青い夜
ふひひひひお
青い夜の間から覗かせる。黒い眼帯には、星が輝いていた。
眼帯には、白い糸により五芒星が描かれていた。容姿は、二十歳ぐらいに見える女性である。
「テオさんッ!」
屈強な男達の中の誰かが青い夜に向かって言った。さっきまで座っていた、全員が急いで立ち青い夜の方を見る。
「てめらぁッ!この店でいざこざは、御法度だと言ったよなぁッ!アァッンッ!」
屈強な男達は、シュンとなってしまった。屈強な男達は、静かに囁き合う。
「テオさん。なんか怒ってないか……?」
「あぁ……サテライトの奴が帰ってきてないからだよ……ゾネを追った……」
「でも……ゾネを追ったのは、最近じゃないか何を気にするんだ……?」
未だに踏んでいる頭をさらに、グリグリとし、男達の方を見た。テオさんと呼ばれる、青い夜に男達の囁き声が聞こえたのか、声を荒げながら言った。
「サテライトの奴がッ!昨日今日で帰ってきないなら、死んだんだよッ!」
屈強な男達は、一瞬理解が追いつかないような顔をしていたがすぐさま誰かが反論した。
「それは、妄想のしすぎでしょうッ!」
「五月蝿いッ!サテライトの奴ならあんな卑怯者なカスなんて一瞬で空中に停止させられて影なんぞ一瞬で使い物に出来なくさせられるんだよッ!」
「……じゃあ、大丈夫じゃないですか?」
「違うッ!きっとッ!殺したのは、違う奴なんだよッ!彼奴が仲間を作るなんぞ考えられないがもうそれしかないんだよッ!彼奴は、きっと報復にくるぞッ!不安を塵芥まで潰さなきゃ気がすまい奴だからなッ!」
青い夜は、その後も何かを喋っていたが支離滅裂でよく分からなかった。男の上で地団駄と踏み続けており、退く気配が無かった。クルーウは、そろそろ何か喋らないと一生このままの状態なのでは、と思い意を決して口を開いた。
「……そろそろ、退いてくれないかなぁ」
クルーウの言葉にハッとしたのか、ヨソヨソと男の上から降り始める。青い夜は、気絶させられた男の手に、押さえられたクルーウに目線を合わせ、
「ごめんね。忘れていたよ……」
さっきとは、打って変わって優しい口調になり、クルーウは、少しびっくりした。気絶した男の手を退け、悠々と立ち上がった。青い夜と目を合わせ少しの間、静寂の時が流れた。青い夜は、クルーウと同じぐらいの背丈である。
「ごめんね。いや、五月蝿くしてしまって……ごめんね」
手を合わせ首を横に少し傾けた。青い夜がクルーウの瞳をマジマジと見る。一刹那に青い夜は、クルーウの右手をギュと握る。
「君の眼は、私と同じような美しい青い眼をしているね……」
「はッ……?」
クルーウは、一瞬起きたことが分からなく、呆気に取られてしまった。しかしそんな事は気にならないのか青い夜は、話を続ける。
「美しいね。海の深い所を見ているような怖くて妖しい気分になれる。美しいね」
そんな、言葉を無遠慮にツラツラと続ける。
「君は、眼が好きなの……?」
クルーウの言葉に、青い夜は本日二度目のハッとする。
「ごめんね。独りよがりが好きなんだ……。私は……」
青い夜はシュと小さくなった。
「ごめんばっか言うなよ、癖になるぞ」
クルーウは、今まで青い夜に対する抵抗心からか少し無遠慮になっていた。
「ふふん。そういえば、私の名前を言っていなかったね。……テオ。それが私の名前……よろしくね」
テオは、可愛い微笑みを浮かた。
「クルーウ・スーサイド。よろしく……テオ……」
クルーウも釣られて自己紹介をした。そんな光景を屈強な男達は、黙って見ていた。テオは、それに気づき、
「てめらぁは、さっさとどっかいけッ!」
と優しい口調から厳しい口調に変わり、クルーウは、少し引いた。そして屈強な男達は、「テオさんは、気まぐれだからな……」と話しをながらトボトボと店から出て行った。
テオは、屈強な男達が店から出ていくを真剣に確認してからクルッとクルーウの方を見る。
「ふふん。君の眼を見させてもらった。お礼だよ……私の眼、好きなだけ見ていいよ……」
テオは、そんな突拍子もないことを急に言ってきた。




