表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
骸花ノ勇者  作者: 花嵐世湮
偏愛の奴隷編
26/26

戒め

「なぁ、君は勇者とどう言う関係なんだい」

 膝が崩れて立てないクルーウに目線を合わせるためにラブレットはしゃがんだ。

「知り合い?友人?家族?なに?君が死んだら勇者はどうなるの?」

 クルーウの口から流れる血が止まらない。視界が定まらない。

「はぁー。まぁいいか」

 そう言って、クルーウの頭に右手が伸びていく。右手から液体が垂れていた。地面に垂れた液体はシューと煙を上げている。毒である。

「グチュグチュになりな」

 クルーウの頭に右手が乗ろうとする。

「ハイドランジア」

「ッ!」

 一気にクルーウの体が燃え盛る。ラブレットの右手が燃えた。火傷した。

「アアア!」

 右手を押さえながらラブレットはクルーウから離れる。

「きみぃ!かいか使いか!」

「……さ、最近の俺は、し、死にそうな展開が多かったけど、生き残ってきたんだ。なぜか!わかるか!仲間がいたからだ!ゾネ!」

 ゾネはマスケット銃を構えていた。毒を喰らわないように少し離れた位置にいた。引き金を引いた。

「クソッ!」

 ラブレットは少し体をずらした。弾が肩を貫通した。肩から血がダラダラと流れる。

「はぁー。国家叛逆罪じゃない?」

 ゾネの隣にいたテスが言った。ゾネは次の弾を入れ始めた。

「いいよ。私はどうせ死人だ。テスはリベラの方に行ってこい。毒は危険だ。遠くから殺す」

 テスは酒瓶を一口飲み込んだ。

「りょーかい」


 ラブレットは肩を抑えながら、立ち上がった。

「ちくしょう!あはは!まさかかいか持ちだなんて!不幸だな!」

 腹を抱えては笑ってる。それが、何処か気持ち悪かった。

「僕のかいかはある程度!操作できる!」

(だから、後ろ騎士には毒が喰らわなかったのか)

「近づなくても殺せるだよ!あはは!」

「や、やってみろよ!カスッゥ!」

 クルーウの体が燃える。体が弱っていて、炎が上手く操作出来ない。ラブレットが右手をかざす。

「ナルシサスッ!」

 ドゴッ!ラブレットの体が宙を舞った。

 アンの蹴りがラブレットの顎に当たったんだ。ファート家、特有の顔が吹き飛ぶほどの蹴りではなかった。ラブレットはそのまま倒れた。

 そこには血塗れのアンがいた。ワーグの返り血だろう。

 そして、体の半分が白の肉塊で埋まっていた。それは、クルーウがかいかした時に腕を繋いだ物と似ていた。

「アン?」

「これが、勇者の姿だよ。君にこんな姿見せたくなかった」

「へ?いや!かっこいいよ!うん!かっこいいよ!なんかグロくて!えと、グロいイコールキモいとはならないからね!カッコいいとかあるからね!俺的にはちょうどいいかっこいいグロさだよ!」

 クルーウはアンにキモくないよ伝えようと頑張っている。

「自優ノ勇者ッ!」

 ラブレットの怒号が響いた。立ち上がり、手を構える。

「お前を殺すのは無理だが!テメェは殺してやるッ!炎野郎!」

「大丈夫。クルーウ。君は死なないよ」

 アンは白い剣を構える。

「……右手でいいか?」

「は?」

 刹那。ラブレットの右手が宙を舞った。白い剣で右手を切り落としんだ。早すぎてラブレットは反応できなかった。

「お前は罪を償う時がきたんだ。これは戒めだ」

「戒めぇ……勇者……執行官気取りか……てメェ……」

 そう言いながら、ラブレットは気絶した。

「ゲホッ!ゲホッ!」

 クルーウの口から血が出て、そのまま、仰向けに倒れた。

「苦しいぃ……」

「大丈夫だよ。クルーウは死なないよ」


「ちょっと!ラブレットの奴、やられてんぞ!」

 フィリアが叫ぶ。

 マニアはギリギリの戦いをしていた。一切、攻撃を受けれない、マニアは避けることに全力を注いでいた。

 そこで、生まれた隙をついて、フィリアは鎖で攻撃をしていた。

 マニアとリベラの間にテスが介入する。

「リベラちゃん!あの子は友達なんだ!」

 テスがフィリアのことを指差した。

「だから、なんだよ。テス」

 チラリとラブレットの方をマニアが見る。

「……アイツが死んだら、お姉ちゃんに怒られるんだけど。はぁー奥の手使うか」

 そう言って、マニアはポケットから赤黒い液体が入った、小瓶を取り出した。そして、それを一気に飲み込んだ。

「辞める気?」

「流石に、アイツが死ぬのは困るから」

「ふーん。逃げれると思ってるの?」

 リベラが動き出す。その瞬間、マニアの右足から巨大な氷が出来てきた。氷がまっすぐに氷塊を作っていき、その氷一気にがリベラの全身を貫いた。

 テスの体が水になって破裂した。一つの巨大な氷の塊が出来た。

「くっ!」

 リベラが破壊する瞬間から凍らしている。マニアが氷塊に近づいてく。

「ぺろ」

 リベラの頬に流れていた血をマニアが舐めた。

「は!」

「いいかいかだね」

 マニアとフィリアはラブレットのほうに走っていた。


「すまんが。殺さないでくれ。これでも、王なんだ」

 クルーウとアンの目の前にマニアはきていた。そして、ラブレットを担ぎあけだ。

「殺す気はないよ。ラブレットもこれで少しは行動を改めて欲しいんだが」

「それは、無理でしょうね」

 マニアはラブレットの右手を拾い、治した。それは、リベラのかいかの能力だった。

「リベラの?」

「それでは」

 マニアは頭を下げた。

「もし!中心都市に来るなら城に来てね!こんな事になったけど私達の主人は歓迎すると思うから!」

 そのまま、二人は街の外に向かっていた。

「主人?」

(アイツらの主人はラブレットじゃないのか?)

 クルーウはそんなことを思ったが。

「ゲホッゲホッ!」

 まだ、クルーウの口から出る血が止まらない。もうとっくに、死んでもおかしくないくらい苦しい。

「……アンセルキッラ」

 いつの間にか、リベラがいた。氷を破壊して出てきたのだ。アンを咎める目をしていた。

「り、リベラ!」

「はぁー。クルーウは何回、死にそうなるんだよ」

 リベラはクルーウに右手を差し出した。それを握り締め立ち上がった。

 クルーウの苦しさは無くなっていた。

「俺!今日!二回も死にそうになったんだけど!このままじゃあマジで死ぬぞ!」

「アハハハハ。おかげで毎日が楽しいよ。クルーウ」

「はいはい。良かったね」

「クルーウ」

 アンがクルーウの目の前に立つ。

「君にこれを渡すよ」

 手には腰につけていた、白い左腕があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ