第2話 貴族の女は面倒臭い
「……あの──すいません……」
ノーティーは、瞬時に手を離し、謝罪をした。
「大丈夫ですよ── 気にしてませんから!」
ピンク髪の美少女は、嫌な顔一つせずに答えた。
ノーティーには、彼女の笑顔が女神のように思えた。
そして、ピンク髪の美少女に会釈をし、その場を立ち去ろうとした。
ただ、この状況に納得行っていない人物が一人いた。
「── ちょ、ちょっと── 待ちなさいよ!!」
金髪の美少女が、ノーティーに強めに声をかけた。
「── オ、オレ?」
「それ以外誰がいるのよ、『変態』!!」
「変態── といわれましても、不可抗力でして……反省はしてますよ??」
「いいえ。あなたはわざとよ! 騙せると思った?? 全ては仕組まれているんでしょ?」
(── は?? 何言ってんだ??── 金髪は、面倒臭いタイプなんだな)
「── ちょっと、言っている意味がわかりません。第一、あなたに触れたわけではないですし── 触れるほどありそうになさそうですし── 」
ノーティーは戦闘以外では、人と接する機会が極端に少なかった。
女子に、身体的特徴についていうことがどれほど、問題なことを知らなかった。
金髪の美少女は、顔を真っ赤にして、怒った。
「── は?? ── よ、よくも言ったわね?? 変態のくせに!!」
「ちょっと、落ち着こ?? ── 私は大丈夫だよ?
それに、あの人の言う通り、わざとじゃないと思うよ?
── 助けてくれた人なんだし」
ピンク髪の美少女は、ノーティーをフォローをした。
(── やはり天使だ。この地区にも──いい人はいるもんだな)
「そもそも、それが計画的なのよ!! だって、おかしいと思わない? あの酔っ払いが、注意しただけでおとなしくなるなんて」
「── た、たしかに──」
(それは── オレが殺気を出したから、それにビビっただけだろ── )
「おそらく、あいつと酔っ払いはグルね! 金で買収したんだは。それで私たちにつけ込んで連絡先でも交換しようとしてたんじゃないかしら。一種のナンパテクニックね」
(おいおい。なんでもありだろコイツ……。席だって──偶然だろ?)
「でもさ、ブレーキかかったのはたまたまじゃない?」
(そうそう!! さすが天使!)
「私もそう思ったよ。でも、すぐに立ち上がったでしょ? わざわざ歩かなくてもいいのにさ。急ブレーキがなくても、こけたふりをするつもりだったのよ」
「んーーー。考えすぎじゃない?」
「そうかしら?? 色々と調べたら、わかるかもしれないわよ?」
(── 困ったな── 出身とかバレると冤罪になる可能性もあるし……。貴族地域で生きていくのは大変だな── )
「わかったよ。でも、酔っ払いに直接聞かないと証明できないから、私たちこのままだと証拠ないじゃん??
酔っ払い探すのも面倒だし、今回のところは行かせてあげない?」
「── 本当に優しいんだから。わかったわよ……
── ってことで、行っていいわよ。今回は見逃してあげる。次はないからね」
(なんでこいつはこんなに偉そうなんだよ。── まあ、いいか── これ以上は、オレも時間かけたくないしな)
ノーティーは少しイラつきながら、会釈をして、隣の車両に移動した。
(金髪は大体、ツンデレになるよね……)




