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ゲーム最後の男 I Am Legend

 鮫島の後ろには三人の大男が控えていた。

 緑のワークシャツを着てマチェットを構えたホッケーマスク。

 ブッチャーエプロンに皮製の仮面を被り、チェーンソーを持った大男。

 青い作業服に白塗りのマスクの男は、肉切り包丁を持っている。


「殺人鬼三銃士を連れてきましたよ!」


 両手を広げ、得意そうに鮫島は言う。

 最初に山頂に到達した時に彼が連れていたのは、いわゆるコスプレだった(古賀は本物だったが)。

 だけど、今回は〝本物〟だ。

 毎回『またしても何も知らない東野史也(21)』である俺でも、それは分かる。


「いいねェ! こういうのでいいんだよォ! こういうので!」


 本物が来たことにゾンビ利人も喜んでいる。

「全く、ちょっと目を離した隙に好き勝手やってくれたようですね……せっかく古賀さんがその命を賭して召喚した妖怪軍団を、全てゾンビ化してしまうなんて」

「あ、あれ? ほ、他にもっと色々いなかったっけ」

 よく思い出せないが、もっとたくさんいた気がする。

「僕らが見てないところでやられちゃったんだろうねェ! もったいない! 僕らが『処す』つもりだったのに!」

「恐ろしい子ですねえ……」

 苦笑いしたのだろうが、この糸目は常態が笑っているようにしか見えないので変化はごく僅かだ。

「とは言え、ひとまずおめでとうと言っておきましょうか。君はこの七時間を生き抜いてきた人間です。面構えが違う。認めますよ」

「それはひょっとしてギャグで言っているんですかねェ! 貴方、『常に自分が捕食者で狩る側だと己惚うぬぼれているサイコパス達の情けない姿が見たいんです』って言ってましたよねェ! それ、僕のことだ! 『サイコパス達』って言ったって、あの時あの場にいた面子でそれに該当するの、僕しかいないですもんねェ!」

 確かに、あの時点ではもう愛理はいなかったし、古賀は哀しい復讐者ではあるけどサイコパスではない。もちろん、俺と寺生も違う。そうか、あの台詞は利人に対して言っていたことなのか。

「いやいや、本心ですよ。サイコパスだろうが殺人鬼だろうが、君はこの過酷なゲームを生き抜いてきたんだ。笑うな! と言いたい。実際、笑えませんよね。君は、私の首を狙っているんですから」

「貴方がそう思うんならそうなんでしょうね。貴方の中ではね」

 利人はそう嘯くが、真実だ。

 この嘘つきサイコパスは、自らの罪を知っている鮫島を葬り、下山して人間社会に戻ろうとしている――


 俺と、一緒に。


 そして、また自らの欲望のままに殺人を繰り返すのだろう。

 殺し合いが収束するとどうなるのか――俺でも知っている。

 殺しが、始まるのだ。

「……今思えば、古賀さんは従順で扱いやすかったですよ。彼に比べたら君はカスだ」

「僕がカスならアンタはクズだよ」

「まあご託はもういいでしょう。君が何を言おうが、やることはシンプルです」

「そうだよォ! もうみんな、アンタらを咬みたくてウズウズしてるんだからねェ!」

 二人がのんびり話している間、ゾンビモンスター集団と殺人鬼三銃士はピクリとも動かず、じっとしている。

 誰も――ゴングを鳴らしてないのである。

 それも、ここまでだ。


「じゃあ――始めましょうか」


「オイオイ、死んだなァ! アンタ!」


 二人がほぼ同時に手を上げる。


「まずは切り込み隊長! 愛理! 口裂け! 暴れてこい!」

「ウッヒョ~! コロスゾ~‼」

 口裂け女は一直線にホッケーマスクに向かい、愛理は得意のきりもみ回転ジャンプで皮袋に襲い掛かる。

「さあお次はニューカマー! 八尺様、やっちゃって! 姦姦蛇螺(かんかんだら)は後ろからフォロー!」

 背後で青い爛れた肌に変貌した下半身大蛇の六本腕の巫女がこくりと頷く。コイツ、姦姦蛇螺って言うのか。

 ずっとそうだが、利人は紹介された訳でもないのに妖怪たちの名前をよく知っている。

 きっと彼ら彼女らがそれなりにメジャーな存在で、それを知らない俺が無知なだけなのだ。

 ただ、八尺様の姿が見えない。

 どこかと思ったら――上だ。

 高く跳躍し、縦方向にクルクル回転して――着地点である白塗りマスクの脳天に、踵を叩き落とす。

 巨体による体重に重力加速度、それに長い脚の遠心力まで加わった渾身の踵落としだ。

 だが白塗りマスクは肉切り包丁の柄を横にしてそれを受け流し、ほとんどダメージを受けない。

 一方、口裂けのハサミはホッケーマスクのマチェットに、愛理の爪は皮袋のチェーンソーで全て防がれてしまっている。

 流石は本物。かなりの手練れだ。


「今だ!」


 利人が静かに言う。

 次の瞬間、仮面の殺人鬼三人の右腕が一斉に吹き飛ぶ。

 姦姦蛇螺の能力だ。

 今まで攻撃を防いでいた得物を持つ手をなくしてしまえば戦力半減――の筈だったのだけど。

 姦姦蛇螺の能力で肩から切り離されて一瞬、中空を舞う右腕――。


 そこに、肩から血管のような触手のような赤黒い管が伸び、切り離された腕を捉え、即座に引き寄せてくっつき、修復する。


 その間、一秒もかかっていない。

 

「ナン……ダト……」

 愛理が呻く。

 その後ろで八尺様は右脚で片足立ちの姿勢になり、横向きにした左脚から連続キックを白塗りマスクにお見舞いしている。

 そしてその全てを、白塗りマスクは肉切り包丁でいなす。

 これでは埒が明かないと察したのか八尺様は一旦間合いを開け、バック転からのハンドスプリングで二本脚を白塗りマスクの体にぶち込もうとする――が、それもままならない。

 予備動作が大きすぎて動きを読まれていたらしい。

 突っ込んでくる八尺様の勢いを殺す形で抱きかかえ、白塗りマスクを少し上にズラシて口元を露わにして、大きく迫り出した犬歯を迷いなく彼女の首元に突き立てる。

 他の二組も似たようなものだ。

 ブッチャーエプロンもその皮袋を上にズラシて口元を露出し、犬歯――と言うか牙――を愛理の首元に突き立てる。

 ホッケーマスクは少し特殊で、突き立てた人差し指を口裂け女の頸動脈に突き刺している。


 ドク、ドク、と――。


 吸血している。


 指で。


 牙を突き立てた白塗りマスクも、皮袋も同様だ。


 こちらは口で吸血している。


 俺は妖怪にも殺人鬼も本当に無知だから分からないのだけど――こんななのか。


 そんな訳がない、と思う。


 こんなの。


 これでは、まるで――。


「上から来るぞォ! 気を付けろォ!」


 利人が叫ぶ。

 上を見ると、月明かりの下に大量の蝙蝠。

 それはバサバサと集まり、人の形になる。


 タキシードに裏地が赤のマントを羽織ったオールバックの紳士が、中空に浮いている。


 顔面は蒼白。目は赤く、口の両端からはみ出した牙の様な犬歯が特徴的だ。


「吸血鬼……」


 利人の呟きと同時に、吸血された愛理、口裂け、八尺様の三人がどさりと倒れた。

アイ・アム・レジェンド(2007) 原作:リチャード・マシスン(地球最後の男) 監督:フランシス・ローレンス 主演:ウィル・スミス


#美味しんぼ①(〇〇三銃士を連れてきたよ)

#またしても何も知らない大泉洋さん(23)

#孤独のグルメ(こういうのでいいんだよこういうので)

#磯部磯兵衛物語(処す?処す?)

#ガラスの仮面(おそろしい子!)

#進撃の巨人(面構えが違う)

#魁!! クロマティ高校(それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?)

#ヤンクミ(お前ら笑うな!、下ネタを含むため詳細は割愛)

#少女ファイト(お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな)

#コブラ(「あと2時間で夜が明ける」「夜が明けるとどうなる?」「知らんのか――日が昇る」)

#美味しんぼ②(これに比べると山岡さんの鮎はカスや)

#しあわせアフロ田中(誰も……消防車を呼んでいないのである‼) 

#グラップラー刃牙(「オイオイオイ」「死ぬわアイツ」)

#やばいクレーマーのSUSURU TV(うっひょ~!、殺すぞ~!)

#BLEACH (なん……だと……)

#デスクリムゾン(上から来るぞ!気をつけろ!)

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