表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/93

関口 陽(ひなた) (2)

 まぁ、確かに、今までの戦い方じゃ、「観」えないヤツには何が起きてるか判んないよな。

 私は武器であるハンマーを手にし……うわっ⁉

 次の瞬間、相手は間合を詰め、片手持ちした錫杖を横に振る。素人のような動き……だが、物凄い風切り音。

 目にも止まらぬとは、この事だ。何とか後に飛び去って避けたが……追撃。

 動きは単純……。相手の足の速さも、腕を振る速度も……こちらが目で追えないほどじゃない。なのに、錫杖の攻撃だけが見えない。

 風切り音だけを頼りに攻撃を回避し続けるが……。マズい……相手の攻撃の動作より、私が回避する動作の方が大きい。

 攻撃を避け続けても、先にスタミナ切れになるのは私だ……。

 更に謎の攻撃の合間に「気弾」を撃たれる。……これも何とか防ぎ続けているが……。

 気・魔力・霊力の類を感じられるのは……相手の「気弾」と……どうやら、私を「観」ている客席などに居るらしい同業者だけ。

 つまり、この目にも止まらぬ攻撃は、魔法・呪術に依るモノじゃない。物理的な技だ。

 クソ、ついさっきまで、試合の主導権を握ったと思ってたのに、早くも立場が逆転。

「ごめん、私が連れて来た撮影のバイトを、すぐに無線に出して」

 私は、そう無線連絡。

『えっ?』

「早くッ‼」

 まだ謎の攻撃は当たってないが……こっちはどんどんジリ貧になっていく。

『はい』

「おい、お前なら判るだろ、あの錫杖の正体は何だ? お前なら、どう戦う?」

『時間が無いんで、敬語抜きで手短に言うぞ……私なら、1〜2発被弾するのを覚悟の上で、相手の懐に飛び込む』

 聞くんじゃなかった……何故、その手が有効なのかは判んないが……あいつみたいな命知らずじゃなきゃ無理な戦法……くそ、もうヤケだ。

 私は、守護尊である金剛蔵王権現の「種子」を頭の中で思い浮かべる。

 そして……「火事場の馬鹿力」を引き出す呪法が発動。

「おりゃあああああッッッッッ‼」

 相手との距離を詰めるが、もちろん、相手の攻撃を被弾……って、あれ?

 思ったより痛くない。

 ほんの一瞬だが、相手の動きが止まる。

 そうか……「速度」と「重さ」の違いは有っても……私のハンマーと同じく、「先端ほど威力が有る」武器だったのか……。

 判ってみれば単純だ……。

 相手は杖術や棒術の使い手じゃなくて、鞭か鎖分銅の使い手だと思って戦えば良かっただけか……。

 もっとも、その「だけ」が結構難しいが、でも、カラクリが判ってるのと判ってないのとでは大違いだ。

 私は、相手の武器である……錫杖に見せ掛けた多節鞭を掴んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ