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二日酔いと懐中時計と半額焼肉券

「ん?頭が痛い!もう翌日か?くそ、昨日のその後何があったんだ…」


自然に目が覚め、頭痛に耐えながら体を起こす。これが二日酔いか!冗談じゃない、もう二回目だ。


見慣れた小部屋と、だらりと傍らの隅で本を読んでいる柚花を見る。


俺が起きたのを見て、柚花は一瞥くれ、また本に目を戻した。


「あのさ、昨日の最後どうなった?」


少し気まずそうに柚花に聞く。だって昨日の記憶って、野球拳を始めたとこまでしかないんだもん。


「昨日はね…」


回想する柚花の頬がほんのり赤くなり、本で顔の半分を隠し、双眼だけ出して小声で言う。

「…アームストロング回転加速噴進式アームストロング…砲…」

その後、恥ずかしそうに顔を隠した。


待て、なに!?

「ちょっと…マジで言っちゃったの?ってことは俺負けすぎて裸んぼ?え?待て?なに?ちょっとまって、違う?あああ!いったい何があったんだ!」

くそっ!頭が混乱する!俺は裸で走り回ったのか?それとも何なんだ!待て、服は着てるぞ、違う、まてよ!誰が着せてくれたんだ!


もう顔も見られたもんじゃない!

「あああああああ!地縫いに入りたい!わあああああ!」


頭を抱え、ドアの傍の隅に隠れ、昨日いったい何があったか必死で思い出そうとする。


「ただいまー!」


ドアが勢いよく開けられ、ウナサが興奮して飛び跳ねながら入ってきた。手には大きな袋を持っている。


俺は惨めなことに、ドアに直撃された。

「あっ!大丈夫?涼介?」

「……わざとやってるのか?くそ、鼻血が止まんねえぞ!」


鼻を押さえながらウナサを睨むと、彼女は舌を少し出して首をかしげ、手で軽く頭を叩き、「えへ」と言ってから、傷の治療に来てくれた。


「ところでなんでそこで隠れてたの?誰も来ないってわけじゃないんだから、怪我しやすいよ?」

「悪かったよ、そこに隠れたのが悪いのは認めるけど、いつもそうやってドア開けるのやめてくれない?壊したら直さなきゃいけないんだぞ、ここは借り物なんだから…」


そう言うと、ウナサは首を振った。明らかに聞いてない。まあいい。


絶えず流れる鼻血を治してもらった後、ウナサはとても楽しそうに持ってきた袋のところへ跳ねていき、中を探り始め、やがて見覚えがあるようでないような棋器を取り出した。

「じゃじゃーん!象棋シャンチーだよ!誰か一局やらない?」


ウナサはとても興奮して言いながら、手に持った駒を振った。傍らにいた柚花はそれに興味を持ったようで、本を置いて言った。

「象棋…故郷でよくお年寄りが指してるのを見たわ。私もやったことあるから、やりましょ!」

「そうそう!そうこなくちゃ!」


そう言いながら、ウナサは素早く盤を並べた。あっという間に準備が整い、整えると自分が赤側(先手)に座り、柚花に来るよう合図した。


柚花が準備すると対局が始まった。双方が駒を取り合っている。どうやら、将棋とは別物のようだ。

「なあ、この…地方には将棋ってあるのか?」


危ない…「世界」って言うところだった。

「あるよ。それだけじゃなく、チェス、五目並べ、囲碁とかもあるよ。それぞれ流派もあったりするんだ」

ウナサは指しながら言った。


なるほど。そのうち将棋盤を手に入れて遊んでみようか。


話している間に、ウナサの「兵」が二つ取られた。


対局は30分以上続き、結局ウナサの惨敗で終わった。しかしウナサは明らかに納得していない。

「うわあああああ!なんでなんだー!」

「うーん、ルールはよくわかんないけど…結構な勝ち筋を見逃してなかったか?」


「だったらお前がやってみろよ」という表情で俺の髪を掴みに来るウナサを無視し、ウナサが持ってきた袋を見ると、見慣れた物が見えた。

「これは…風鈴?」


袋の中に丁寧に包まれた風鈴を取り出す。よく見ると俺の家にあったものとそっくりで、色も青い。

「めっちゃ似てるでしょ?私は五色買っちゃった。別荘に引っ越す時に付けよう、どう?」

ウナサは俺の頬をツンツンしながら、笑いながら言った。

「ああ、いいねえ。でも秋前に買うのか…まあ、それもいいか。ところでどこで買ったんだ?前はこんなの見かけなかったけど」


そう言うと、ウナサはくすくす笑って言った。

「行商人の一団から買ったの。それだけじゃなくて、他にもいい物がたくさん…」


そう言いながら、ウナサは袋を探り、やがて精巧なミニアンカーと灯台の水晶球の置物を取り出し、ブルーの狸猫のような格好で掲げ、効果音まで付けた。

「じゃじゃーん!昔のハーフェンストラントの特産品らしいよ。古物だから結構高かったんだ。あげる!柚花!柚花ってハーフェンストラント出身だったよね?これ最高でしょ?」


柚花は明らかに一瞬硬直し、口元がほろりと緩んだが、すぐにそれを少しだけ押し殺した。彼女はその輝く二つの古物を受け取り、指でそっと冷たい水晶球を撫でたが、その眼は一瞬、虚ろになった。笑顔なのに、何かを必死に隠しているようで、懐かしさ、切なさ、純粋な喜びのうち、どれなのか一瞬で見分けのつかない複雑な表情だった。

「あ…うん、ありがとう、ウナサ。大切にするね!」

——絶対に何かある。


「はは!喜んでもらえてなら、儲けもんだ!へへ、それと…」


そう言うと、ウナサはまた三つの懐中時計を取り出し、一つは鉄十字が刻まれたものを俺に渡した。手に取って見ると、これは古い様式だが手入れが行き届いている感じで、上方には「Gott mit uns」、下方には「IN KAMERADSCHAFT - TOBRUK 1941」、最下部には「2.Kp./ Pz.Rgt. 5 / 5. leichte Division」と刻まれている。


読めないけど、一目でドイツ語とわかる。まさか第二次大戦の古物が手に入るとは…

「80年くらい前の、ドイツ兵を自称する男が貴族に送った謝礼らしいんだ。最近その貴族家が財政難で安く売りに出して、何度か転がってようやくここまで来たって…わかるだろ?」

そんな含みのある目で見つめないでくれ、わかるよ。まさか第二次大戦の古物が、なぜ異世界に…あれ?そういえば?なぜ俺は異世界に?うーん…


「それと、柚花にはこれ。ベテランの船長から手に入れたらしいよ。どう?」

表面はアンカー、裏面は船の刻まれた懐中時計が柚花に渡された。これにも柚花は嬉しそうだった。

「ありがとう!」

「あら自分達だから礼なんていいよ。それにこれらの時計、外で時間合わせてきたから安心して使ってね!それと…」


そう言いながら、ウナサは大袈裟に自分用の懐中時計を見せびらかす。そこには美しい女神像が。見れば見るほど見覚えが…

「これは…」

「これは私…えっと、ウナシャ女神の美しいお顔が刻まれてるの!素敵でしょ!」

ちぇ、自恋狂め。


「そういえば…ウナサさん、聖裁の砧密教会が信仰する女神とお名前が同じだけじゃなく、お姿もほとんど変わらないんですよね。とても幸運なことですね」

「えへへ~褒めないでよ~へへへ」

柚花の一言でご機嫌になっている。ったく。


でも…ウナサが買ってきてくれた小さな品々を見ると、心はほっこり温かくなる。


「そうだ、これも」

そう言いながら、ウナサは三枚のチケットを取り出し、ひらひらさせた。

「行商人から買った、ここで一番高級なレストランの半券。期限も過ぎてないし、食べに行かない?」

「行商人って無敵すぎない?なんでも揃えられるんだな…」

そう言うと、柚花はとても驚いた表情を浮かべ、言った。

「行商人は元々すごいのよ。国内のもので、稀少すぎたりマニアックすぎたりするものでなければ、大概何でも揃えられる。それに行商人より、旅商人の方がもっとすごいのよ。彼らのところでは、ほぼ何でも買えるって言われてる。王族がずっと前に失った家宝を彼らから買った人もいるらしいわ」

「そ、そんなにすごいのか?」

俺の反応を見て、柚花は怪訝な顔で聞いた。

「これ常識じゃないの?」

「ご、ごめん…」


この世界…思ってた以上にすごいな…まだまだ溶け込めていないようだ。


「じゃあ、ご馳走食べに行こう!」

「「はい!」」

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