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最強の背を、追ったもの2

ヴェルを倒すシーン追加。


アップの段階ですっぽり抜けてしまいました。

大変失礼いたしましたm(_ _)m

「おもしろかったよ。ばいばい、おにーちゃん」


 彼女が地面を踏むと同時に、アルトも移動。

 方向は真後ろ――〝穴〟が空いた壁だ。


「――えっ?」


 ヴェルの顔に困惑が浮かんだ。

 敏捷はアルトの方が低い。

 どんどんヴェルが近づいて来る。

 その短剣がアルトに突き刺さる、

 その前に、壁を〝閉じる〟。


 瞬間、

 ――ズドゴォォン!!


 激しい音とともに、壁が揺れた。

 壁の振動が収まると同時に、アルトは跳躍して壁の上に乗った。


 壁の向こう側。

 ヴェルは壁の手前で焦点の合わない目を、空に向けて仰向けに倒れていた。


 おそらく肩から突っ込んだのだろう、彼女の左肩がズタズタになっている。

 さらに顔面もぶつけたのだろう鼻と額から血液がしたたり落ちていた。


 見たところ酷い怪我をしてはいるが、生きているようでなによりだ。


「あぁーーぅう?」


 まだなにが起ったのか判らないのだろう。アルトが近づくと、その気配を察知してヴェルが起き上がろうとする。


 彼女は痛みをあまり感じない体質のようだ。

 しかし痛みがないからといって、ダメージまでないわけじゃない。


 壁に衝突したダメージにより、彼女は起き上がれず弱々しく足掻いていた。


 アルトがヴェルを倒すために使った罠はたった1つ。

 もっとも使い慣れた《グレイブ》である。


《グレイブ》は様々な場所に落とし穴を作る工作スキルだ。

 基本的には足下に設置するが、壁や天井に《グレイブ》を設置することも出来る。


 また《グレイブ》は、別の空間に繋げることが出来る。

 実際、アヌトリア帝国の洞窟で悪魔と戦った時は、《グレイブ》を深く伸ばしすぎて別の空間に繋がった。


 さて、では《グレイブ》を壁に設置するとどうなるか?

 答えは簡単。

 壁に落とし穴が生まれ、穴の深さが壁の幅を超えると、ただの〝穴〟になる。


 この穴を使って、アルトは壁を乗り越える。

 その直後に《グレイブ》を解除した。

 結果、ヴェルは穴のないただの壁にぶち当たったというわけだ。


 まだ意識が朦朧としているうちに、ヴェルから短剣を奪い取り、鞄から縄を取り出して捕縛する。

 アルトよりも小さな少女を捕縛することに多少の心苦しさがこみ上げるも、情けを掛けると命が危ない。捕縛は入念に行うのだった。

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新作「『√悪役貴族 処刑回避から始まる覇王道』 を宜しくお願いいたします!
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