表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/15

エピローグ「そして楽園は続く」

 あれから数年が経った。

 カイル農園は今や大陸最大の農業都市へと発展し、「食の聖地」として巡礼者が絶えない場所となっていた。

 かつての「死の荒野」という呼び名は消え、今は「緑の聖都」と呼ばれている。

 王国は第一王子の失脚後、第二王女が即位し、僕たちとの国交を回復して、なんとか食糧難を脱したらしい。

 そして、カボチャハウスの庭先。

「パパ!見て見て、大きなお芋が取れたよ!」

「ママ!私はトマト取ったの!」

 二人の小さな子供たちが、泥だらけになって走ってくる。

 銀髪の男の子と、黒髪の女の子。僕とソフィアの子供たちだ。

 背中には小さなフェンリルのぬいぐるみを背負っている……と思ったら、本物のフェンの子供たちだった。フェンもいつの間にか家族を持っていたのだ。

「おっ、すごいな。レオンもミナも、才能があるぞ」

「ふふ、将来はパパみたいな世界一の農民になるのかしら?」

 エプロン姿のソフィアが、優しい眼差しで子供たちを見つめる。

 彼女のお腹はまた少し大きくなっていた。

「農業もいいけど、ママみたいに優しい人になってほしいな」

「あら、カイル様ったら」

 僕たちは微笑み合い、子供たちを抱き上げた。

 風が吹き抜け、世界樹の葉がサラサラと歌う。

 土の匂い、緑の香り、そして夕飯の支度をする美味しそうな匂い。

「さあ、ご飯にしようか。今日のメニューは特製カレーだぞ」

 二人は声を揃えて歓声を上げ、家の中へ駆けていく。

 僕とソフィアは手を取り合い、ゆっくりと歩き出した。

 追放されたあの日、絶望だと思っていたこの場所は、今、世界で一番幸せな楽園になった。

 僕の、そして僕たちの大切な庭。

 これからも、この豊かな実りある日々を守っていこう。

 そう心に誓い、僕は愛する家族と共に温かな食卓へと戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ