛かった連中にだっだし、どうせ私がやんなくてもアリスランド……国の奴らが、殺してんだし」
「国が動くのか、こんな田舎なところに」
クルーウは、少し疑問に思った。
「いや……偏愛の騎士団の奴らが厳しいだよそういうのに……」
ゾネが少し呆れた声で言った。
「さぁ、そろそろ行こう。報復に来るかもしれない。後は、歩きながら話すよ」
そういうとゾネは、立ち上がり仮面に隠れた顔で多分微笑みながらクルーウ達を見渡した。そのままリベラに近づきリベラから出ている影の世界に入り込んでいった。
リベラの下の影からゾネは、ヒョコと顔をだした。
「私は顔が割れている。念の為村の外まで隠れさせてもらうよ」
「便利だねェ……俺も入れてよッ!」
「私は認めた奴しか入れない。まぁ、そんな奴はいないがね」
ゾネは馬鹿にしたような声でそのまま影の世界に入り込んだ。
暁がまだ登り始めた。村はまだ眠りについている。冷たく少しだけ痛いと思うような風が身を包んだ。白い息を吐き捨てながらクルーウ達はゾネが向かう方向を指し示しながら歩き進めた。
村の外に出て、少し経った頃。ゾネはようやく身体を影の外に出た。
「じゃあ、そろそろ話そうか」
リベラはものすごく興味津々な様子で笑みをたくさん溢しながら、ゾネの方向を向いた。
「何の話?」
クルーウはリベラの方向を向いた。
「次の旅の目的地」
リベラは悦楽に浸りながら返した。
ゾネは、先に進みながら話を始めた。
「私はね元々、シリウスに入っていたんだよ……ある時にね酒場で飲んでいる時。酔った奴が私の仮面を取ろうとしたんからそいつを殺したんだ」
ゾネが淡々と話始めた。
「シリウスはね気持ち悪いぐらい仁義に熱い盗賊なんだよだから仲間殺しは、死罪なんだよね。一人かいか野郎が報復にくるんだよ。でもねリベラが殺してくれたんだよね」
「あぁ……あの頬に星マーク付きの雑魚だよね。なかなか気持ちよかったよ……」
「え?知らないよ……俺……」
「知らないなら、黙ってくれるかな……喋るのめんどくさいだよね、察してくれるかな、君以外知ってんだから」
ゾネがものすごいめんどくさそうな声で話た。
「そうだよ、話さえぎらないでくれるか」
クルーウは、少しだけ悲しいと思いながら、黙り込んだ。
(いつか、殺す)
そう思いながら黙り込んだ。
「シリウスについてどのくらいの情報を持ってるの?」
「仲間の数とかいかの能力を知ってるよ。かなり最高だろ」
「ボスはどんな奴なの?」
「あぁ……フィクスっていう名前で、もちろんかいか持ちだよ、めんどい奴だよ。とても」
ゾネは、とても嫌忌の念を抱いてるように話た。
(フィクス?……なんか聞いたことあるやつだなぁ?)
クルーウは、思考に沈んでいった。
開示可能情報
アリスランド王国
面積 130395km²
人口 約528万人
クルーウ達の現在いる所の国。