〇〇シャーク‐××ジョーズ
おタカさんが、喰われた――。
その事実だけでも充分衝撃だったのだけど、それより何より度肝を抜かれたのが、ようやく全身を見せたサメの姿だった。
頭は三つ横並びに繋がっていて、真ん中がサメ、右側に狼、左側には熊と言う配置だ。
……と言うか、これはサメなのか?
下半身は完全に熊で、腕は四本生えていて上段は狼、下段は熊のものとなっている。
さっきおタカさんを掴んだのはこれらの腕だろう。
尻尾は狼で、背中にはサメ特有の立派な背ビレが見える。
「な、なんだ……これ……」
「おタカさん……」
俺と同じように目の前の異形に圧倒される利人と、相棒が飲み込まれたことに絶望する寺生。
「おにいちゃん達さあ! 湖で別れた後、オイラたちが何してたと思うよ! 管理人小屋に戻って『エクソシスト・シャーク』でも観てたと思うか!? んな訳ないよな! せっかくこれだけバケモンがウジャウジャしてる日なんだから、こんなチャンス逃さないっての! だから食ってやったよ! 人狼とヒグマをさ! その結果がこれだ!」
言われてやっと思い出した。
俺たちが最初に遭遇したモンスターである人狼と、一度は古賀が撃退したフリーのヒグマだ。
奴らも、餌にされていたらしい。
「分かるかい!?
『淡水』
『地中移動』
『サイズ可変』
『瞬間移動』
『人狼』
『ヒグマ』
『頭×3』
『腕×4』
――これが暴食鮫の究極進化の姿だバカヤロウ!」
「何が進化だ、こんなの、ただの合成獣じゃないか!」
「癇に障るガキは嫌いだよ! そうだ合成獣だ! 合成鮫だ! 暴食鮫が合成鮫に進化したんだよ! あらゆるスキルの混沌鮫だ! そしてそこに――今は『呪力無効』も加わった」
よく見ると、サメは左目だけが赤い。
如月の特徴だ。
てっきりカラーコンタクトを入れているのだと決めつけていたけど、あれは自然なオッドアイだったらしい。
「そのうち『呪力』と『絵画移動』のスキルも加わる。消化吸収が終わればね」
「あ……ああ……おタカさん……」
地面に手と膝を付いて打ちひしがれたままの寺生。
「寺生さん、落ち込むのは後にしましょう! 今は、逃げないと!」
俺は慌てて寺生の腕を掴んで立たせる。
「いや史也、逃げられない。相手は地中移動と瞬間移動ができるんだ。さっきは敢えて僕たちを見逃してくれたけど、今回はそれもなしだ。本気で喰いに来る。背中を見せたら、即、餌だ」
「……それに、時間もねェだろうしな……」
辛そうに顔を顰めながら、弱々しく寺生が立ち上がる。
「消化吸収を終えておタカさんのスキルを使えるようになったら、いよいよ終わりだ。間の悪いことに、インターバルもほぼ同時期に解ける。そしたら、オレたち三人ともあっと言う間に間を詰められて首を飛ばされる。だから、それまでの間に決着をつけねェと……」
「どうやって!?」
悲鳴に似た声が出る。おタカさんという主戦力をなくした今、人間三人でどうやってこんな化け物に立ち向かえと言うのだ。
「……策は、ある」
そう言って、寺生は走り出した。
シャーク系から一部
『竜巻』シャークネード(2013) 監督:アンソニー・C・フェランテ 主演:アイアン・ジーリング
『タコ』シャークトパス(2010) 監督:デクラン・オブライエン 主演:ケレム・バーシン
『砂浜移動』ビーチ・シャーク(2011) 監督:マーク・アトキンス 主演:コリン・ネメック
『幽霊』ゴースト・シャーク(2013) 監督:グリフ・ファースト 主演:マッケンジー・ロスマン
『悪魔』エクソシスト・シャーク(2015) 監督:ドナルド・ファーマー 主演:アンジェラ・ケレック
ジョーズ系から一部
『頭×2』ダブルヘッド・ジョーズ(2012) 監督:クリストファー・レイ 主演:カーメン・エレクトラ
『放射能』シン・ジョーズ(2016) 監督:A・B・ストーン 主演:レイチェル・ブルック・スミス
『古代』ジュラシック・ジョーズ(1979) 監督:チャールズ・B・グリフィス 主演:サム・ボトムズ
『雪原移動』アイス・ジョーズ(2014) 監督:スコット・ホイーラー 主演:アレクサンダー・メンデラック




