焼肉とビールと二日酔い英雄伝(?)
ちょっとバタバタしてて、2日間更新できませんでした。本当にごめんなさい!
あの日からもう半月が過ぎた。今日は久々の休日で、それぞれ別行動を選んだ。
ウナサもユカもいない。昼過ぎに起きた僕は、本当にやることがなくて、久しぶりにギルドの冷房を頼りに行った。
やっぱりギルドは避暑に最適だ。
「佐藤涼介様、未受け取りの報酬がございますよ」
は?最近依頼なんて受けてないけど?システムのバグか?そう期待しながら近づいたけど、得られたのは別の予想外のものだった。
どうやら先日の“砕骨者”事件でウナサに助けられたあの三人組の不運な冒険者たちと、あの頑固な女性冒険者がいたらしい。彼らはどうしても感謝を伝えたくて、この間僕たちがギルドに来なかったので、他の任務もあるから仕方なく、お金を預けて渡してほしいと頼んだらしい。
僕は、金貨が入ったずっしりとした小さな袋を手にしたが、どうしても嬉しい気分になれなかった。
正直、僕は何もしてないよ。人を救ったのはウナサだ。
僕は…ただ、そばで見てただけだ。
このお金は手に持つと熱い…後で全部ウナサに渡そう。
そう考えながら、冷房の吹き出し口付近の席へ移動した。いい席は奪い合いだ。幸い今日はそれほど混んでいなくて、冷房直撃ゾーンの一番のVIPコーナーを無事占領した。
ところが、まだお尻が温まらないうちに、背後で聞き覚えのある声がした。
「おー!涼介!来たのか!」
振り返ると、顔見知り──カールスたち三人組だった。
「おー、やあ。リンは?」
「リンか?あの子はな、道でお前のパーティのウナサとそのユカに会って、水遊びに行ったよ」
カールスは肩をすくめて、全く気にしていない様子で言った。
彼らが僕のテーブルの空いてる席に座ると、飲み始めた。ここに来て依頼も取らずに冷房だけ頼るわけにはいかないだろ?
僕ら数人は空いてるテーブルを見つけて座り、飲み物を飲みながらボーッとした。
だって、こんな日にギルドに来て依頼を受ける気もなくて、他に何ができる?時間をつぶし、冷房にあたり、ついでに人生を愚痴るだけさ。
「超つまんねぇ…」
僕は顎を支えて、憂鬱そうにため息をついた。
「そういえば、リアンは?」
僕は何気なく聞いた。あいつは普段ヒマさえあればギルドにいて騒いでいるのに、今日は静かだなと思いながら。
「あいつか?」
ランサーがビールを飲みながら手を振った。
「数日前に出てったよ?どこへ遊びに行ったのか知らねぇけど、誰かとダンジョンに潜るって聞いたぜ」
「……あいつ、本当に落ち着きがないな」
リアンはレセニアでは知らぬ者のいない冒険者で、強いだけでなく性格も良く、ギルドの女性冒険者も多くが彼に好意を持っている。ちょっと大げさだと思うけどな。
「ちっ、面白いことねぇな、退屈だぜ」
「「「同感!」」」
何をしたらいいんだ?パソコンやスマホがあればなぁ…それ以外に何がある?
以前なら、間違いなく家にこもってアニメを見たり、スマホゲーをしたり、ゲーム友達とマインクラフトをしたりしていただろう。でも…ここは異世界だ。Wi-Fiどころか、ボール一つ買えない。売ってるのを見たことないだけかもしれないが。
地球での生活を懐かしみ始め、夏にグビグビ飲んで、バーベキューして、ミストシャワー扇風機の光景が頭に浮かんだ…
待て!
「……あっ!思いついたぞ!」
僕は突然立ち上がると、三人の目が輝いた。
「「「願い聞くぞ!」」」
僕は右手を高く掲げ、救世主の降臨を告げるかのように荘重な口調で言った。
「──景色のいいところで、酒を飲みながら焼肉をしようぜ!!」
その言葉が終わらないうちに、三人はほとんど同時に飛び跳ねた!
「そうだ!それだ!」
「そうだよな!夏は野外で焼肉しながらビールだ!基本中の基本のロマンを忘れてたぜ!」
「涼介!そのアイデア最高だぜ!決まりだ!」
決まったら即行動!男四人組は子供の下校のように、大喜びでまっすぐ市場へ駆け込んだ。
僕らは大きなビール樽一つ、木製ジョッキ四つ、背もたれ付き折りたたみ椅子四脚、そして焼肉セット一式と炭、それに山のような肉、野菜、調味料、タレを買い込んだ。
かなり金を使ったけど、たまにならいいだろ?!
今日は晴れていたけど、不思議なことに──暑くもなく日差しも強くなく、風にはほのかな涼しささえ感じられた。焼肉には最高の日だった。
「……この天気、焼肉にぴったりすぎるな」
僕はバーベキューセットの部品を抱えながら感心し、足取りも軽くなった。
僕らが張り切って、意気揚々と出発準備をしていると、酒樽を背負ったカールスが突然立ち止まった。
「待て、一つ思い出したぞ」
彼の声には不吉な重みがあった。
「俺たち…どこで焼肉するんだ?」
…
その一言で夢から覚めた!
沈黙が三秒続き、全員の表情が一斉に固まった。
…確かに、買い物から出発まで、目的地の話はまったくしてなかった!?
「えっと…」
「うーん…」
「まさか焼肉場所すら決めてなかったのか…?」
じゃあどこがいい?
「うーん…どこがいいかな、できれば人里離れた場所…人が多いと通報されやすいしな」
僕は最近通った場所を思い返し始めた。景色が良くて、邪魔されない場所…
突然!
脳裏にひらめきが走った!
「──わかった!ついて来い!」
僕はくるりと背を向けて歩き出した。
「おいおい!待ってくれよ涼介!俺、酒樽背負ってるんだぞ!歩くの遅くしてくれよクソ野郎!」
僕が先頭に立って、静かな路地をいくつか抜けた。曲がり角と赤レンガの壁が、馴染み深くもどこか見知らぬものに感じられた。少し回り道をして、ついにあの場所に着いた──
「おおおお!涼介、こんな景色のいい場所、いつ見つけたんだ?」
ミエスは興奮してキョロキョロと周囲の景色を見ながら奇声を発していた。
僕はドアをノックした。
黒崎兄貴がドアを開け、半分だけ顔を出して僕を見た。
「用は?」
「あの、ここで焼肉したいんですけど、いいですかね…」
僕の言葉が終わらないうちに、彼は目を見開き、まるで大きな侮辱を受けたかのようだった。
「ありえねぇだろ?焼肉食うのに俺を呼ばないだと?俺を誘惑しに来たのか?仲間に入れろクソ野郎!治療代取るぞ?!」
こ、こいつ…
こうして、黒崎兄貴が飯のメンバーに加わった。
「そういえば、一樽で俺たち五人分足りるのか?」
バーベキュー台を組み立てている最中にハッとし、あのビール樽を見た。
どう考えても、確かに足りない。
「どうする?誰が買いに行く?」
「じゃんけんだ、負けた奴が行け」
カールスは自信満々に提案した。
「俺の勝率は高いんだぜ!」
僕ら五人で一列に並び、厳陣以待。
「「「「「じゃんけんぽん!」」」」」
こうして────────!
「ちくしょう!なんでまた俺なんだよ!勝率高いはずなのに!くそったれ!」
カールスは呆然とした顔で、空を仰ぎながら地面にへたり込んだ。僕らはクスクス笑いながら、彼を出発させた。
不服そうなカールスが路地の向こうに消えかけた時、黒崎が大声で叫んだ。
「二樽買ってこいよ!」
「そうだな!」
「ちくしょー!重くて死んじゃうだろ!」
僕らはカールスの文句を聞かなかったふりをして、組み立て作業を続けた。
カールスが汗だくで戻ってきた時、僕らはもう肉を焼いていた。
「お!おかえり!」僕は肉串を振って挨拶した。
「クソ!待ってもくれなかったのか!すごく苦労したんだぞ!」
カールスは樽を放り出すと突進してきた。ミエスは手際よく彼の分に取っておいた肉を出した。
「ほら、熱いうちは食べるのが惜しくて、特別に取っておいたんだぜ」
「……今は冷めてるけどな」
「この野郎ども、俺がいない間に一番焼きやがったな!」カールスは文句を言いながら皿を掴み、肉を二、三口で飲み込んだ。
「そういえば…まだ酒飲んでないのか?」
彼は開封されていない二つの樽を見て怪訝そうな顔をした。
「ああ、まずは何か食べようと思ってな」僕は酒樽を指さした。「飲みたければ先に開けていいよ、道具はそこにある」
カールスは遠慮なく樽開けの道具を手に取り、「ガンッ」と蛇口をはめた。
「さあさあ!飲みタイムだぜ!」
自分のジョッキにたっぷり注ぎ、一気に流し込んだ──
「ぷはーー!!」
最高の爽快感が顔に満ちた。
「……これだよ!これが人生だぜ兄弟たち!」
「もう開けたんだから、みんなで飲もうぜ!」
黒崎兄貴はどこからか大きなジョッキを取り出し、駆け寄って一杯注いだ。
「うわ!速い!」
「おい!俺が注ぐんだってば!」
全員のジョッキが満たされると、僕らは輪になってジョッキを掲げ、互いを見つめた。
「「「「「乾杯!」」」」」
高々と杯を合わせて、一気に飲み干す!
「「「「「ぷはー!」」」」」
これが夏だ!俺たちの夏だ!
「超サイコー!うん!この肉焦げてるじゃん!」
「おい!早く食えよ!」
そう、酒を飲んだ後の話題は大抵、振り返りたくないものだ。
「昔な、勇者を自称してた連中よ!マジでナルシストの集まりだったぜ!」黒崎は一杯飲み干し、頬を赤らめながら口調がますます激しくなった。「チートアイテムをいくつか持ってるってだけで、一人残らず天狗になって、『ふんっ、我こそは神に選ばれし者、聖剣を握りしめ、聖なる蒼き宿命を背負い、この世界を救うために参ったぞー!』なんて調子で!」
「「「「「ぷっはははははははははははははははははーーーーー!」」」」」
これマジでウケる!はははははははははははは!
「だろ!?あの時は気まずくて足の指で三LDK掘りたくなったぜ!しかもあの女共がそれに乗るんだよ!喜んでハーレムの一人になろうとするんだ!羨ましいって言うか嫉妬してしまうって言うか!うぐぐ!」
「そりゃそうだろ!あいつら、ルックスが良くて、金持ちで、それに実力が超強いって特典がなければよ」
カールスは羊肉串をガツガツ噛みながら怒鳴った。
「女が寄ってくるわけねぇだろ!俺もハーレム欲しいんだよクソ野郎!なんであいつらは来ただけで女に囲まれるんだ!?不公平だぞ!」
「やめてくれ…」ミエスは歯を食いしばり、怨念に満ちた表情で言った。「俺もあの連中の台詞を真似してナンパしてみたんだ…そしたら精神異常扱いされて治安官に通報された…」
一同沈黙し、次の瞬間、爆笑が起こった。
「「「「ぷはははははははははは!」」」」
「お前こそ本物の中二病末期だな!参った!」
「実力もないのに何でそんなことすんだよはははははははははははは!」
僕は笑いながら一杯をあおり、胃の中がほんわか温まり、体全体がふわふわしてくるのを感じた。
頬は夕焼けに染まったように見えたけど、僕はわかっていた…実は酔ってるんだ、いや、酔ってない、酔ってなんかない、俺はシッカリしてる。
「ん~この感じなんだろう…」僕はみんなを見て、一瞬ぼんやりした。「ただ単に集まって焼肉して、酒飲んでるだけなのに…なんで…こんなに楽しいんだ?」
久しぶりの感覚が胸にゆっくりと広がった。温かくて、じんわりと、温泉に浸かっているようなリラックス感。
そう、友情って──こんな感じなんだろう。
戦いも、任務も、誰が誰に借りがあるとかも、誰が誰より強いとかもなく、今この瞬間だけ、みんな同じように楽しんで、同じようにダメで、同じように肉をほおばり、酒をあおる。
僕はまた一杯注いで、ジョッキを軽く揺らしながら、琥珀色の透明な液体が太陽の光を反射して輝くのを見た。
もう一口飲もう。
どれくらい経っただろうか、焼き網の肉は全て食べ尽くされ、酒樽の底はほんのわずかになっていた。
ランサーは椅子にぐったりと倒れ込み、頭を後ろに反らせ、目はとろんとして、片腕は昆布のようにだらりと揺れていた。
「快哉~快哉だ!快哉~」
「見ろよ見ろよこのランサー~数杯飲んだだけで酔っちゃって~超ヘタレだぜ~」
カールスはゲップをしながら笑い、ジョッキをランサーに向けて揺らした。
「このランサーはヘタレだな~」
そう言うと、カールスは興味深そうに僕に聞いた。
「ってことは、お前は強いってことか?」
僕は鼻を指さして、誇らしげに胸を張った。
「冗談じゃねぇ~俺超つよつよだぜ~飲み超うめぇんだから~」
言い終わって後悔した。
自慢したことじゃない。ちょっとクラッときたんだ──鼻を指さすのが強すぎて、目に刺さりそうになった。
「超飲める、つよつよか?俺と飲み比べしてみるか?」
カールスは僕の酔っ払った様子を見て、突然闘志を燃やし、パンと腿を叩き、目をカッと見開いた。
「飲み比べ?今?」
「今に決まってるだろクソ野郎!お前超飲めるんだろ?勝負つけないとどうなるかわからねぇ!」
僕の頭はまだぼんやりしていて、「今は酒がもうない」という事実には全く気づかず、むしろ血気盛んに立ち上がった。椅子もひっくり返しそうになった。
「いいぜいいぜ!俺が怖いか?比べるなら比べるぜ!」
そばにいた黒崎はもう笑い転げて、長椅子に斜めにもたれ、手を上げて腿を叩いていた。
「わお~飲み比べだ飲み比べだ~若者たちいいぞ~青春だな~」
「ああ、俺が新しい樽開けるよ~」
ミエスが新しい樽を開けている時、遠くにふわふわしていて、プルプル動いているようなものを見た。動いてるように見えるぜ。
「あれ?あれ何だ?動いてるように見えるぜ~」
僕は興味津々で指を差した。みんなが僕の指す方向を見ると、皆きょとんとした顔であの正体不明の生物を見つめた。
「…おい!野生のスライムだぞ!」
僕らが反応するより早く、黒崎兄貴は矢のように飛び出し、全身であのふわふわした物体に飛びかかった。片手をぐいっとあの柔らかい塊に突っ込む!
「やっはっはっはっはっはっは!今お前のコアは俺の手の中!変な動きしたらコアを握り潰すぞわっはっはっはっはっは!!」
彼の笑い声はまるで悪役のようだった。
捕まった野生のスライムは一気に動かなくなり、一時停止を押されたように、おとなしく黒崎の手の中で弄ばれるままになっていた。
「おい!生スライム初めて見た!それも生きてる!」
「生きてるスライムを見られるとは思わなかったな」
「こいつどうやって街に入ったんだ?」
「まあな、こいつなかなか可愛いぜ~」
みんなは輪になって、ペットを見るようにあのスライムを囲み、ああだこうだと言い合った。その体はゼリーのように微かに震え、黒崎兄貴が握っている結晶がかすかに見えた。
僕らが観察に夢中になっていると、突然誰かがアイデアを言い出した。
「こいつ、人間の言葉わかるんじゃないか?試してみようぜ?」
「いい考えいい考え!早く試せ早く試せ!」
僕はすぐに飛び起きて焼き網のところへ走り、香ばしい焼き肉の串をいくつか取った。生肉を直接与えるのは乱暴すぎると思い、人間の料理の素晴らしさを見せてやろう!
「スライムちゃん~この色艶良くて、脂がジュワッとした極上焼肉食べたいか~?もし食べたかったら、」
僕は言葉を変えて、大声で叫んだ!
「食べたかったら!おとなしく俺たちのペットになれよこのクソ野郎~げっぷ~」
あの塊はすぐにおとなしくなり、僕らに弄ばれるままになった。
「おい!いい子いい子!ほらやるぞ~」
僕は焼肉をスライムの体に押し込むと、肉は消化され始め、黒崎の手はとっくに引っ込めていた。
「変異体かよ、知能高いな!」
「おい、これ結構可愛いじゃん!」
僕らはあのスライムの柔らかくてツルツルした感触を撫でて、可愛いなあ。
奇妙なことに、そのスライムの体がわずかに膨らみ、二本の短い触手を生やし、目に見えるような可愛い表情線を細めて、哀れで期待している様子を見せた!
「えへへ、坊や、酒飲むか~」
ミエスはニヤニヤしながら木のジョッキを持ち上げ、新しく開けた酒をスライムの頭の上に直接注いだ。透明な液体がゆっくりと吸収されていくと、スライムの色はますますピンクがかって柔らかくなり、全身が微かに震え、酔ったように地面でふらふらし始めた。
「はははははははは!酔った!スライムが酔った!おい、こいつマジで酔うんだなははははははははは!」
「お前ら見ろよあの顔!いや、顔はないけど…でもなんか酔ってるみたいだな!」
「酒飲め!飲んで楽しめよ!」
「そうだ飲み尽くせ!」
どれくらい経ったかわからないが、また目を開けると夕方になっていた。周りは非常に散らかっていた。
「…ん?もうすぐなくなりそう?」
一口酒を飲むと、僕は椅子にへたり込み、ジョッキを軽く揺らしながら、琥珀色の透明な液体が夕焼けの光を反射するのを見た。
そして夕焼けに染まった僕の顔が映し出された。
僕は椅子にもたれてゆらゆら揺れ、目の前には三重のフィルターがかかったようで、少し二重に見え、世界全体が少し歪んでいるように感じた。
「あー、俺たち順番付けようぜ~なんか面白そう~」
何言ってるんだ?もう脳みそ通ってないのか?
「あ!その案いいな!どうする?じゃんけん?」
黒崎兄貴はあのスライムの塊を抱きながら、酔っぱらった様子で言った。
「え?やだね~!俺もう誓ったんだ…げっぷ!最近じゃんけんやらないって…げっぷ」
「じゃあよし~誕生日で決めようぜ~」
黒崎兄貴は言い終わると自分を指さし、バカみたいに笑いながら言った。
「俺をこんな風に見るなよ、もう34歳だぜ~誕生日は1月1日!さあ呼べ!俺を兄貴と呼べクソ野郎!」
「「「「兄貴!」」」」
僕らは見せかけだけの拳礼をして言った。そして…
「ぷ…ぷははははははははははははは!兄貴、なんで少しもオッサンっぽくないんだよ!ぷ!はあああああああ!」
「悪かったなカールス弟よ~大人っぽくなれなくて本当に悪かったなクソ野郎!!!」
黒崎兄貴はジョッキをカールスの顔に叩きつけた!
「うぐっ!痛い!俺の鼻だあああああああああ!!!」
「「「「やっはっはっはっはっはっはっはーーーー!」」」」
笑い終わると、黒崎が聞いた。
「で?お前ら何歳だ?ミエスは?」
「俺?俺か?俺は~誕生日は5月13日だ」
ミエスはそう言って酒を一口飲む。
「ランサー次お前だ!」
「俺の誕生日は?7月6日…カールスは俺と逆だな!ぐはっ!」
ランサーの言葉を聞いて、カールスはカッとなってランサーに一発パンチを食らわせた!
「この野郎…まあいい、涼介は?お前の誕生日は?」
「ふん、俺の誕生日か…」
僕は彼らを一瞥し、少し間を置いて言った。
「俺の誕生日…1月5日なんだぜバカども!さあ俺を次兄と呼べ!早く呼べ!」
「「「次兄!」」」
あの三人は拳礼をして重々しく言った。
言い終わると、ミエスは自分を指さした。
「じゃあ…俺が三男だな!さあ俺を三男と呼べ!二人の弟よ!わっはっはっはっはっは!」
「「三男!」」
あの二人はミエスに向かって拳礼をして重々しく叫んだ。
「ってことは…俺が四男だ!やっはっはっは!五弟よ!ランサー!」
カールスは横柄にランサーを指さし、ニヤニヤ笑った!
「ああああ!まいった!お兄様方よろしく!げっぷ…」
ランサーは頭をかきながら、ゲップを一つした。
黒崎はペタンコになったスライムを頭上に掲げ、アフリカの草原を思わせる様子だった。
「じゃあ、スライムは六女だな!」
「え?なんで女だと思ったの?げっぷ!」
僕はスライムを指さして聞くと、黒崎は考え込んで言った。
「ピンクだから?この色だと女の子しか思い浮かばねぇよ」
「わっはっはっはっは!なんてステレオタイプなんだ!でもいいぜ!よお!六女よ!」
「「「六女よ!」」」
………
「「「「「ぷっはははははははははははははははははは!何だよそれ!」」」」」
笑い終わると、酒を数口飲み、目の前の光景を見た。
カールスは突然何かに気づいたように、目を見開き、黒崎を指さして怒鳴った!
「あっ!今気づいたけど!黒崎ってめぇ!お前自分の誕生日が1月1日って知ってたから誕生日で決めろって言ったんだろ?腕相撲だ!負けた方が相手をお父さんって呼べ!」
「ふん!やるならやる!来い!男の意地をかけて!」
黒崎は挑戦を受けた!
「来いよ!」
彼らは酒樽の上で構え、決戦の準備をした!
「それじゃあ…3、2、1、スタート!」
………
「いや!ありえねぇ!俺が負けた?おかしいだろ!」
「ふん、俺を甘く見るなよ!筋トレはしてるんだからな!それに…お前らと俺が順番決めるなら年齢でも誕生日でも経歴でも!俺が永遠の長兄だぜ!」
黒崎のこの精神攻撃は強烈すぎる!
「それに、無理は言わない。お前は俺を父さんと呼べ。俺はお前を兄貴と呼ぶ。それぞれの関係だ」
ちくしょう、これも強烈すぎるだろ?
黒崎はカールスを抱きしめ、ニヤニヤしながらカールスの頬を突いた。
「さあ呼べ!俺がお前を兄貴って呼んだんだからな!」
「…土遁!」
おい!カールスこの野郎、逃げた!
「おい!?カールス逃げるのかよ!負けは負けだろ!父さんって呼べ!さあ!」
「や、やめてくれよ!悪かったってば!勘弁してくれ!」
「「「いひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!」」」」
………
また目を開けると、もう朝だった。
「ちくしょー、頭が痛い!これが二日酔いか?吐きそう…あれ?ここ黒崎の家じゃないか?なんでここにいるんだ…」
黒崎たちはソファでぐったりしていて、まだ起きていない。
くそ、頭が痛い!それに喉が渇いた…
………ん?あれ?
ミエスとカールスの頭にパンツかぶってるじゃん!くそ、どうしよう?笑いそうだ!
笑いをこらえながら、全員を揺り起こした。
みんな起き上がると、頭を押さえて「しいっ」と言った。さすが兄弟分、全員二日酔いだ!
彼らには教えず、現場を片付けると、帰り道を歩いた。
通行人の彼らへの反応…笑いたくなる。
家に着き、ドアを開けると、ユカとウナサが驚きと嫌悪の表情で僕を見ていた。
「あの…涼介、頭の上…」
ウナサは何かをこらえているように僕の頭を指さした。
ん?どうした?
頭の上に手を伸ばし、布地を一つ掴み取る…
それは…黒崎兄貴が昔まとめ買いしたパンツの箱に入ってた新品のパンツの一枚だった…
「ああこれは…お、君たち誤解しないでくれ…昨日遊んでた時の罰ゲームで…深く考えないで…」
「…パンツマン涼介」
「ウナサぶっ殺すぞ!」




