〜終章〜
『白虎士中二番隊 飯盛山での自刃者』
・安達藤三郎 享年17歳
・井深茂太郎 享年16歳
・津川喜代美 享年16歳
・永瀬雄次 享年16歳
・野村駒四郎 享年17歳
・間瀬源七郎 享年17歳
・簗瀬勝三郎 享年17歳
・有賀織之助 享年16歳
・石田和助 享年16歳
・伊藤俊彦 享年17歳
・篠田儀三郎 享年17歳
・鈴木源吉 享年17歳
・西川勝太郎 享年16歳
・林八十治 享年16歳
・簗瀬武治 享年16歳
以上、十五士。
・石山虎之助 享年17歳
後に同じ行動を取る。
計 十六士。
翌月9日、朝。
庭で物音がする。障子を開けると、父が焚き火をしているのが見えた。
父は手にしている紙をしみじみと見つめ、その紙を火の中へ放った。
そういえば父は毎年このくらいの時期に焚き火をしていた。何をしているのか、今の私ならだいたい想像がつく。
父が私の視線に気づいた。
「起こしてしまったか」
「いえ。おはようございます」
外へ出た。何と声をかけようかと考えていたら、父が先に語り始めた。
「わかっている。飯盛山での自刃者だけが会津戦争の犠牲者ではない。会津戦争だけが戦争ではない。それでも私は彼らを弔ってやりたい。唯一生き残ってしまった者の身勝手だ」
「父さんが身勝手なら、私も身勝手ですね。父さんが生きていてくれて良かったと思っているのですから」
父が驚いた顔をこちらに向けた。
煙が天へ昇る。目で追い、空を見上げた。
光りが降り注いでいた。
《END》
(あとがきに続く)