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異世界に召喚されたら優等生⁉︎  作者: L_T
序章 地球から異世界へ
3/8

第三話 魔術と異能、その測定

急いで書いたので最後の方少し雑かもしれません、手直しする可能性もありますが、書きたいことは書けました


魔術を二種類から三種類に増やしました。


度々すいません、種族の名前を一つ変えました。


アミュールの眼の色をかえました

「くあっ……眠い……」


 真琴は今いつも起きている部屋とは違うところ、いや、違う世界の王城の一室で目を覚ました。


 召喚されたあと、宰相ティムに説明を受け、軽くその場にいた国の重要人物数名からの自己紹介を聞き、城の中を案内されてから、部屋を与えられて寝たのである。

 因みに桜は隣の部屋である。


「分かっては居たけどやっぱり夢じゃなかったんだな……」


 あまりにも信じられないことが起きた為に、現実として実感出来ていなかった真琴は、目が覚めれば全て夢などというテンプレな期待をしていたのである。

 しかし現実はそう甘くはない。いくら確かめても今自分の身に起きていることは事実であり、夢などでは決してない。


「さて、起きたはいいがどうしたらいいんだろ?」


 真琴はどうすべきなのか分からず首を傾げる。


「失礼します‼︎」


 そうしていると、不意に扉を叩く音がしたかと思うと、入室をするという旨の発言をしながら栗色の髪を肩で切り揃えたレモンイエローの眼で、そばかすが元気な印象を与える少女が入ってくる。


「初めまして‼︎私、アミュール・コーテンと言います‼︎今日からマコト様の侍女として、仕えさせていただきます‼︎よろしくお願いします‼︎」


 入って来た少女––アミュールは自己紹介をすると勢いよくお辞儀する。服装は所謂メイド服である。


「え?侍女?俺に仕える?え?……えぇぇぇえええええ⁉︎」


 暫く状況が飲み込めなかった真琴であるが、理解すると驚きの叫びをあげた。


「はい‼︎そうです‼︎詳しい説明は宰相様がなさるそうですので着替えて下さいますか?それとも着替えをお手伝いしましょうか?」

「いえ‼︎大丈夫です、自分でやれます‼︎」


 着替えを手伝うという言葉を聞いて即座に着替えをすると言う真琴。

 その様子を見てアミュールはお辞儀をしてから部屋を出て行った。


 数分後……


 コンコン……

「お着替え終わりましたか?」

「あ、はい‼︎ちょうど終わったところです‼︎」


 真琴が着替え終わったタイミングで扉を叩いてから確認の声がかかる。


「では、ご案内しますので、ついてきて頂けますか?」


 扉を開けて廊下に出るとアミュールが笑顔で待っていた。

 どうやら何処かへ案内してくれるらしい。

 真琴は言われるがまま、アミュールの後ろについて行く。


「あ、あの‼︎ど、どこに向かってるんですか?」

「えっとですね。宰相様が朝食をとりながらご説明されるそうですので、このお城の王族専用の食堂に向かっています」


 行き先が気になった真琴の質問にアミュールはすぐに答えてくれた。

 それによると、どうやら食堂で宰相のティムが待っているようである。


「そう言えば、桜はどうしたんですか?桜にも侍女が付いてるんですか?」

「はい。サクラ様にも私とは別の侍女が付いて、既に案内し終わっております。後はマコト様だけですよ」


 桜のことを聞くとどうやらアミュールとは別の侍女に案内されたようだ。

 だが、それより大きな事実が分かった。


「え、えぇ⁉︎後は俺だけなの⁉︎」


 驚きのあまり叫ぶ真琴。


「はい。マコト様は起きられるのが少し遅かったので他の皆様はもう席に着いておられます」


 そんな真琴の驚きの声にも動じず、はっきりと肯定の答えを返すあたり、アミュールは侍女の仕事は慣れたもののようだ。


「そ、それって、急いだ方がいいんじゃ⁉︎」


 ただ、真琴はそれどころではない。何故なら桜だけではなく、宰相までも待たせていると言われたのだから、それを聞いた真琴の混乱は推して知るべしである。


 急いで向かう事数分……


 今、真琴は冷や汗をかいている。

 理由は……


「おぉ。来たか、マコトよ。少しばかり起きるのが遅いと思うが、まぁ昨日は色々あり過ぎて疲れたのだろうな。まぁ、仕方ない事だな」

「あ、あはは、そうかも知れませんね……すいません、寝坊しましたーー‼︎」


 食堂に来ると桜と宰相ティムが居た、そしてもう一人……なんと国王が居たのである。


  国王様まで居るなんて聞いてない‼


 故に今、真琴は冷や汗をかいて……土下座しているのである。


「ははは、謝らぬとも良い。誰しも寝坊くらいする時はあるものだ。儂だってたまにあるしのう?大事なのはやるべき事をやるかどうか、それだけだ。だから、土下座をやめて席に着いてくれるか?」

「は、はい‼︎了解しました‼︎」


 国王の許しの言葉、そして席に付けという言葉を聞いた真琴は瞬時に行動する。


「よし‼︎全員揃ったところで朝食とするかの‼︎」


 国王が食事開始の声を上げると、控えていた侍女や執事が揺るぎない動きで行動する。


 数分後……


「え、えっと、すいません、一つ質問いいですか?」


 食事が進む中、真琴が質問したいと手を上げる。


「ん?おぉ、構わんぞ。何でも答えてやるぞ。」

「国王様、何でもは無理ですよ」


 国王が何でも答えると言い、宰相ティムが嗜める。


「あの、では。何故この場に国王様が?説明は宰相さんからされると聞いていたんですが?」


 真琴は何故国王が居るのかを聞く。


「儂がいる理由か?それは簡単だ。国の大事が関わる事だからだ。それと儂はまだ自分の名前など何も言っていない事に気付いたのでな」


 国王はさも当然というように答える。それを聞いた真琴は少し考えれば当然わかるものだった事に少し恥ずかしくなる。


「よし、ちょうどいいタイミングでもあるしな、ティムからの説明の前に自己紹介させて貰おうかの」


 そう言うと王は自己紹介を始める。


「儂の名はソウェル、ソウェル・マキシムと言う。知っての通り、この国––マキシム王国の国王をしている。世の中からは『太陽王』と呼ばれておる……まぁこんなものかの?何か質問はあるか?何でも構わんぞ?」


 国王––ソウェルは名前と二つ名を述べてから、さらに質問はないかと問う。


「え、えっと、じゃあ一ついいですか?」


 それを聞いて桜が恐る恐るという様に手を上げて質問する。


「うむ‼︎何かな、サクラよ」

「あ、あの国王様っておいくつなんですか……?そ、そのとてもお若く見えるので……」


 何と桜はソウェルの年齢をきいたのである。

 それを聞いてティムは下を向いて肩を揺らしている。どうやら笑いを堪えていらしい。


「歳か?歳はこう見えてもかなりとっていてな、数えるのを途中でやめたから正確なのはわからんのだよ」


 ソウェルは気を悪くする様子もなくさらっと答える。だが、その答えは驚くなんてものではなかった。


「えぇ‼︎か、数えるのをやめるって一体いくつなんですか⁉︎」


 案の定、桜は混乱している。横の真琴も目が点である。


「く、くくく。詳しいことは私が説明しましょう」


 そんな二人に対して何かツボにはまったらしいティムが詳しく説明してくれる。


「国王様は少しばかり特別なんですよ。実はこの世界には複数の種族のヒトがいます。我々、マキシム王国を統治する人間族を始め、西の国エルヴェストを統治している森人族、その隣ドヴェルを統治する土人族、東の国、大和ノ國を統治する鬼人族、北の国ドラゴイを統治する龍人族、南の国アニラスを統治する獣人族、海底の国アクアロウを統治する海人族、どこにいるか分からない天人族に魔人族、そして、滅んだとも言われている特異な存在である、王人族、以上の種族がいるんですよ」


 何とこの世界には幾つもの種族がいるらしい。流石異世界という感じである。


「そしてこの中で長寿の種族というと、天人族と魔人族は不老不死と言われますし、鬼人族と龍人族は平均千年、土人族と森人族はさらに長く数千年生きると言われています。これらの種族は外見で年齢が分かりませんね」


 千年以上生きる種族や、不老不死の種族まで居るという事に二人は最早開いた口がふさがらない。

 だが、話はこれで終わりではなかった。


「しかし、この世には例外というものがあります。それがここにいるソウェル王のような『覚醒者』と呼ばれる者たちです。『覚醒者』についてはよくわかっていません。ですがはっきりしている事があります。それは……『覚醒者』は全員が常人では到底及ばない強さを持ち、『覚醒者』となった時の姿のまま、歳をとらず、寿命がないという事です‼︎」


 そう……この国の王は不老永寿だったらしい。

 それを聞いて真琴と桜は時が止まった様になってしまったのであった。


 しばらくして……


 真琴と桜が時を取り戻し、食事が再開して、今は食後のティータイムである。


「「先ほどは情けないところお見せしました……」」


 真琴と桜は先ほどの事を詫びる。


「いえいえ、普通はそういうものですから、ご安心を。私なんかよりはいい方ですよ?私が初めて聞いたときは混乱のあまり発狂仕掛けましたからね、はっははは‼︎」


 その謝罪に対し、ティムは自分よりは断然いい方だとフォローする。


「さて、では落ち着いたところで、そろそろ色々な事をご説明してよろしいですかな?」

「「あ、はい‼︎よろしくお願いします‼︎」」


 一息ついたところでティムが説明を始める。


「まず、通ってもらう学校ですが、名前はセントレア学園と言います。ここは文武を身に付けるための学校です。この学校にはフローラ姫とアミュール、フィーヌが通っております。あと、色々な種族が通っています。学校は今年度が始まってまだひと月ほどしか経っていないので学習の遅れは余りないと思います」


 どうやらこれから通う学校にはフローラやアミュールに桜に付く侍女––フィーヌというらしい––も通っている様だ。肝心の学習内容も遅れは余りないという事らしい。


「そして次に学園での学習内容ですが、まず第一にこの世界の歴史や仕組みなどの知識面、第二に魔術の訓練、第三に武器の訓練、そして能力の訓練です」

「「え⁉︎魔術があるんですか⁉︎それに能力って⁉︎」」


 魔術に能力といった単語に食いつく真琴と桜。流石オタク、興味が惹かれるのであろう。


「はい、ございます。魔術は分別すると、全ての人が平等に使える生活魔術、攻撃、防御、支援、回復の適性で習得できる度合いが変わる系統魔術、あと召喚術や錬金術といった他二つに分類されない特殊魔術の三種類です。そして能力とは種族によって違う特殊な力です。人間族が使う特殊な力を異能と言います。異能は個々によって違います。例えばソウェル王は太陽王の名の通り太陽を作り出したりする能力です。これらは後で調べますのでご心配のなき様に願います」

「そ、そうですか」

「わ、わかりました」


 真琴と桜は後でちゃんと自分の能力などはわかるという事で、落ち着きを取り戻す。


「では、主な説明はこれで終わりです。この世界の常識などはアミュールとフィーヌにお聞きいただければ大丈夫だと思いますが、何か気になる事はございますか?」


 説明はここで終わりで、次は質問に答えるとティムは言う。


「じゃ、じゃあ一ついいですか?」


 それを聞き、遠慮がちに桜が手を挙げる。


「何でしょうか?」

「この部屋もそうですが、この建物全てにある明かりは一体どういう仕組みでついているんですか?あと、玉座の間ですか?あの部屋の扉が勝手に開いたのも気になります」


 ティムが質問を許可すると、桜は早口に質問する。

 しかも、一つと言っていたのに二つである。


  「あぁ、その事ですか。この明かりは魔道具の一つですよ。魔道具というのは先ほどの説明に出てきた生活魔術を利用して使う魔術的な道具の事です。失礼ですが、お二人の世界にはこういった明かりはなかったのですか?」


 桜の矢継ぎ早な質問にも嫌な顔一つせずにティムは質問に答える。更に真琴と桜の世界––地球の事を聞いてくる。


「いえ、あるにはありましたけど、この世界と違って魔術なんて無かったので、仕組みが全然違います」

「ほう……魔術無しで明かりを……それはこの世界でも実現可能ですかな?」


 今度はティムが桜の発言に食いつく。


「あ、あの私達はただの学生なので、詳しい仕組みは分からないんです。すいません……」


 質問された桜は分からないと答え、申し訳無さそうに項垂れる。


「あ、いえいえ‼︎気にしないで下さい‼︎あわよくばと思っただけですから‼︎お二人がただの学生であることを失念していたこちらの落ち度ですから‼︎」


 桜のその様子を見てティムは慌てて弁明する。


 因みにその間、真琴とソウェルはというの……


「え‼︎この世界って大陸、一つしかないんですか⁉︎」

「うむ‼︎そういう反応をするという事はお主らの世界は大陸が複数あるという事か‼︎」

 などなど。

 お互いの世界の事を話し合う事に夢中であった……


 それからこの世界の基礎知識的なことをティムとソウェルから教えてもらった真琴と桜は、今、ワクワクドキドキしながら水晶の様なものと向き合っている。


「この丸い球体のものが魔術系統の適性を示す魔道具です」


 そう、今から魔術系統の適性を調べるのである。真琴と桜はワクワクドキドキしているのは当然である。


「使い方はいたって簡単。その魔道具に手を置いて意識を魔道具に集中するだけです」


 説明しながらティムは魔道具に手を置く。

 すると魔道具が青と黄に光り出し、その中に石の様な絵が浮かび上がる。


「と、まぁこの様に変化します。適性のある魔術系統によって光る色が違います。あと、浮かび上がる絵は攻撃魔術を使う際の属性を表します」


 どうやら、色で魔術系統を、絵で攻撃魔術を属性を、判別するらしい。


「識別の仕方は、攻撃魔術は赤、防御魔術は青、支援魔術は緑、回復魔術は黄です。属性は、火水雷風土の五属性で、それに伴う絵が出てきます。あと、例外となるものもありますが、それは滅多にないので今は端折ります」


 どうやら属性は五つに分かれているらしい。

 それにしても例外とは一体……


「では、測定をどうぞ‼︎」


 ティムが測定を促す。

 それに従い桜から測定を開始する。


「緊張するぅー‼︎よし、頑張るぞ‼︎」


 一体何を頑張るのか、気合いを入れて魔道具に手を置く。すると……


「わぁー‼︎綺麗‼︎」


 桜の言葉通り魔道具は五色に光っている。中には水滴の様な絵と稲妻の様な絵が浮かんでいる。


「な、なんと⁉︎全系統適性ですか⁉︎しかも、水と雷の複属性持ちとは⁉︎いやはや、恐ろしい程の才能ですな」


 どうやら、桜は途轍もない魔術の才があったらしい。


 続いて真琴が測定をする。ティムは期待の眼差しで見ている。


「で、では、いきます‼︎」


 真琴は意気込んで魔道具に手を置く。

 すると、魔道具は二色に光る。


「あ、あれ?二色だけ?」

「ふむ、青と緑……防御と支援ですね。それから属性は……⁉︎」


 真琴が二色だけという結果に項垂れているとティムが言葉を失う。一同はそんなティムを訝しそうに見る。


「どうした、ティムよ?」


 ソウェルが代表してティムに質問する。


「ぜ……ぞく……す。」

「うん?なんだと?よく聞こえんぞ」


 何かティムが言ったがよく聞き取れず、ソウェルが聞き返す。


「ぜ、全属性……マコト様は全属性適性持ちです‼︎」


 ティムが信じられないという様に大声で叫ぶ。


「な、なに⁉︎それは真か⁉︎」

「は、はい‼︎間違いありません‼︎」


 その叫びを聞いてソウェルも叫ぶ。


「あ、あの?一体何が……?」


 真琴は訳が分からず説明を求める。


「あ、はい、実はマコト様は系統こそ二系統でしたが、属性が火水雷風土全属性に適性をお持ちです」

「これは凄いことだぞ‼︎この長い年月生きてきたが全属性適性は全系統適性より会う機会が少なかったからな‼︎」


 どうやら全属性適性は全系統適性より珍しいらしい。


「いやはや、おふたりとも凄い才能ですな‼︎」

「え、あ、はい」

「ありがとうございます……」


 真琴と桜はティムの勢いに押され気味である。


 しばらくして……


 今真琴達は城にある儀式場の様なところにいる。

 魔術適性の測定での熱が少し治まり、今は次の測定、異能測定の為に場所を移動したのである。


「では、次は異能測定です‼︎やり方はこの儀式の間にある魔法陣の上に立って頂きます。すると、魔術が起動して、異能を強制発動させます。その際、鈍い痛みがあると思いますが、我慢してください。では、どうぞ」


 えっ?痛いの?


 これが真琴と桜の正直な感想である。

 しかし、やらなければ進まない事も理解しているので桜が進み出る。


「じゃ、じゃあ、いきますっ」


 桜が魔法陣の上に立つ。するとティムの言う通り魔法陣が光り出す。


 えっ⁉︎なに⁉︎何かが入ってくるっ⁉︎私のデリケートなところがこじ開けられる様な変な感じっ‼︎


 光りが一層強くなる。

 すると、突然桜の顔が歪む。


「いっ、痛っ‼︎あ、あぁぁあぁぁあぁぁあぁぁあぁぁあぁぁあああ‼︎‼︎」


 桜の喉から悲鳴が響く。目には涙が浮かんでいる。


「ちょ、ちょっと⁉︎少し痛いだけじゃないんですか⁉︎」

「そのはず……なんですが……これは一体何が……⁉︎」


 真琴がティムに抗議するが、ティムも何がどうなっているか分からないようだ。


「と、取り敢えず儀式を中断して……」


 ティムは儀式を中断しようとする。


「ならん‼︎‼︎‼︎」


 その時、ソウェルが吠える。


「し、しかし⁉︎」

「大丈夫だ。これはただ保持している異能が強いだけのことだ。儂の時もそうだった」


 これは普通のことで異常事態ではないということらしい。


「ほれ、見ろ。能力ご発動するぞ」


 ソウェルに言われ一同が桜を見る。

 すると、桜はいつの間にか落ち着いている。

 そして、立ち上がっていた光りが桜に吸収されていく。


「はぁ、はぁあああああ‼︎」


 気合い一発。桜が叫ぶと同時に桜から雷が放たれる。


「な、なんと雷の異能ですか⁉︎しかも、この威力⁉︎強いですな‼︎」


 暫くして雷が落ち着き桜が微笑みながら真琴達のところへ戻ってくる。


「ふぅ、これは凄いですね。異能の主な使い方と能力が頭に浮かんでくるんですね‼︎」


 桜、超興奮である。


「で?どういった能力だったんだ?」


 そんな桜にソウェルは落ち着いたように問う。


「はい‼︎能力は二つみたいです。一つは先ほど見せた雷を操る能力で、もう一つは眼に関わる能力みたいです」


 能力は二つ発現したらしい。


「ほう、魔眼もしくは神眼を持っているのか……これは頼もしいな」


 次は真琴である。


「い、いきます‼︎」


 意気込みながら真琴が魔法陣の上に立つ。

 すると、桜の時同様魔法陣が光り出す。


 しかし、いくら待っても何も起きない。


「……マコトよ。一度戻ってこい」


 ソウェルが真琴に戻って来るように言う。

 真琴が戻って来るとソウェルが口を開く。


「マコト、お前の能力だがな……」


 ソウェルは意味深に間を空ける。

 それを真琴達は固唾を飲んで待つ。

 するとソウェルが続きを言う。


「お前の能力は、分からない」


 分からない。その言葉を聞いた瞬間、真琴はショックのあまり膝をつき座り込み項垂れる。


 その様子を見て、ソウェルは続ける。


「正確には『今は』わからない、だ。恐らくお前の能力は強制発動させることができない。そうすると、お前の体が保たないからだ。これは魔法陣の安全装置だ。お前の能力は儂の能力を超えるほど強力だということだよ」


 能力が発動しないのはそれだけ強力なだけだと言われ真琴は顔を上げる


「安心しろ。今回のできっかけは与えた。お前が強くなれば、徐々にその能力は分かっていく」


 こうして真琴と桜、二人の測定は色々規格外なことはあったが無事終わった。


 明日からは学校が始まる。

 その学校でも色々あるのだが、それを二人は知る由もなかった……

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