ぷろろーぐ
初めまして、バターしょうゆ味です^^
処女作で至らぬ点ばかりですが楽しんでいただけたら幸いです
ある日の雪の降る季節、山に囲まれたどこにでもあるような、とある小さな集落から少し離れた位置に一軒のログハウスがあった。
そのログハウスの裏手には不器用にも木で組んだ1つの墓標があり、その前にしばらく静かに佇む一人の少年がいた。
少年は、墓標に軽く積もった雪を手で軽く払いのけるとおもむろに懐に手を伸ばしある物をとりだした。
それは液体の入った小さな壺だった。
少年は壺の栓を抜くとおもむろに中の液体を木で組んである墓標に半分ほどかけ、もう半分を自分で飲み始めた。
「うえぇ・・・、苦いしやっぱりお酒の味はわかんないや」
少年は、一口飲むとそうつぶやいた。
お酒を飲んだからなのか、1度喋ったからなのか少年は、墓標に向かってまた語りかけ始めた。
「じいちゃん美味しかった?これ、村に居る村長が今年じいいちゃんと飲むために作ったお酒らしいよ。じいちゃん村長と仲良かったし、村長はこれを毎年一緒に飲むのが楽しみにしてたのに今年は一人で飲まないといけなくなったってすごく寂しそうだった。」
そう言うとまた一口、壺に残っていたお酒を飲み、残りを墓標にふりかけた。
ふりかけ終わると少年は、長いとも短いとも言える時間雪の降る空を見上げてまたポツリ、ポツリとつぶやき始めた。
「俺さ・・・、このまま村で畑耕したり、狩りをして穏やかに生活するのがいいってじいちゃんに言ってたけど、本当は昔じいちゃんが言ってた世界を冒険してきた話とか聞いて俺もいつか旅をしてみたいって思ってたんだ。」
見上げていた視線をもう1度墓標に戻し、決意を込めた視線で少年は宣言した。
「春になったらこの村を出て、俺も世界を冒険するよ。しばらくのお別れになっちゃうけどいろいろなところを巡って、じいいちゃんが見たこともないようなものを見たり、行ったことがないようなとこに行ったりしてまたいつかここに、この村に戻ってくるよ。そして帰ってきたら俺の冒険の話を聞いて欲しいな」
そう言って少年は、最後に墓標に手を合わせたあと墓標をあとにした。
これはレトクリームと呼ばれた世界の、アルス王国にあるとある小さな集落から飛びだした、後に英雄と呼ばれた少年の物語である。
更新はお仕事もありますので週に1、2回を目処に書いて行けたらいいなと思っています^^
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