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顔面ボロボロでゲットした依頼、ほんとに“のんびり日常系”ですか!?

昨日は更新できず、本当に申し訳ありません。体調不良のためお休みさせていただきました。すみません!

もし気に入っていただけたら、ぜひ多くの方にシェアしてください!

また、同じ名前のTwitterのプロフィールページにもコメントをいただけると嬉しいです!

事ここに至って、ようやく俺は気付いてしまった。

なぜ冒険者って職業があれだけ儲かるって言われてるのに、この街の冒険者たちは全然裕福そうに見えないのか、その理由を……。


「くそっ、なんだよこの依頼!報酬が高いやつは俺たちには到底無理なやつばっかりだし、俺たちにできそうなやつは報酬が雀の涙かよ!全然割に合わねえじゃん!」


この極端すぎる依頼の差、なんなんだよ!?ぼったくりにもほどがある!


もう笑えてくるレベルだ。

依頼こなしてお金稼ごうと思ってたのに、ギルドの掲示板見たら良い依頼はもう全部取られてて、残ってるのはみんなが一瞥してそっぽ向いたような残飯依頼だけ。


ちょっと前まで調子に乗ってたけど、財布の中身がどんどん減っていくと、やっぱりキツいな……。


「はぁ、だって毎回新しい依頼が更新されると、良いやつは真っ先に奪われるもん。残ってるのは、他の人が『無理』って判断したやつだけだよ?」


そう言いながら、柚花は高額報酬だが超難易度の依頼から手を引いた。


「いい依頼が無いなら、更新待つしかないね。」


そうか、じゃあ今日もダラダラ過ごすか……。


涼しい場所でドリンクのおかわりを待ちながら時間を潰す俺。

ちなみに、今日は珍しくウナーシャが朝からあの水場に行かず、エアコンの効いたここにちゃっかり座っていた。


「おい、なんでずっと俺のこと見てんだよ?ポテト食べたいのか?欲しいなら言えよ、ほら。」


「お、ありがと。……いや、今日なんで外出てないのかなって思ってさ。」


「えっ、それは……その、だな、あはは……」


ウナーシャは視線を逸らし、俺の目を一切見ようとしなかった。


「ほら、俺たちもう付き合い長いんだから、言ってごらん?誰も怒ったりしないよ?」


俺は優しく声をかけた。


「じゃ、じゃあ言うけど、怒らないでよ?」


「うん、怒らないよ。」


「叩かないでね?」


「うん、叩かない叩かない。」


俺の優しい返事にウナーシャは深くため息をついてから、一気に言い放った。


「昨日の帰りにね、ごはん食べに行ったんだけど、今朝起きたら財布が無くなってたの!」


「バッカじゃねーの!」


俺の手刀が彼女の頭を正確に叩き、ウナーシャは「ひぃっ!」と悲鳴を上げてテーブルに突っ伏した。


「いったぁーい!ちょっと!叩かないって言ったじゃん!なんで叩いたのよ!」


「お前の行動にマジで頭に来たんだよ!ポケットにボタン付いてたろ!?それちゃんと締めてたら落とすはずねーだろ!一体どうやったら無くすんだよ、アホか!」


俺がさらに追及すると、ウナーシャは視線を泳がせながら、指に挟んだポテトで俺を指差し、


「た、たしか……会計終わった後、テーブルの上に……置いた、ような……」


声がだんだん小さくなり、顔色が見る見るうちに青ざめていく。


「お前、一ミリも無くした経緯考えてなかったんか!!」


ウナーシャは突然立ち上がり、勢いよく外に飛び出して行った。


……そしてしばらくして、絶望の表情で戻ってきた。


「なかった……全然なかった……店主にも聞いたけど、見てないって……」


「はぁ、まあ、いい勉強になったってことで。俺も怒りすぎた、ごめん。」


俺は彼女の肩を軽く叩き、ウェイターに声をかけた。


「すみません、ポテトの大盛り、もう一つお願いします。」


ウナーシャは元気なく机に突っ伏し、ドリンクのストローで氷をカラカラ回していた。


すぐに熱々のポテトが届き、それを彼女の前に差し出した。


「お前、ポテト好きだったろ?ほら、食えよ。あんま考えすぎんな。」


その一言で、ようやく彼女の顔色がほんの少しだけ和らいだ。


「……リョウスケって、こんなときにもポテトくれるなんて、もしかして意外と良い人なんじゃ……?」


「お前、好感度アップ狙いのセリフ言ってんじゃねーよ。俺は元々いい人だっての。」


ウナーシャはポテトを一口かじり、ぽつりとつぶやく。


「実は、ポテトそんなに好きってわけじゃないんだけどね。」


こうして、財布紛失事件は一旦の終わりを迎えた。


「……てかさ、お前そのポテト、どうやって買ったんだよ?財布無いんじゃなかったの?」


ウナーシャはケチャップをポテトでくるくるしながら、あっけらかんと答えた。


「家にちょっとだけ残してたお金があったんだよね。」


「ちょっとって、いくら残ってんの?」


どれくらいあるんだ?


「多くないよ。278しかない。」


ウナーシャがポテトで時間を潰してる間、俺はギルドの依頼板の前にギルド職員が新しい紙を貼ってるのに気が付いた。


「おい、柚花、あれってもしかして新しい依頼じゃないか?」


少しずつ、周囲の冒険者たちがざわざわし始め、板の前へと集まっていく。


「うん、どうやらそうみたいだね。」


柚花も顔を上げ、様子を見てから表情を引き締め、口調を改めた。


「ね、リョウスケ。私、君たちより少し前にここに来てたから……もうあの光景は見慣れたんだよ。」


彼女は溜息をつきながら、まるで修羅場を思い出すような目をして続けた。


「依頼更新のとき、特にみんなが金欠で、財布が紙飛行機になる頃……まるで戦争なの。マジで流血沙汰になるんだから。私なんて背も低いし、いつも遠くからいい依頼が奪われるのを見てるだけ……。」


彼女は俺に信頼のこもった目を向けた。


俺は立ち上がり、身体を軽くほぐしてから、ウナーシャに言った。


「しょうがないな、ウナーシャ、敏捷と幸運、頼むわ。」


「はーい!『風走の祝福』『女神の祈り』!」


体がふわっと軽くなったのを感じると、俺は即座に前へ突っ込んでいく。


すでに現場は煮え立つ寸前の鍋状態。冒険者たちは獲物を狙うサメのような目で板を囲み、あの顔もこの顔も見覚えがある。

——ライアン、カールス、お前らもか!


よし、こっちも本気出すか!


「今回の依頼更新は、主にアルバイト系の……」


職員が説明し終えるより先に、餓えた冒険者たちがワラワラと突撃した!


「ぐわっ!誰だ俺の足踏んだやつ!!」


「ふざけんな!それは俺が先に取ったんだぞ!」


「いやいやいや、こっちの方が先だったからな!」


「あとちょっとだったのにぃぃ!」


「やった!ゲットだぜ!!……って幼竜討伐じゃねーか!ムリィィ!」


その騒がしい乱戦の中、俺はスキル効果でどうにか前列に食い込んだ。


「クソッ、狭すぎる!」


人混みに揉まれつつ、必死で手を伸ばし、委託板にある紙を掴み取る!


——取った!


即座にそれを胸に抱えて後退し始めた——が!


「ドゴッ!」


突然、肘鉄が俺の肋骨に炸裂した!


「ぐああ!」


その後も次々に肘打ちを喰らいながら、人混みから転げ出た。


「おいマジかよ、手加減ゼロかよ……」


地面に倒れ込み、鼻血っぽいぬくもりを感じる俺。


それを見た柚花とウナーシャが慌てて駆け寄ってくる。


「リョウスケ!リョウスケ、大丈夫!?」


「これが大丈夫に見えるかよ……あの連中マジで容赦ねぇ……」


ウナーシャが俺に手を当て、呪文を唱える。


「『治癒ちゆ』!」


顔面ボコボコの俺だったが、傷はみるみるうちに癒えていく。


「ぷはっ、生き返った……ありがとう、ウナーシャ。」


「えへへ、どういたしまして~。それより、どんな依頼ゲットできたの?」


俺の褒め言葉に喜ぶウナーシャが聞いてきたので、テーブルに戻り、紙を取り出して広げて見せた。


「臨時警備の仕事……一日で100ルカか。悪くないな。」


詳細を確認すると、それは都市管理局が発行した緊急依頼。

列セニア市内で重大事件の発生により警備員の大半が動員され、街中の警備が手薄になったため、冒険者ギルドを通じて補充要請が出されたらしい。


つまり、冒険者に警察の代わりをやらせるってわけか。


「見てこれ!パーティー参加可ってあるよ!つまり、俺たち三人でやれば一日300ルカだよ!」


「……その報告、必要ある?」


ウナーシャの脳筋っぷりにツッコみたくなる俺。

こいつほんと、観光気分で来たんじゃねーか?


飯を軽く済ませた俺たちは、早速警察署へ向かい、依頼書を見せて自己紹介。


応対してくれたのは、眼鏡をかけた警官だった。


「いやぁ、助かりますよ。ほとんどの警官は別の任務で動いてて、残ってるのは文官ばっかりでして。あ、私はシェルゲイと申します。」


お茶を出してくれたシェルゲイ警官は、話を続けた。


「さて、本題ですが……この仕事、基本的には街の巡回や交番での待機、通報の対応などが主な任務です。でもですね……」


そこにノックの音。


「失礼、机の上の食べ物はご自由にどうぞ。」


シェルゲイ警官はそう言い残して出ていった。


「シェルゲイ先輩!こちらの書類をご確認お願いします!」


「了解、見せてくれ。」


——数分後、シェルゲイ警官が戻ってきた。


「話、どこまででしたっけ?ああ、そうそう。ただし、この仕事、ただ巡回して座ってるだけじゃ報酬は出ません。クレームが入ったら減額対象になりますので。」


減額⁉


「す、すみません、減額の基準ってどうなってるんでしょうか?」


柚花が尋ねると、彼は少し背筋を伸ばして言った。


「ケースバイケースですね。大事になればなるほど減額も大きく、小事なら少なくなります。」


「……その大事と小事の線引きは、誰がどう判断するんですか?」


柚花の核心を突く質問に対して、シェルゲイ警官は無言で棚から箱を取り出した。


「この中に必要なものが入ってます。なくさないように。」


そこから小冊子を3冊取り出し、俺たちに配ってきた。


「これはマニュアルです。基本的なルールや注意事項が全部載ってます。分からないことがあったら私に聞いてください。無くすなよ?」


中身をサラッと確認した後、ポケットにしまうと、また別の冊子を3冊配られた。


「これは簡易法典。冒険者向けにアレンジしてあるので、基本的な判断はこれで可能です。あと、これも忘れずに。」


今度は箱から腕章とベルトを3つずつ取り出し、ベルトには警棒が装着されていた。


「これらが明日から使う装備です。準備ができたら、明日の朝7時半にここへ来てください。では、私はこれで。」


そうして警察署を出た俺たちは、家に戻ってマニュアルを読みながら、早めに床についた。


明日は早いからな。


「「「おやすみ。」」」


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