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関口 陽(ひなた) (2)

「いい手を思い付いた」

 ランのその一言で悪い予感がした。

 こいつのアドバイスは、毎度毎度、極めて的確だ。

 ただし、そのアドバイスを平然と実行出来るのは、こいつみたいな命知らずぐらいだ、と云う点に目を潰ればの話だが。

 宮本武蔵が言ったらしい、あの有名な譬え話みたいなモノだ。

「高さ六〇㎝、長さ一〇m、幅六〇㎝の手摺りも防護柵もない橋を足を踏み外さずに渡れるなら、高さ一〇m、長さ一〇m、幅六〇㎝の手摺りも防護柵もない橋だって安全な筈だ」

 確かに理屈の上ではその通りだ。

 だが、残念ながら理屈と現実は違う。

 現実にやったら、大多数の人間が、途中で恐怖のあまり足がすくんだ結果、高さ一〇mの橋から転落死する。

 そして、ランだけは「全くもって宮本武蔵先生のおっしゃる通りで」などと(うそぶ)きながら、高さ一〇m、長さ一〇m、幅六〇㎝の橋を平然とかつ御安全に渡りきりやがるだろう。

「何だ?」

「こいつらに対人間用の戦闘術は効果が薄い。急所を狙っても、あんまり意味は無いみたいだしな」

 そう言いながら、ランは近くに居たゾンビもどきの足を払うが……そのゾンビもどきは、転んで頭を打ったのに……まだ動き続けてる。

「あと『魔法』で何とかしたくても……『魔法』は使う度に体力を消耗するようだな」

「ああ……そうだな……」

 答えたのは笹原(ささのはら)

「銃も効き目が薄そうだし……そもそも、この乱戦で下手に銃を撃つのは危険だ」

「じゃあ、残る手は何だ?」

「力づく」

「はぁ?」

「こいつら以外にも、案外居るんだよ。連射出来ない銃や普通の戦闘術のような対人間用の武器や戦法は効き目が薄いが、パワーと防御力に優れたヤツが、力まかせに、どこが急所かなんか何も気にせずに思いっ切り殴り付けるのが、一番効率が良いような奴らが」

 ランと笹原(ささのはら)以外にも、その一言を聞いた周囲の連中が……一斉に私を凝視(みつ)めた。

 いや……正確には注目されてんのは私じゃない。

 中身の私じゃなくて……私が着ている……強化装甲服(パワード・スーツ)に期待の視線が集まっていた。

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