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二十話 成竜になった所為で、ニートは人生の墓場へ

 ヴァリファルと許婚になってからのこの数年。

 この世界の人間たちは停戦と開戦を繰り返して戦争をしているので、火山の火口までやってくるような輩は居なく。

 俺の方は相変わらずのニート生活を続けているので、余り特筆すべき事の無い生活を送っていた。

 それでもあえて上げるとするならば、生活圏内にヴァリファルが入り込んだ事ぐらいだろう。

 許婚になってからと言うもの、ヴァリファルは日が昇ってから火口にやってきて。日が落ちる直前に帰っていく。

 当初は、俺のニートっぷりにヴァリファルが愛想を尽かして、許婚を解消するだろうと楽観視していた。

 実際ヴァリファルも最初は、俺がずーっと火山で溶岩風呂に浸かっているのに、ちょくちょく小言を言っていたので、思惑違いという事は無かったと思っていた。

 しかし何故だか、時間が経つにしたがって小言が減っていき、ヴァリファルもゆったりとした時間を火山で過ごし始めてからは。

 なんかちょっと考えていたのとは違うと気が付いたので、ヴァリファルに何故愛想を尽かさないかを問いただした。


「大丈夫です。一見駄目竜に見えても、ワタクシは分かってますから」


 と意味深な言葉を返された。

 何をどう勘違いしているのか良く分からなかったが、とりあえずヴァリファルは駄目男――駄目竜好きだと勝手に納得して、放って置く事にした。

 ニートは現状維持できるのであれば、些細な事は気にしない性質の持ち主だからだ。


 そんな生活を続けていた今日。

 俺は珍しく日も昇らないという時間に、早起きしていた。

 普通はヴァリファルに起こされるまで、溶岩風呂の縁に顎を乗せて寝ているのにも係わらずだ。

 理由はある。

 それも大変情けない理由が。


「普通に溶岩に浸かれる耐熱の身体なのに。まさか急所は耐熱処理されていないとは……」


 竜の長い首を巡らせて、俺が視線を向けるのは俺自身の下半身。

 そこには身体からぴょっこりと突き出た様に見える、ピンク色の肉の突起物がある。

 それを何かと歪曲的な表現をすると、自分の分身、生まれた時から居る息子、雄の最大の急所と言った感じの、生物的に雄だと証明する大事な機関である。

 何故俺がその備わっているはずのものに、こうもじっと眼を向けているのかと言うと、それが今世で初めて目にしたものだからというのもある。

 それよりもソコが溶岩の中で熱に晒されて、その熱さに俺が驚いて起きたから、じっと見ているというのが本当のところ。

 えー、分かり易く言うと。


 溶岩にアソコ突っ込んだけど、色々と大丈夫かな?


 って確認しているのだ。

 色々と情け無いし恥ずかしい。


――竜の一物は、通常時体内に仕舞われてますから。

 で、その隠れているはずのものが、いま目視できるという事は?


――朝勃ちですね。成竜の証ですよ、おめでとう御座います。

 う、嬉しくねぇ。

 おちおち、溶岩の中で眠れないじゃないか。

 朝勃ちした瞬間、溶岩でジュッて。

 おれはそんな特殊な性癖に目覚めちゃ居ないぞ!

 

――大丈夫です。竜の再生能力に、貴方の回復魔法があれば、一物が燃え尽きてもまた生えてきます。

 根本的な解決になっていないのですが、それはチサちゃんはどうお考えで?


――それなら溶岩に負けないように強化するのも出来ますが。生殖行動に支障が出かねませんが宜しいので?

 生殖行動に支障って、何か困ることでもあるの?


――その一物の防御力を上げるので、生殖行動時間の増長が予想されます。

 それの何が問題なの?


――雌相手の生殖行動では刺激が足りず、射精できなくなる可能性があります。それこそ岩石に擦り

 ストーップ。

 それ以上は保健体育の範囲外だから。

 地味に成人指定になりそうだから、発言中止!


――ではそのままで宜しいですね?

 うッ……うん、まあ、そうだね。

 このままの方が良いよね。

 でも前世の知識から察すると、お相手に「早ーい!」って言われると心の傷になるらしいから、多少は強化した方が良いのか? 


「ジョット様~、今日のお目覚めは御早いですわねー」


 急所の防御力について彼是考えていたら、どうやらもう日が昇っていたらしい。

 もう聞きなれてしまったヴァリファルの声を聞いて、彼女が来るであろう方向に顔を向ける。

 どうやら丁度火山の上空に差し掛かり、出していたスピードを殺すために、上空旋回を始めたところだったようだ。


――このままで宜しいので?

 ぼけーっとその光景を見ていたら、チサちゃんからそんな質問が。

 何がこのままで、何が宜しいのか、よく分からずに首を捻ってしまう。


――成竜になったら、ヴァリファルと結婚するのですよ? もしかしたらその勃っている一物を見れば、この場で合体をと言い寄ってくるかもしれませんが。

 ……そ、そうだった。

 ヴァリファルの事だ、コンバイン準備が出来ていると分かれば、誘ってくる事は眼に見えていた。

 うわぁ……どうしよう。

 と、とりあえず、丸まっておいてアソコを見えない様に隠すのは当然として。

 ど、どうやったら収まるのだろうか。


――発射すれば、いいのでは?

 ちょ、ちょっと待って。

 こ、こんな大自然の中で、えー、あのー、処理をしろと?

 上空で許婚がこっちを見ながら旋回しているというのに?

 いやいやいやいや。ハードルが高すぎるでしょ。


――なら収まるのを待つ他に有りませんね。

 それしかないよね。

 竜の勃起がどの程度で収まるのかは分からないけれど……


「ジョット様、お早う御座います」

「あ、ああ、お早う」


 取り敢えずの方針が決まったところで、タイミングよくヴァリファルが火口へと降りてきた。

 相変わらず嬉しそうに朝の挨拶をするヴァリファルに比べ、俺は内心の動揺を押し隠す事が出来ずに声に現れてしまった。


「どうか、なさいましたか?」

「い、いや別に。何にも無いけれど」

「そうなんですか? 何か隠している様子ですけれど」

「か、隠すって。何も隠せすようなものなんて、ここには無いよね?」

「それはそうなんですけれど……」


 納得行かない様子で、火口の中を順繰りに見回している。

 その仕草は何故か、前世の昼下がりに流れているメロドラマの妻の様に見える。

 別にそのドラマにある様な、密通相手なんて居ないのだが、隠している事はあるので内心冷や汗だらだらだ。

 異世界で人では無い異生物だとしても、雌の勘というのはどうして変なところで鋭いのだろうか。

 

「確かに変なものはありませんね……で、どうしてジョット様はこんなに早起きを?」


 勘の鋭さを嘆いていたら、その矛先が何故か俺の方に。

 しかも理由が早起きなんて。

 あれか。俺の日頃の行いの所為なのか?


「そ、そりゃあ。偶には早起きぐらいするよ」

「……そうですね。ジョット様は自由に生活する、野良竜ですものね」

「そ、そうですよ?」


 何故か詰られている様な気がして、思わず弱々しい声になってしまう。

 前世でもそうだったけれど、女性――雌の相手で口で勝てるとはどうしても思えないのだ。


「今日は珍しく、溶岩に浸かってませんね?」

「そ、そりゃあ偶にはね」

「どうして岩石の上で丸まっているんですか?」

「た、偶々。そういう気分だっただけで」

「ふーん。そんな気分ですか……」


 ああ、なんか。俺が隠し事をしているというのは、ばれたらしいと分かった。

 なにせヴァリファルの目付きが、段々と剣呑な色を見せ始めているのだから。


「……その丸まった中に、何を隠しているのか見せなさい!」

「どうぁ!? な、何も隠して無いし!」


 ヴァリファルの空恐ろしい視線に、目を会わせない様にしようとしたのが災いした。

 眼を外した瞬間に飛び掛られてしまったのだ!

 俺は驚いた声を上げて、情けない『とある部分』を見せないようにと、更に硬く丸まる。


「その頑なまでに見せない態度、ますます怪しいです!」

「怪しくない、怪しくないから! 引っくり返そうとしないで!」


 ぐいぐいと身体を押しても、俺の丸まりが溶けないと悟ったらしく。

 ヴァリファルは頭を俺の身体の下に潜り込ませて、カブトムシかの様に引っくり返そうとし始める。

 俺は慌てて翼を展開し、それを支えにどうにか転倒するのを防ぐ。


「むむむッ。諦めてさっさと、隠しているものを見せな……ひッきゃあああ!?」

「嫌だって――おぐぅぅ……」


 い、いま、グリって……

 グリぃって、大事な、大事な部分を頭が……

 意外な痛みに、俺は涙を眼の端に浮べて回復魔法を施しながら、ヴァリファルを見つめる。


「わ、ワタクシのあ、頭にな、何か温かくて柔硬いも、モノの感触が……」


 一方でヴァリファルは頭に何が当たったのかを雌竜の本能で悟ったのか、大げさにうろたえている。

 しかしその眼は、俺の分身がある場所に的確に向けられている。

 

「あ、あのぉ……」

「い、いえ。何も言わなくても大丈夫です!」


 余りの熱視線ぶりに、俺が痛みを堪えつつ声を掛けると、ヴァリファルは状況を整理するためか、大声を出して強引に俺の発言を止めた。

 そしてやや気まずい空気の時間が、少しの間だけ流れる。

 その間に俺は回復魔法を掛け終え、ヴァリファルも自分の行いと状況の整理に折り合いを付けたらしい。


「ご、ごほん。ジョット様。その現象は成竜になった証で、何も恥ずかしい事は無いのです。だから隠そうとしなくても大丈夫なんですよ~」


 幼子に物の道理を教えるような、そんな柔らかい口調で語りかけてきた。

 普通の子竜ならば、思わずそうなのかと隠すのを止めそうな、そんな優しい喋り方だった。

 しかし前世からの記憶がある俺には、ヴァリファルの眼が何かを狙っている狩人の目であることが分かった。

 ニートは自分を害そうとする視線や仕草には、かなり敏感なのだ。

 そしてその目的も、自ずと悟れる。


「で、でもですね。やっぱり確認した方が良いとおもうんですよ。その、ちゃんと大丈夫なのかを」


 頑なに俺が見せようとしないのに焦れたのか、ヴァリファルは言葉巧みに俺のアソコを見ようと声を掛けてきた。

 しかし今の発言は色々とアウトだ。

 前世なら『ショタコン事案発生』ってタグが付きそうな物言いだと、気が付いているのだろうか。


――キチンと大丈夫ですよ。貴方の同年代の竜に比べて、形は綺麗ですし。大きさも大ぶりですので。

 はい、チサちゃんも悪乗りしない。

 いまこの状況で、そんな情報は求めてないから!


「い、嫌ですよ。なんか眼が怖いですし。それに……」

「こ、怖くないですよ。ちょっと緊張しているだけです。それと何ですか?」

「それに、ヴァリファルは。大丈夫かどうか分かるぐらい、コレ見ているんですね?」

「そ、そんな事無いですよ。ちょ、直接見るのは、は、は、初めてですし」

「なら見ても分かりませんよね。なら見せません」

「なッ。うぐぐぅ……図りましたね……」


 はい、図りました。

 悪乗りしたお詫びに、チサちゃんが全面サポートで図ってくれました。


「はぁ……分かりました。見るのは諦めます、今は」

「今はって。後にも見せる積りは無いんですけど?」

「ふふっ。大丈夫です、時が来れば自然と見ますし見せますしね」


 とりあえず、この場の危機は去ったと安心する。

 しかし怪しげな雰囲気をだすヴァリファルに、俺は思わず火山から離れて何処かに雲隠れしようかな、と考えてしまう。

 その願いが何処かの神に届いたのか、俺の感知魔法の範囲に続々と生命体の反応が出現する。


「……種族は人間が主流で、所々亜人種ね。あれ、反対方向からも来たや」


 この火山を中心に対称として、ほぼ同数の人数の集団が現れる。

 その二つの集団は、どうやらこの火山を目指しているようだ。


「そうでした。そういえば、この火山に来る前に、人の群れを見ていたのです。衝撃の事実を前に、すっぱりと忘れ去ってました」

「そういうことは忘れずに話してよ。でも、これはもしかして……」


 人間国家同士の戦争の地として、どうやらこの周辺が選ばれた様だな。

 しかしこの火山は、別にその集団が属ずる二つの国の境界線と言うわけじゃないんだけれど?


――ガワンペラード皇国側が、この戦争の引き金になった邪竜ジョット討伐の為に軍を出し。ノースレッシュ大王国側は、守護竜であるジョットを守ると兵を出したようですね。

 そういえば、俺って皇国側に邪竜認定されていたんだっけ。

 あれ? 大王国側が俺を守護竜にしたのは初耳な気がする。


――今まで出会った相手に、ジョット様は人死にを出してませんし。大王国の王家に一本。所属の冒険者に一本の竜牙の剣を授けたので。民たちからは守護竜だとの声が上がり。王家が追認した形で認定されました。

 そうなんだ。

 でも守護竜認定ってことは、もしかしてこの戦争に俺が介入するの期待している?


――いえ。ジョット様はこの火山から出る事が無いと思われているので。大王国の王家も、出てきてくれたら儲け物ぐらいで、勘定には入れていないようですよ。

 それなら別に出て行かなくても良いかな。

 でも大王国が負けたら、この火山に大群でやってくるんだよね。

 面倒だなぁ……

 っとチサちゃんと彼是と話し合っていて、ふとヴァリファルに眼が行った。

 なぜかと言うと、何かウキウキした様子で俺の方を見ていたからだ。


「……どうかしたの、落ち着かない様子だけど?」

「矮小なモノが大勢で攻め入ってきたのでしょう。これはもう、世界にジョット様の威光を知らしめる為の、絶好の機会ですよ!」

「……いや。人間を大虐殺なんてする気、無いからね」

「えええぇぇ~~。竜なら思い上がったモノへ、鉄槌を下すのは当然の義務ですよ!」

「思い上がったって。まだこの火山に攻め込まれた訳じゃ無いし」

「寝所の付近を武装して騒がしくした事は、十分大罪です! さぁ、さあさあさあ。殲滅しに行きましょう!」


 そう言えば、ヴァリファルって戦闘脳バトルジャンキーの気がある事を失念していた。


「ど、どうやら人間の軍同士が戦うみたいだから。別にそんな必要は無いのかなって」

「まあ。もう一つモノたちがいるのですね。そっちもついでに殲滅しましょう。アレは減っても直ぐ増えますし、気にしないでも大丈夫です!」


 このままでは押し切られそうだ。

 いくら今世で竜に生まれ変わったとは言え、人間を大虐殺する積りは無い。

 どうしようかと考えていると、チサちゃんからのサポートが来た。


――この状況を打開するに。――と言うのはどうでしょう?

 えぇ~……それはちょっとどうかなと思う。

 思わず俺の脳が、何を言ったのか理解拒否する程だし。

 でも、チサちゃんのサポートは的確だし。

 それ以上の妙案が思い浮かぶ訳は無いので。

 渋々と、チサちゃんの提案を受け入れた。


「あ、あのさ~。ヴァリファル」

「なんでしょう。殲滅する良い方法でも思いつきました?」

「いやその、殲滅はちょっと置いておいてさ。成竜になったら、確か結婚するって約束だったよね?」

「……そうでした。何で忘れていたんでしょう、このワタクシのバカ!」


 大事な事を忘れていた苛立ちを表す様に、ヴァリファルはその長い尾っぽで地面を打ち付ける。

 溶岩石が叩き割られ。付近にその飛沫が飛び散った音がした。


「そ、それでさ。成竜の挨拶を、ヴェナリにしに行った方が良いんじゃないかな、って思っているんだけど。どう思う?」


 苛々としたヴァリファルの様子を見て、怖々と提案する。

 俺の言葉を聞き逃したのかなと疑う程、ヴァリファルは急にピタリと動作を止めて俺の方に向き直った。

 当初は感情を窺い知る事が出来なかったが、段々と嬉しそうな雰囲気を全身から発し始めた。

 それを見取って、どうやらちゃんと聞こえていたらしいと安堵する。


「ほ、本当に、お父様に挨拶に行って下さるんですか? 今日。今直ぐに?」

「その積りです。今回は転移なんて無粋な真似はせずに、悠々と付近を探索しながら飛んで行くつもりです」

「ふ、ふふ、ふふふふふ。それならもうあんなゴミどもはどうでも良いです。ささ、早く、お父様の元へ行きましょう!」


 もう居ても立ってもいられないらしく。

 ヴァリファルはバサバサと翼を動かして、空中に浮遊し始める。

 その様子を見て、チサちゃんの提言とは言え早まったか、と後悔し始める。

 しかし吐いた言葉は呑めないので、諦めてヴァリファルの先導で空を飛び始める。

 目指すは一路、ヴァリファルの父親――ヴェナリの住処。




 途中で、皇国側の兵士が上空を飛ぶ俺らを見つけて攻撃し。

 それに怒ったヴァリファルが、上空から氷や竜の吐息を打ち下ろして壊滅したり。

 それを見ていた大王国側が、俺の名前を声高々に叫んで、永世守護竜に格上げされたりした。

 

 そして成人の知らせをヴェナリにした途端、結婚の宴が開かれてしまい。

 逃げ出す事が出来ずに、散々色々な物を食べさせられ飲ませられ。

 気が付いたらヴァリファルと一緒に、大きな洞窟に押し込められ、出口を岩で封鎖されてしまった。

 真っ暗な中、なにやら薬を盛られたらしいヴァリファルが俺に襲い掛かってきた。

 前世ではオタクで広い守備範囲を持っていたとはいえ、竜相手に発情できないと思いきや、俺のほうもチサちゃんの強化をすり抜ける媚薬を使われていたようで。

 あの名言「この後、滅茶苦茶性交渉した」といった状態に。

 ヴァリファルは叫ぶわ泣くわ、こっちは成竜に成り立てなのに息も絶え絶えで死に掛けるわと、散々な状況に。


「あ、あの……」

「何も言わないでください。なんでこんな事に。もうちょっと良い雰囲気なのを想像してましたのに……」

「はは。まさかこんな事になるなんて、誰も分からないでしょ」

「もう、一族といえど信じられません。ワタクシが信じられるのは、ジョット様だけです……」


 体格的に一回りは大きなヴァリファルに擦り寄られ、賢者タイムも手伝ってちょっと重くて鬱陶しい。

 しかし嫌な重さじゃないとも思えて、なんか益々俺の守備範囲が広くなり業が深まった気がした。


「しかし嫁さん貰って、子作りしたら。リア充確定だし、もうニートっていえないよなぁ……」

「どうかなさいましたか、ジョット様?」

「ううん、なんでもない」

「……ねぇ、ジョット様。まだ薬が抜け気ってないんです。だから、はしたないお願いしても良いでしょうか?」

「……しょうがないな。今日からは夫婦なんだし」


 こうしてニート竜としての俺の物語は、結婚と言う人生の墓場への直行ルートで終わりを告げた。

 その代わりに夫婦竜としての生活が始まったのだが、それはまた別の話しなので割断させてもらおうか。

 でもその前に、この後心配した竜族が出入り口の岩をどかすまで、二人で目茶目茶甘い性交渉をした。



おおよそこれで、小説一巻分になるかとおもいます。

目的であった指慣らしも済みましたし。

これでこのお話は終わりにします。

数々の反響と御意見、大変参考になりました。

次回作以降に、生かせればと思います。

これまでのご愛読、有難うございました。

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